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2025年度「東京都立大学ベスト・ティーチング・アワード」2件を表彰

本学では、教育の質の改善に貢献が認められる優れた取組に対して、「ベスト・ ティーチング・アワード」を授与し、当該取組を実施した教員を優秀教員として表彰する制度があります。
この度、第7回目となる2025年度東京都立大学ベスト・ティーチング・アワードとして2件が選出され、表彰式を2026年9月9日に開催しました。表彰式では大橋学長から当該取組を実施した代表者に対して賞状と盾が授与されました。
なお、表彰取組の成果発表の内容について、都立大所属教員・学生を対象として、kibacoの「その他」のお知らせに掲示いたします(2026年度終了時まで)。取組の詳細に関心がある方はぜひご覧ください。

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2025年度東京都立大学ベスト・ティーチング・アワード受賞取組

【組織取組部門】
         嶋内 佐絵 准教授(国際センター)

            伊藤 大将 准教授(国際センター)

         中井 仙丈 准教授(国際センター)

         ラナウィーラゲ エランガー 特任助教(国際センター)

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-取組の内容-

国際副専攻コースは、主専攻で培う高度な専門性に加え、多様な価値観を持つ人々と協働しながら国際社会で活躍できるグローバルリーダーの育成を目的とする教育プログラムである。留学前から留学後までを見通した体系的なカリキュラムのもと、異文化理解や地球規模の課題解決をテーマとする英語による授業を展開するとともに、ディスカッションやプレゼンテーションを通じた主体的な学びを実践している。さらに、海外留学や留学生との共修、外部専門家との交流を通じて、国際的視野と実践力、主体的な発信力を養う教育を実践している。

 

【個人取組部門】
  • 受賞取組: DX によるものづくり技術者育成のための実践的教育教材の開発と実践
  • 取組実施者: 金崎 雅博 教授(システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科)  

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-取組みの内容-

本取組は、航空宇宙分野における次世代のものづくり技術者育成を目的として、DX(デジタルトランスフォーメーション)とものづくりを実感・実践できる教育手法を構築したものである。「数値流体力学2」では研究レベルの数値流体解析(CFD)ツールを活用した課題学習を、「航空宇宙設計工学」では教材用の翼型空力最適化ツールを開発し、最適設計の体験学習を実施した。理論と実践を結び付けることで、データとモデルに基づく設計思考や問題解決能力の育成を図り、DXへの理解深化や学習成果の向上につなげた。

 
代表者コメント(国際センター 岡村教授)
-受賞した感想-

このような栄誉ある賞を賜り、たいへん光栄に存じます。国際副専攻コースは、2015年の開設以来、学生の皆さんが主専攻での学びを深めながら、国際社会で主体的に行動し、多様な背景を持つ人々と協働できる広い視野やコミュニケーション能力を培うことを目指し、教育に取り組んでまいりました。これまでの積み重ねをこのような形で評価していただけたことを、心より嬉しく思います。コースの運営にご尽力いただいている野口昌良委員長をはじめ国際副専攻委員会の先生方、国際副専攻事務局および国際課職員の皆様、授業をご担当くださったすべての先生方のお力添えに、厚く御礼申し上げます。

-本取組を始められた背景として、どのような課題意識や問題意識を持っていましたか。-

国際化・多文化化が進む中、外国語の運用能力だけでなく、異なる文化的背景や価値観を持つ人々と対話・協働しながら課題解決に取り組む力が求められています。こうした社会的要請を背景に、主専攻で高度な専門性を養いながら、国際的な学びを深める場として国際副専攻コースが構想されました。上野淳先生(元学長)、山下英明先生(現プロボスト)を中心に設立準備が進められ、その理念は現学長の大橋隆哉先生、綾部真雄先生をはじめ歴代の国際副専攻委員長に引き継がれ、現在に至っています。

-本取組を進めるに当たり、学生の学びを深めるためにどのような工夫をされましたか。-

単に知識を得るだけでなく、「自ら考え、対話し、発信し、振り返る」ことを重視してきました。英語によるディスカッションやプレゼンテーション、グループワークなど、学生同士が協働して学ぶ機会を多く取り入れています。また、刻々と変化する社会情勢はもとより、学生の声もカリキュラムに反映するよう心がけてきました。2024年からは学生からの要望を受けて英語によるAcademic Skillsを学ぶ時間を設けるなど、柔軟に授業内容を更新しています。留学前の学修から留学、帰国後のAdvanced Seminarでの成果発表までを一連の学びと捉え、在学中を通してアドバイザーとしても学生の学びを支えています。

-今後、本取組をどのように発展させていきたいと考えていますか。また、学生に身に付けてほしい力についてお聞かせください。-

変化する国際社会や学生のニーズを踏まえながら、継続的にカリキュラムを改善し、より実践的な学びへと発展させていきたいと考えています。また、本学では現在、T-GLIPsやGLIDe(共創学部)の設立など、新たな国際化の段階を迎えています。本コースがこれまで培ってきた教育の経験や知見が、何らかの形でこうした取組にもつながっていけば、望外の喜びです。学生には、国際副専攻や留学での学びを自分自身の成長だけにとどめず、日本や世界の課題に向き合い、主体的に行動するグローバルリーダーとして活躍してほしいと願っています。

 

取組実施者コメント(システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科 金崎教授)
-受賞した感想-

専門科目の取り組みでしたが、工夫が評価されてうれしく思います。DXによるものづくりは産業界で普及していますが、教育の現場でそれを実感する機会が無いように思いました。そのギャップを埋めることによって、大学で教育を受けた学生さんが社会でも学んだことを活かして有望な人材になることを期待しています。

-本取組を始められた背景として、どのような課題意識や問題意識を持っていましたか。-

コンピュータシミュレーションは教育の場でも取り扱われることが一般的ですが、流体などの連続体の複雑な力学と数学が、実際の計算にどう影響するかが理解されないまま、コンピュータシミュレーションを学位論文で取り組んでいるように思われました。ここが分からないと、「DXがどのようにものづくりにつながるか」、や、「そもそもDXがものづくりに繋がっているのかどうか」すら理解できないのでは、と考えたのが本取り組みの始まりです。

-本取組を進めるに当たり、学生の学びを深めるためにどのような工夫をされましたか。-

数式だけで展開されるシミュレーション手法の座学に対して、可視化を中心として考察することができる教材の提供を工夫しました。加えて、履修生が具体的に手を動かすことも大事なので、シミュレーションの設定も自身で理解し、考えたうえで実行するような課題設定を心掛けました。

-今後、本取組をどのように発展させていきたいと考えていますか。また、学生に身に付けてほしい力についてお聞かせください。-

今、工学に関連するほとんどの事柄をシミュレーションで扱えるようになっていると思いますが、今回は流体力学と最適設計に対してのみの適用でした。実際の設計現場での運用では、構造や制御と言った分野でのシミュレーションも不可欠なので、こうした科目とも連携したり、自身が提供したコードを多分野融合に基づくものに発展させることが考えられます。学生さんには、研究や仕事の現場に出た際に、そのシミュレーションがどの範囲で利用できるのか、選択している(或いは自身でコーディングする)手法は、その問題に適当なのか、が議論できる能力を身に着けてほしいと思います。シミュレーション結果と実物との関係性を説明できることによって、効率化を目指すDXによるものづくりにつなげてほしいと考えています。

表彰式での大橋学長のコメント

 今回7回目となるベストティーチングアワードの受賞、おめでとうございます。学問というのは本来受け身や暗記とは違うもので、大学の授業では、学生がしっかり取り組むとそれを示す結果が得られ、楽しく達成感も感じられることを教えるところが大事と思います。今回受賞された授業もそういう面で優れた取り組みと言えます。
 岡村先生を代表とするグループによる“国際副専攻コースによるグローバルリーダーの育成”では、もう12年目となる国際副専攻で、実践的な英語力を鍛えつつグローバルな問題の理解を深める丁寧な授業を行い、教員が手間をかけることで様々な学部の学生たち一人一人に力のつく教育を行ってきました。その理念はこれから始まる国際プログラムT-GLIPsとGLIDeに引き継がれていて、本学の目玉といえる取り組みと思います。
 一方の金崎先生の“DXによるものづくり技術者育成のための実践的教育教材の開発と実践”では、数値流体力学と設計工学に関する授業において、計算結果を理論的に理解するだけでなく、結果を可視化できるソフトを使い、たとえばパラメータを変えると結果がこうなるということを、学生自身が目で見て実感できる教育を実施し、体で理解させるという授業を実践しました。
 大学の学びというのは、自ら考え進んで参加することが本質的なのだということを教えてくれ、学生のやる気を刺激し、心に火をつけるような授業を実践していただいたと思います。本学の教員のみなさんにもぜひお手本にしてほしいと思います。おめでとうございます。