2023年度

液晶メタサーフェス反射板によるミリ波エリア改善の実証実験

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<実験企業>

株式会社KDDI総合研究所、株式会社ジャパンディスプレイ、マイクロウェーブファクトリー株式会社

<実験概要>

株式会社ジャパンディスプレイの開発した液晶メタサーフェス反射板※を本学ローカル5G環境下に設置し、電波状況を改善できるかの実証実験を行った。
5Gのミリ波(28GHz帯)は、高速通信を実現できる一方で、減衰が大きく遠くまで届かない、障害物に弱いといった特徴がある。
本学ローカル5G環境において、基地局からの見通しが悪く電波が届きにくくなっているエリアに、液晶メタサーフェス反射板により電波を反射させることで、電波の強さ・通信速度を改善することに成功した。

※液晶メタサーフェス反射板
液晶技術を電波制御に応用し、電波の反射方向を自在に変えることができる反射板。液晶に電圧を加えることで液晶分子の方向を変え、反射する電波の方向を自在に変更できる。

<使用電波>

ミリ波

<実験場所>

南大沢キャンパス 講堂

<実験までの流れ>

2023.11.30  実験内容の打合せ(対面)
2024.2.14  実証実験のための実験計画書変更承認
2024.2.19  実験日決定
2024.3.10、2024.3.17  実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gルータ)の貸出
実験機器のお預かり、保管

災害時被災者探索/避難者追跡システムの実証実験

<実験企業>

サイトセンシング株式会社

<実験概要>

測位技術PDRを避難者追跡に応用した「避難者追跡システム」の実証を行った。
今回は(車両)ロボットに見立てた台車の上に5Gスマートフォンを搭載し、避難者を検知できるか検証した。(避難者はBLE発信機を携帯して避難している想定)
(車両)ロボットによる避難者/被災者の探索が可能であることがわかった。一方で、最大10秒程度の演算遅延が発生することが分かった。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

日野キャンパス B1ギャラリー

<実験までの流れ>

2024.2.16 実験希望のご連絡を受付
2024.2.16 実験日、実験場所の決定
2024.2.27 実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gスマートフォン)の貸出

災害時被災者探索/避難者追跡システムの実証実験

<実験企業>

サイトセンシング株式会社

<実験概要>

測位技術PDRを避難者追跡に応用した「避難者追跡システム」の実証を行った。
今回は自動飛行ドローンを用いた避難者検知に関する実証実験で、避難者の探索に加え、湿った土砂や瓦礫に埋まった被災者(BLE発信機)を5G端末が搭載されたドローンで検知できるか検証した。
避難者のリアルタイム探索は、自動飛行ドローンで検知できた。一方で、土砂に埋まった被災者の探索は、1.5~2m程度まで近付く必要があった。また、水分を多く含む土砂の下に設置したBLE発信機の検知はできなかった。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

日野キャンパス 体育館

<実験までの流れ>

2023.11.24 実験希望のご連絡を受付
        実験内容の確認(メール)
2023.12.4   実験日決定
【実験者様による実験準備】
2024.1.31  経路等の事前確認
2024.2.3~4 実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gスマートフォン)の貸出
実験道具のお預かり

クラウド型ドローン測量サービス 「くみき」への5G環境における画像伝送検証

<実験企業>

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、株式会社スカイマティクス

<実験概要>

ドローン等で撮影した画像ファイルを使用して点群化(※1)・オルソ化(※2)されたデータは、精細化すると膨大な量となってしまい、4G(LTE等)でのクラウド上への迅速なデータアップロードは難しくなる。
このため、今回の実験では、撮影した画像データをローカル5G環境下で伝送実験を実施し、4G(LTE等)との比較検証を実施した。

※1 点群化:複数の画像(写真・動画)から、3次元構造(点群)データを生成すること
※2 オルソ化:航空カメラ、人工衛星等で撮影した空中写真画像を補正し、真上から見たような正射投影された空中写真画像を作成すること

伝送データ:
ドローン撮影画像(静止画像)約1,000枚

検証結果:
LTE回線ではデータ量が多く、伝送(アップロード)が困難だったが、ローカル5G環境下では、5分未満で伝送が実施でき、通信速度の優位性を確認できた。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

南大沢キャンパス 11号館 101教室

<実験までの流れ>

2023.12.19  実験希望のご連絡を受付
2023.12.19 実験内容の確認(メール)
2023.12.19 実験日決定
2023.12.27 実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gルータ)の貸出

5G を利用した自走配送ロボットの複数台監視システムの検証

<実験企業>

LOMBY株式会社

<実験概要>

昨年、5Gを用いた遠隔操作型の試作機で実証実験を実施したが、今回は2台の自律走行型の改良機を同時制御で走行させることができた。また、遠隔操作型小型車では、法定最高速度6km/hで長距離(正門〜理学部・都市環境学部棟〔約700m〕 )の走行を実施し、構内のスロープ部を含め、人や障害物を適切に検知して走行させることができた。
遠隔監視システムの開発も行い4G/LTEと5Gとのネットワーク比較検証を行い、2台の走行映像を転送することに成功した。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

南大沢キャンパス 屋外エリア

<実験までの流れ>

2023.5.31  実験希望のご連絡を受付
2023.6.7  実験内容の打合せ(オンライン)
2023.6.23  実験日決定
2023.8.1~2023.9.29  実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gルータ)の貸出
実験機器のお預かり、保管

無線可視化ツールの機能性確認

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<実験企業>

富士通株式会社

<実験概要>

開発した無線可視化ツールをフィールドに適用し、無線環境の変動に応じて予測通りの環境に対する状況の通知がされるかどうか検証を実施した。
環境に対する状況の通知がされる条件式の各無線パラメータの閾値の見直しは必要になるものの、おおむね予測通りの通知を確認し、無線可視化ツールによって、無線品質の妥当性が判断できることを確認した。
また、ユーザの利便性という点において、改良すべきポイントが確認できた。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

南大沢キャンパス 講堂大ホール、講堂小ホール、6号館110教室、1号館120教室、屋外エリア

<実験までの流れ>

2023.10.18 実験希望のご連絡を受付
      実験内容の確認(メール)
2023.10.26 実験日決定
2023.11.19 実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gルーター)の貸出

5Gを活用したホログラム配信の実証実験

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<実験企業>

Holotch株式会社、ReGACY Innovation Group株式会社

<実験概要>

スポーツのトレーニング指導において5G通信を通じたホログラム配信を活用できるかを検証した。
対面と同じようにホログラム配信を通じてコーチから指導を受けるという点は、事前に想定していた通りに実現できた。また、能動的に自分の見たい箇所を確認できるというVRならではの特性が、技術習得において大きなメリットになることを確認できた。
映像面での改善点がいくつかあるものの、今後5Gで大容量のデータを扱えることを念頭に開発を行うことで、要求レベルに対応できることがわかった。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

日野キャンパス 体育館

<実験までの流れ>

2023.7.20 実験希望のご連絡を受付
2023.7.25 初回打合せ実施
【実験者様による実験準備】
2023.9.4  実証実験

<本学の実験協力>

端末(5Gルーター)の貸出

<参考>

▼ReGACY Innovation Group株式会社について
 https://regacy-innovation.com/

災害時/非常時避難者追跡システムの実証

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<実験企業>

サイトセンシング株式会社

<実験概要>

測位技術PDRを避難者追跡に応用した「避難者追跡システム」の実証を行った。
アンテナ役の3名がローカル5Gスマートフォンを携帯し、避難者を想定した被験者19名がBLE発信機を携帯した上で、相互に行き交うようにキャンパス内を歩き回った。避難者役はいくつかのポイントを経由して目的地(避難先)に向かって移動し、その軌跡をPC画面上にリアルタイムに表示させることに成功した。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

日野キャンパス 屋外エリア

<実験までの流れ>

2023.6.26 実験希望のご連絡を受付
2023.7.11 初回打合せ実施
2023.7.27 被験者募集開始
2023.8.3 経路等の事前確認
2023.8.30 実証実験

<本学の実験協力>

端末(スマートフォン)の貸出
被験者(19名)

ローカル5Gルータプロトタイプ機の性能評価

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<実験企業>

富士電機株式会社

<実験概要>

開発したローカル5Gルータのプロトタイプ機を本学のローカル5Gに接続し、通信環境における消費電流と部品温度を計測。
消費電流測定においては、見積りよりも少ない消費電流となっていたが、通信速度に よって電流値が増減することも分かった。部品温度測定においては、仕様を満足することができる結果となった。

<使用電波>

Sub6

<実験場所>

日野キャンパス 2号館B1ギャラリー

<実験までの流れ>

2023.6.8 実験希望のご連絡を受付
2023.6.15 初回打合せ実施
【実験者様による実験準備】
2023.7.12~2023.7.19 実証実験

<本学の実験協力>

実験期間中の実験機器のお預かり、保管

<参考>

▼富士電機株式会社について
 https://www.fujielectric.co.jp/