ローカル5G環境を活用した最先端研究

東京都の「『未来の東京』戦略」の取組の一環として、日本最大級のローカル5G環境を活用した研究や実証実験を実施しています。

3m法電波暗室(日野キャンパス)
3m法電波暗室(日野キャンパス)

東京都が策定した「『未来の東京』戦略」の取組の一環として、国内最大級のローカル5G環境をキャンパス内に整備し、研究や実証実験の成果を社会に還元していくとともに、行政機関や民間企業等との産学公連携の実現への貢献を目指しています。

※ローカル5G
地域や産業の個別のニーズに応じて、地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの事業のために利用できる5Gシステムのこと


東京都立大学のローカル5G環境

南大沢キャンパス及び日野キャンパスの広範囲において、日本最大級規模のローカル5Gを整備し、2020年度からローカル5G環境を活用した新たな最先端研究を開始しています。本学では、ローカル5G環境を活用した研究を重点的に推進することで、Society5.0実現の基幹インフラとなる5Gをはじめとする高速・大容量の移動通信に関する課題解決や、社会実装を通じて都民生活の向上に資する本学ならではの研究の活性化に取り組んでいます。

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ローカル5G環境を活用した研究

社会実装型研究・社会実装型研究(長期:最長5年間)

新たなライフスタイルの提案や社会的・公共的価値の創造を通じて都民生活の質の向上をもたらすなど、Society5.0の実現につながる応用的研究であって、社会実装が期待される研究

  • ARゲームで楽しく単独移動を支援するAI車椅子システムの社会実装
      研究代表者:串山 久美子 教授(システムデザイン研究科)

高齢者や障がいのある人が楽しく単独行動できるよう支援するため、5Gによる高速・大容量の移動通信システムを活用して、カメラ/センサを内蔵し、移動体や障害物の位置・速度・種類などを遅延のないリアルタイムに認識可能な車いすデバイスを用いて、ARゲームやコンテンツによる屋外の活動支援システムの開発を行う。

  • ”全ての人の手元まで”を実現するマイクロ物流プラットフォーム
      研究代表者:和田 一義 准教授(システムデザイン研究科)

5Gを活用して”全ての人の手元まで”の物流を実現し、売場管理の自動化を目指す。そのため、陳列棚と小型物流倉庫の機能を併せ持つ「マイクロ物流ノード」、顧客やマイクロ物流ノードに商品を搬送する「配送ロボット」、全体を管理制御する「エッジサーバー」などから構築するマイクロ物流プラットフォームを開発する。マイクロ物流がスマート化することにより、誰にとっても欲しいものが手に届くバリアフリーな店舗の実現につながる。

社会実装型研究(短期:2~3年間)

ポスト・コロナの社会における新たな日常の確立や社会変革への道筋を提案するなど、ポスト・コロナ時代の都民生活の質の向上に資する応用的研究であって、早期に社会実装が期待される研究

  • プレス加工DXのための5G環境IoTプラットフォームの構築
     研究代表者:楊 明 教授(システムデザイン研究科)

金属プレス加工のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための5Gプラットフォームを構築する。ローカル5Gを活用したプレス機械や金型内蔵センサなど複数センサからのセンシング情報の無線伝送の実証実験を行う。また、実プレス加工におけるプロセス可視化とプロセス制御に対する無線伝送特性の影響などを評価し、実用性評価を行う。従来、職人の経験や勘に頼っていた異常検出や製造過程における不良品発生率の減少、プレス加工によって生じる金型の摩耗予測などの自動化が可能となる。また、このようなシステムを活用することで、若手人材の育成にも寄与する。

  • 5G通信で遠隔マルチワークを可能とする代理身体システムの構築
     研究代表者:ヤェム ヴィボル 助教(システムデザイン研究科)

遠隔空間で複数種のタスクを行うことを可能にするため、5G超高速通信を用いてローカルオペレータの知覚と運動制御を等価的に持った代理身体を複数空間に展開するシステムを実現する。①多種代理身体ロボットの開発、②多感覚提示とデフォルト身体の構築、③空間情報計測・モデリング、④遠隔マルチワーク実験と評価の4つの点に関する研究開発を行う。 これらロボットオペレーティング技術等の実用化により、地域医療や高齢者支援、災害支援の現場での活用が見込まれる。

挑戦型研究

企業が手を出しにくい将来の課題解決に資する基礎的研究であって、科学技術の発展や変革をもたらし得る研究

  • 通信資源の利用効率最大化を目指したモバイルネットワーキング
     朝香 卓也 教授(システムデザイン研究科)

5Gの潜在能力(高速大容量、低遅延、同時多接続)をより効果的に活用する技術の確立を目指す。そのため、①ネットワークエッジを用いた分散コンピューティング/分散データ配信技術、②ドローンによる高効率モバイルアクセスネットワーク構成技術、③ユーザの集団行動特性を考慮した通信資源の効率的利用技術について取り組む。

  • L5Gネットワークを用いた次世代マルチモーダルセンシング
     和田 圭二 教授(システムデザイン研究科)

ローカル5Gを活用してセンサネットワークを構築し、リアルタイム無線マルチモーダル計測により次世代の情報通信技術を基盤とするセンシングシステムの提案・構築を目指す。更に、電磁環境評価とエネルギー制御技術の基盤構築を行い安心・安全なシステムの実現可能性の立証を行う。

  • 超実時間モニタリングのためのロボット知能化基盤技術と5G社会
     研究代表者:久保田 直行 教授(システムデザイン研究科)

大容量・低遅延、同時多接続の5Gを最大限に活用してSociety 5.0を実現するため、ロボットの高度知能化基盤技術を確立する。①超実時間トラッキングイノベーション(計測)、②超実時間モニタリングイノベーション(認識・予測・推定)、③オンライン機械学習イノベーション(学習)、④オンラインロボット適応イノベーション(適応)の4つの点に関する研究開発を行う。パーソナルモビリティや自動搬送車への展開、林業や建設業の現場における自動化、自律化の実現につながる。

  • 6Gに向けたハイダイナミックレンジポジショニング技術の創出
     研究代表者:横山 昌平 准教授(システムデザイン研究科)

光に着目し、ミクロな領域からマクロな領域までをカバーするハイダイナミックレンジ測位技術を実現する。そのため、基地局に接続された多数のデバイスに搭載されたカメラ等のセンサデータを分散協調処理し、数センチメートル級の測位精度を達成するフォトグラフィックGPSと、高精度光クロックの発信とその計測技術を用いて数ミリメートル級の測位精度を達成するフォトニックGPSに関する研究開発を行う。また、それらを既存のGPSと統合する事により、5G後の測位基盤技術を確立する。高度ICT社会における交通や物流の観測・制御から、ロボットや医療分野におけるIoT機器のミリ単位でのポジショニングまでをワンストップで実現する基盤技術となる。

ローカル5G環境の企業等への提供

5G を活用した新たな製品・サービスの実証フィールドとして、本学のローカル 5G 環境を広く民間企業や研究機関等に無償提供しています。

(1) 提供内容

東京都立大学南大沢キャンパス及び日野キャンパスに整備したローカル5G環境
※4.7GHz帯と28GHz帯の電波特性を組み合わせて、各キャンパスの広範囲を効率的にカバー(基地局数20局)

(2) 提供までの流れ

ロ ーカル5G環境の利用希望は、随時受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

1.ご要望の確認(利用方法、利用エリア、利用期間、持込端末等)
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2.提供の可否確認(学内の状況等により提供できない可能性があります。)
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3.提供に当たっての具体的条件の調整後、提供開始

※ご要望の確認から提供まで3~4か月程度かかる場合があります(ご要望の条件等により変動します)。

(3) お問い合わせ先

東京都立大学管理部
5G・南大沢まちづくり担当
TEL:042-677-2007
E- mail:local5g-section●jmj.tmu.ac.jp
※メールにてご連絡いただく場合は●を@に変換してください。

(4) 実証実験の実施例

<実施企業>
株式会社 Piezo Sonic様、富士通株式会社様、TIS 株式会社様
<実施場所>
南大沢キャンパスにおける生協食堂から8号館までの区間
<実施内容>
ローカル5G通信によるロボットを活用した遠隔購入の実証実験を行いました。