ベスト・ティーチング・アワード
本学の教育改善をさらに推進するための表彰制度です。
東京都立大学では、教育の質の改善に貢献が認められる優れた取組に対して、「ベスト・ ティーチング・アワード」を授与し、当該取組を実施した教員を優秀教員として表彰する制度があります。(2019年度より)
対象は、正課に係る授業科目の教授方法、成績評価方法、その他正課に係る教育改善の取組みに関する事項となっており、公募により募集されます。
受賞取組の代表者及び共同実施者に対しては、学長より表彰状と記念品等が贈呈されます。
2022年度ベスト・ティーチング・アワード(特集記事はこちらから)
受賞取組 | 代表者 | 共同実施者 | 取組概要 |
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異文化理解のための動画教材の製作・活用・保存 | 西山 雄二 教授(人文社会学部 人文学科) | 教養科目「フランス語圏の文化」、専門科目「フランス語学演習」「フランス語圏文化論」において、それぞれの科目に適した独自の動画資料(計20本)を製作し、受講生の予習・復習のために活用することで、効率的で能動的な学びを促進した。 製作した動画は、東京都立大学に留学中のフランス人留学生へのインタビュー、受講生によるフランス語での歌唱(「紅蓮華」「千本桜」「夜に駆ける」)、フランス語の哲学・文学・時事テクストの読解などで、授業の補助教材として中期的に活用を続ける予定である。また、これらの動画作品はすべて一般公開されており、国内外を問わず広く視聴されている。 |
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分野横断型教育に向けたTA の育成と展開 | 佐原 宏典 教授(システムデザイン学部航空宇宙システム工学科) |
田中 聡一郎 准教授(システムデザイン学部インダストリアルアート学科) 大島 草太 助教 (システムデザイン学部航空宇宙システム工学科) |
システムデザイン学部では、学科間の「分野横断教育」を推進しているものの、他学科の学生への効果測定、演習科目で必要なTAのコミュニケーション力向上を含めた育成が課題となっていた。これらの解決のため、異学科混成学生を対象としたグループワークを行う特別講義「エンジニアのためのデザイン思考」を開講し、グループワークの取りまとめを行う過程でのTAスキルの向上、TA及び受講生に向けた教育効果を測定するルーブリックの策定等を実施した。 |
臨床実習前実技評価に伴うフィードバックシステムの構築 | 関根 紀夫 准教授(健康福祉学部 放射線学科) |
明上山 温 准教授 (健康福祉学部 放射線学科) 田島 敬之 准教授 (健康福祉学部 理学療法学科) 井上 薫 准教授 (健康福祉学部 作業療法学科) |
本取組では、臨床実習前の学生が習得すべき医療技術スキルを評価するOSCE(臨床実習能力試験)によって得られる実技評価データから、①明確な問題点の可視化②学生が自ら学ぶアクティブ・ラーニングコンテンツの開発③STA、TAを活用した学びのサイクル環境の構築に取り組んだ。①では、オンラインOSCE環境及びOSCE講評時の内容をテキストデータとしてフィードバックするシステムの構築、②ではkibacoを活用した危険予知トレーニングCBTの開設、③では有資格者TAが画像教材作成に参加し、危険予知への「気づき」の違いを学ぶ機会の創出などを行った。 |
2021年度ベスト・ティーチング・アワード(特集記事はこちらから)
受賞取組 | 代表者 | 共同実施者 | 取組概要 |
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地域企業・団体と連携した課題解決型学習PBLの実施 | 岡村 祐 准教授(都市環境学部 観光科学科) |
川原 晋 教授(都市環境学部 観光科学科)、 大平 悠季 助教(都市環境学部 観光科学科) 清水 哲夫 教授(都市環境学部 観光科学科) |
「観光科学プロジェクト演習Ⅱ」は地域企業や団体と連携しながら行う課題解決型学習科目である。本取組では、学生が地域企業や自治体が抱える課題を解決するため、フィールドワークを行い、計画を立案し、最終発表時には企業の方から計画案についてコメントをもらうことで、社会的ニーズを深く考えさせ、地域の資源や人、事業者等多方面への関心を喚起した。また、冊子として報告書を作成、学内向けセミナー発表、学会やコンテストへの参加等、学内外への活動も行った。 |
システム設計に関する学習機会の提供の試み~ダブルループ学習の考え方に基づく基盤科目での課題発展 | 金崎 雅博 教授(システムデザイン学部航空宇宙システム工学科) |
佐原 宏典 教授(システムデザイン学部航空宇宙システム工学科) 古本 政博 助教(システムデザイン学部航空宇宙システム工学科) |
基盤科目「エアフレームデザイン概論」において、より発展的な課題を望む学生がいたことや、要素技術全体を俯瞰して、大規模システムを具現化するシステムインテグレーターのための教育プログラムが必要であることを踏まえ、当該科目の履修学生の中から希望を募り、大気のある惑星・衛星圏での航空探査をテーマにミッションステートメントや要求分析を経てシステム要求を文書化する実習や教育用小型ドローンによるロボットプログラミング演習、グループワークとしてのブレインストーミングとオリジナル機の製作など、より高度な教育プログラムの場を提供した。このプログラムにより、システムインテグレーターとして必要な能力を身につけさせることができた。加えて、受講後の学生がさらなる学習のために自主的にサークルを設立するなど、学生の学修意欲を引き出し、主体的学習を後押しした。 |
2020年度ベスト・ティーチング・アワード(特集記事はこちらから)
受賞取組 | 代表者 | 共同実施者 | 取組概要 |
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学外体験型教養科目「自然と社会と文化」のリモート開講 | 黒川 信 准教授 (理学部生命科学科) |
加藤 俊吾 准教授 (都市環境学部環境応用化学科)、 筧 幸次 教授 、諸貫 信行 教授 (システムデザイン学部機械システム工学科) |
教養科目「自然と社会と文化」において、伊豆大島、八丈島、小笠原などの島々や都内、多摩・奥多摩地域のフィールドワークを通じ、物事を総合的に判断、考察する能力を高めるとともに、問題認識、討論、課題発見能力の基礎を養うことを目指した。 2020年度はコロナ禍の状況にあって現地での実施が難しい状況であったが、全方位動画及び静止画像の事前配信、双方向的なリアルタイムの中継などを活用したリモート開講により、能動的な現場体験型講義を実現した。 |
オンラインツールを活用した共同体としての学びのデザインと実践 | 近藤 伸彦 准教授 (大学教育センター) | 教養科目「教養としてのデータサイエンス」は、データリテラシーの涵養を図ることを目的としている。本授業では、ICTツール(ScrapboxやGoogleスプレッドシート等のクラウドサービス)を活用し、学生による相互評価、明確化した評価基準に基づく学修成果の可視化を進めることで、学生の学修に対する動機を高め、主体的な学びを促進し、学修の質的な変化を促した。 |
2019年度ベスト・ティーチング・アワード(特集記事はこちらから)
受賞取組 | 代表者 | 共同実施者 | 取組概要 |
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学生自身の視点を生かし、人類学的な実践を作品化する―インタビュー・定点観察・映像撮影- | 田沼幸子 准教授 (人文社会学部人間社会学科) | 深山直子 准教授 (人文社会学部人間社会学科) | 社会人類学演習Ⅱ(20人程度が履修)において、社会科学の質的調査法であるフィールドワークの基本について、実践を通じて学ぶ。学術的知識を学生に与え、学生自身が興味関心を定め、調査関係者と交渉を通じて合意形成をし、インタビュー・定点観察・映像撮影を実施し、他者の視点を意識した映像作品を仕上げる。一連の過程を通じて、学生の自発性と臨機応変性を育成する。 |
kibacoを利用した能動的学修支援システムの構築 | 山登正文 准教授 (都市環境学部環境応用化学科) | 柳下崇 准教授/久保由治 教授/梶原浩一 教授(都市環境学部環境応用化学科)、他環境応用化学科教員 | 「従来型の講義授業」において十分な授業外学修の確保するための仕組みとして、本学のLMS(kibaco)上に能動的学修支援システムを構築し、運用した。PBLやプレゼンテーション指導が主体の環境応用化学基礎ゼミナールと応用化学英語以外のすべての必修講義科目(1,2年生で実施の13科目,26単位)と必修実験科目(2,3年生で実施の6科目,10単位)においてkibacoを用いたWEB予習テストやWEB理解度確認テストを実施することで、授業外学修時間を増加させ、単位の実質化に繋げた。 |
動画作成課題による Active Learning教育の推進―高次脳機能障害に対する支援役割の理解を目指した新たな取り組み- | 宮本礼子 准教授 (健康福祉学部作業療法学科) | 大嶋伸雄 教授 (健康福祉学部作業療法学科) | 高次脳機能障害の症状および作業療法支援の実践例の紹介動画の作成を通じ、学生が有している知識を他者に分かりやすく伝える方法を考えさせる。学生に馴染み深い「一般投稿動画」を課題とし、“自身が視聴者だった場合”を想定し易くし、動画のクオリティに真剣に向き合う姿勢を引き出した。結果、受講した学生の授業外学習時間の増加や、学生の主体的な学修姿勢を引き出すことに繋げた。 |
2019年度東京都立大学ベスト・ティーチング・アワード 特別賞
受賞取組 | 代表者 | 共同実施者 | 取組概要 |
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生命科学科英語課程-卒業に必要な全ての単位が英語で取得できるプログラムの確立- | 安藤香奈絵 准教授 (理学部) | 社会のグローバル化、大学教育の国際化、学生の英語力向上に対応するため、英語のみで卒業に必要な全ての単位が取得可能な「生命科学英語課程」を確立した。 特色として、①既存の教育課程の授業を英語化しつつ同じ授業を日本語でも開講し、②英語又は日英混合の形態を選択可能とし、③別枠の入試は行わず、入学後に学生の希望をもとに履修者を決定し、中途での変更も可能としている。 結果、本学学生の英語力及び国際競争力の強化、留学生の増加や受験生の増加に繋げた。 |