
自然豊かで、四季折々の美しい景色を楽しむことができる、
都立大の南大沢、日野、荒川キャンパス。
多彩で、美しい施設は、
学びと大学生活をサポートしてくれます。
絶景ポイントや、歴史、
誰も知らない?トリビアまで、
洗練された都立大のキャンパスを
ご紹介します。


南大沢キャンパス



南大沢キャンパスは、多摩丘陵地を開発した起伏に富んだ地形で、東西約1,500m、南北が最大で400mと東西に長い台地となっています。キャンパスの南側一帯が緑地(松木日向緑地)の形成をしており、四季を感じながら大学生活を送ることができます。


光の塔と
シンボルツリー
光の塔
都立大のシンボルタワーとして南門にそびえ立つ、高さ40mの「光の塔」。
この塔には、光をテーマとした3つの要素が盛り込まれています。「光の図形」「陽刻」「屋根の反射ガラス」で構成されており、街のランドマークとなっています。
塔内の南角に穿たれた小さな穴から、一日の内正午の前後数分間に差し込む太陽光が、床上に刻まれたアナレンマ(均時差によって1年のうちに太陽の位置が8の字型を描いて運動すること)の上を静かに動きます。静寂の中で観るこの動きは、日頃気づかなかった何物かを心に呼び覚ますでしょう。
シンボルツリー~都立大の歴史~
南門のイチョウ
南門からのアプローチには、旧都立大の目黒キャンパス、深沢キャンパスから移植したイチョウの高木を列植し、歴史を継承しています。その他、キャンパス内のエリアごとにテーマの樹が植樹されています。新緑の時期には生い茂り、色づき始めると秋のおとずれを感じさせてくれ、季節感あふれる環境です。



4つのゾーンにある
4つの広場
南大沢キャンパスは大きく本部・文系ゾーン、交流ゾーン、理工系ゾーン、スポーツゾーンの4つのゾーンに分かれており、それぞれ中心となる広場が設けられています。
①大学広場
②学生広場
③理工広場
④風の広場
それぞれにあるモニュメントをご紹介いたします。



都立大を
ちょこっと深堀

縄文土器風を描いていている壁
南大沢キャンパス内の校舎群の外壁のタイルは、縄文土器の文様を表現しデザインされたものです。松木日向緑地から出土した縄文土器にちなんで焼いた土色のタイルを使用しています。

地面のタイルに隙間がある理由
南大沢キャンパスは多摩の自然環境を保全するため、大地に手を加えることで起こる植生の変化、地下水の状態変化域は地滑りの可能性など、様々な現象に対応したスケープ計画が考えられています。降雨水は元の自然環境がそうであるように、可能な限り大地に浸透する工夫がされました。土留もコンクリートを用いず、すかし目地による石積みにするなど、蚯蚓 (みみず)をはじめ地中の小動物、微生物がなるべく多種類生命を営める環境になっています。

最も標高の高い位置にある泉水壇
インフォメーションギャラリーから理工系ゾーンへ至るルートは、雨天時の移動ためコリドール (渡り廊下)を設けています。図書館前で交差する部分にサークルがあり、ここは南大沢キャンパスで最も標高の高い地点です。イタリアの山岳都市の街角に泉が湧き、ロトンダがある風景をイメージしてサークルの中心に泉水壇を設けました。ここから東の理工系ゾーンに向かって勾配となり、振り返るとサークルの屋根越しに富士山が見える設計でした。

調整池
理工系ゾーンにある12号館南側には、緑地への雨水還元用調整池を設け、校舎群の雨水を一時とどめ、緑地沿いに東に向かってオーバーフロー水を流す川を造り、川底から浸透させる仕組みを作っています。調整池と理工広場のHigh Sky前の池の水位の高さは一緒になっています。

南大沢キャンパス
絶景ポイント

桜(南門)

インフォメーションギャラリー

大学広場&空の目門

図書館

図書館

国際交流会館

調整池

調整池

調整池

風の広場

スポーツゾーンのケヤキ
参考文献:建築文化別冊東京都立大学 / 東京都立大学 新キャンパスのあらまし / 新キャンパスの計画とデザイン / TILING7 / SPACE MODULATOR79 / 東京都立大学五十年史





日野キャンパス



日野キャンパスは、東京都立科学技術科技大学(科技大)から継承したキャンパスです。東京都日野市に位置しており、システムデザイン学部(主に3・4年次)と大学院システムデザイン研究科の学生が学ぶキャンパスです。


シンボルツリー
シンボルツリーの楓をモチーフとした建物
2号館は1993年に完成した建物です。科技大の校章のモチーフであった楓の木が校内に多く植えられていたことから、楓をデザインに取り入れ、地域の大学・産業・研究機関・自治体・地域住民との科学技術交流を促進できる、地域のシンボル性豊かな特色ある建築物として建てられました。フレームは、楓にちなみ赤色で表現しています。施設としては、図書館、講義室、研究室などが置かれ、建物の上層部は電波障害対策のため楕円形に設計され、2号館前の広場のタイルは当時の科技大をテーマにしたアートワークとなっています。


日野キャンパス
ちょこっと情報


キャンパス間バス(日野⇔南大沢)
日野キャンパスと南大沢キャンパス間で学生や教職員が使用できる連絡バスを運行しています。日野キャンパスにあるシステムデザイン学部の授業間のキャンパス移動に利用できます。
産学公連携スペース「TMU Innovation Hub」
2023年10月に6号館1階に大学の持つ教育・研究リソースを活用した産学公連携イノベーション拠点として、TMU Innovation Hubを開設しました。TMU Innovation Hubでは、起業を目指す方や、起業後間もない研究開発型のベンチャー企業、本学教員との共同研究を行う企業等の入居を想定したインキュベーションルームやイベント開催等、新たなイノベーション創出の場となるオープンイノベーションスペース、地域の企業・団体など地域の方も利用することができるイノベーションブースを設置しています。


日野キャンパス
絶景ポイント

4号館

4号館

6号館

6号館

図書館

図書館
参考文献:東京都立科学技術大学 十年のあゆみ




荒川キャンパス



荒川キャンパスは東京都立保健科学大学(保科大)から継承したキャンパスです。保科大は、1998年に東京都立医療技術短期大学(1986年に開学)を4年制大学に移行する形で開学しました。


シンボルツリー
シンボル的なツリー&1期生の桜の木
都立大の前身である、医療技術短大生の1~6期生の卒業記念の桜の木が一本ずつ学内に並んで植えられており、毎年花を咲かせています。
学内にはメタセコイヤが植えられており、新緑から紅葉までの季節の変化を楽しむことができます。



荒川キャンパス
ちょこっと紹介

食堂の前の椅子に座った姿の銅像は「BREEZE」(微風)
学生が集う食堂は、キャンパス全体の中心に配置し、近隣の隅田川のイメージから、池で囲った外部的な明るい楽しい場として設計されました。テラスに据えられた銅像は、「BREEZE」(微風)と題名がついています。色々な名前の候補があがりましたが、最終的に作者である朝倉響子が「BREEZE」(微風)と決めました。池に水が入っている時期には、水辺に鴨が遊びにくることもあり、癒しの一画となっています。

庭と一体化された建物や外装のタイル
荒川キャンパスは大規模工場跡地に、高さを極力低く抑え「庭」と一体化する建物群として計画されました。下町の家屋、工場が密集する周辺に対して、潤いをもたらす都市景観要素となっています。外装には、市街化以前の田園風景をイメージさせる浅い黄色のモザイクタイルを採用。同色の4種類のタイルをいろいろに貼り付けることによって、天気の日、曇った日には、色と、光の反射等の変化を生み出しています。

アプローチ広場
アプローチ広場は、敷地外の歩道の延長上を広場化した造りとなっており、中央広場へ向かった斜めの視線の軸を設定し、緑の景観が奥深く重なる計画とすることで、大学全体が隅田川辺りの密集地のオアシスとしたいと考えられていました。

建築化した緑
講堂を中心においた中央広場は、芝生の目地のパターン折込と、ムベ(アケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物)の茎が生い茂ることでできる緑の柔らかい垂れ壁を建築化した緑として建築デザインに組み込んでいます。回廊は、深い杭を無くすことや、眺望を確保するため、フィーレンディール梁として22.75mの長大スパンのものとして造られています。


荒川キャンパス
絶景ポイント

図書館棟と管理棟の間あたりから晴れたときの写真

厚生棟

中庭

中庭

食堂

図書館
参考文献:新建築、東京都立医療技術短期大学 5年間の歩み