2024年度
液晶メタサーフェス反射板による 5G ミリ波エリア改善の検証
<実験企業>
株式会社KDDI総合研究所
株式会社ジャパンディスプレイ
マイクロウェーブファクトリー株式会社
<実験概要>
本実証では、基地局アンテナから見通しのない、ミリ波の電波が届きづらいエリアに対して、電波の反射方向を電気的に変更可能とする液晶メタサーフェス反射板により、5Gミリ波エリアを改善する実証を行った。
その結果、基地局アンテナが設置されている、サークル棟の屋外の喫煙所が不感地帯になる 問題に対して、液晶メタサーフェス反射板の反射方向を所望方向に変更し、受信電力の改善に成功した。
※メタサーフェス反射板=半波長以下の反射素子を周期的に配列することで、特定の周波数の電波を反射することが可能なデバイス
<使用電波>
ミリ波
<実験場所>
南大沢キャンパス スポーツエリア
<実験までの流れ>
2024年5月21日 打ち合わせ
2024年7月29日~2024年7月31日 実証実験
<本学の実験協力>
5G 端末 ((RAKU+)貸し出し
メタサーフェス屈折板のエリア改善効果確認
<実験企業>
京セラ株式会社
<実験概要>
ミリ波などの高周波の電波は直進性が強い。そのため、基地局から見通し外通信のエリアにおいて、安定した通信品質を確保できないという課題がある。そこで京セラ株式会社では電波の進行方向を所望の方向に屈折させることが出来る、メタサーフェス屈折板を開発した。
この実証では、実際のミリ波基地局を用いてメタサーフェス屈折板によるエリア改善効果を確認することを目的とした。
基地局から見通し外通信となる不感地帯に対し、メタサーフェス屈折板設置前後の電波強度と伝送速度 を測定。
その結果メタサーフェス屈折板の設置により、基地局から見通し外通信となる不感地帯において、電波強度と伝送 速度が向上し、エリア改善効果を確認した。
※見通し外通信=送信機と受信機の間に障害物があり直接的な視線が通らない伝搬通路で行う通信
※メタサーフェス=波長よりも小さな構造体を 2次元的に配列したもの
<使用電波>
ミリ波
<実験場所>
日野キャンパス 2号館地下1階ギャラリーエリアの出入り口通路
<実験までの流れ>
2024年6月7日 打ち合わせ
2024年8月 関東通信局問い合わせ
2024年10月8日開始~2024年10月10日17時終了
<本学の実験協力>
5G 端末 (RAKU+)貸し出し
5G活用アイデアソン2024:【自律走行・遠隔操作ロボットの新しいユースケースを創出する】部門優秀アイデア「自律走行ロボットによる移動広告
<実験企業>
株式会社PiezoSonic
TIS株式会社
<実験概要>
2024年12月8日、5Gを活用した企業の製品・サービスの新規活用アイデアを創出する『5G活用アイデアソン2024 Create the Future -よりよい未来を創造する-』を開催。二つあるテーマの内、「自律走行・遠隔操作ロボットの新しいユースケースを創出する」部門で優秀アイデアに選ばれた学生グループと、株式会社PiezoSonicとの共同実験として行われた。
優秀アイデアに選ばれたロボットグループCは、「広告のマンネリ化や費用対効果の高い効率的な広告表示ができていない」という課題をもとに、「自律走行ロボットによる移動広告」のアイデアを考案。この学生アイデアをもとに、実証内容を株式会社Piezo Sonicと検討。その結果、5Gの優位性を検証することを目的とした「遅延差分」の実証と、アイデアの実用性を検証する「体験」の実証を行った。
実験結果として、「遅延差分」の実証では、5G環境が4G環境に比べて大幅に遅延を抑えられることが明らかとなった。
また「体験」の実証では、小型カメラで撮影しているカラー紙やハンドサインの映像がノートPCに転送されるまでの時間を計測し、4G環境と比較して5G環境の方が短く、カメラの映像がノートPC上で、より早く視認できたことを確認。5G環境下での平均計測時間が4G環境に比べて若干短縮された。
<使用電波>
ミリ波(5G)
Sub6(4G)
<実験場所>
日野キャンパス 2号館地下1階ギャラリーエリア
<実験までの流れ>
2024年12月8日 アイデアソン2024開催⇒最優秀アイデア選出
2025年1月22日 株式会社PiezoSonic社屋へ、見学とアイデア共有のため学生が訪問
2025年2月13日 株式会社PiezoSonicと実証実験に際しての最終打ち合わせ
2025年2月19日 「遅延差分」実証実験
2025年2月20日 「体験」実証実験
<本学の実験協力>
5G 端末 (RAKU+)貸し出し
5G活用アイデアソン2024:【XRやデジタルツインを活用し、情報の可視化による新しい体験を考える】部門優秀アイデア「XRデバイスを活用した温泉地体験」
<実験企業>
株式会社ホロラボ
TIS株式会社
<実験概要>
2024年12月8日、東京都立大学南大沢キャンパスにて、5Gを活用した企業の製品・サービスの新規活用アイデアを創出する『5G活用アイデアソン2024 Create the Future -よりよい未来を創造する-』を開催。二つあるテーマの内、「XRやデジタルツインを活用し、情報の可視化による新しい体験を考える」部門で優秀アイデアに選ばれた学生グループと、株式会社ホロラボとの共同実験として行われた。
優秀アイデアに選ばれたグループAは、「著名温泉地と都心起点で同じ時間距離でありながら、まだ魅力を発信しきれていない温泉地がある」という課題をもとに発案した「XRデバイスを活用した温泉地体験」のアイデアを考案。このアイデアをもとに、更に5Gの優位性を検証項目として取り入れた実証内容を、株式会社ホロラボと検討。
それにより、5Gの優位性を検証することを目的とした「速度」の実証と、サービス全体の一連の流れを学生自らが体験し、アイデアの実用性を検証する「体験」の実証の2軸で実験を行った。
結果、「速度」の実証では、5G環境でのデータダウンロードが4Gに比べて高速であることが明らかとなった。Google Drive上から52.6MBの空間ビデオをMacBookにダウンロードした際のダウンロードタイムが、4G環境だと14秒、5G環境だと2秒。同じ空間ビデオをApple Vision Proにダウンロードした際のタイムは、4G環境だと17秒、5G環境だと5秒となった。速度差を鑑みても、明らかにリアルタイムでの高品質なXR体験における5Gの優位性を示すものとなった。
また「体験」の実証では、Apple Vision Proを用いた映像体験がまるで現地にいるかのような没入感を感じさせ、今までになかった温泉地の需要発掘・魅力を発信するサービスであると体感することができた。また、高精度な撮影機材で撮影された映像では、視覚的なリアリティが強化され、映像への没入感が高まり、ユーザー満足度をさらに向上させることが確認できた。
<使用電波>
ミリ波(5G)
Sub6(4G)
<実験場所>
日野キャンパス 体育館
<実験までの流れ>
2024年12月8日 アイデアソン2024開催⇒最優秀アイデア選出
2025年2月18日 実証実験
<本学の実験協力>
5G 端末 (RAKU+)貸し出し