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システムデザイン研究科-医療・福祉や災害現場で活躍するロボットを3研究室が連携して開発する

独立した3研究室が柔軟に共同研究

久保田直行教授は認知科学や脳科学をロボット研究の背景とし、人のパートナーとなるロボットを研究しています。
武居直行准教授はロボットの機構や運動制御など機械工学的な研究を専門とします。和田一義准教授は人とロボットとの協調をテーマに、ロボットが人のメンタルに与える影響の研究やインターフェイスの開発に取り組んでいます。

移動系の研究では、久保田教授が多足歩行を追究しています。武居准教授は水中や水上の移動、羽ばたきによる飛行を対象とし、和田准教授が企画・運営に関わる「ワールドロボットサミット」のサービス部門においては、武居・和田研究室の共同でトイレ掃除ロボット競技を考案しています。

互いの技術を理解し目的に応じて協力

システムデザイン研究科機械システム工学域のロボット系3研究室は、普段はそれぞれの研究で独立していますが、テーマを共有する医療や福祉分野での支援ロボットの開発をはじめ、目的や必要とされる技術に応じて柔軟に連携します。内閣府が主催して2014年から4年のプロジェクトが組まれた「革新的研究開発推進プログラム ImPACT」の「タフ・ロボティクス・チャレンジ」では、3研究室が他の大学や研究機関とも連携して災害時用ロボットシステムを開発しました。

このプロジェクトでは、他大学で開発された四脚ロボットが災害現場の混乱した状況下で移動するためのセンサシステムを開発しました。レーザ距離センサを複数台用い、センサが計測した信号の処理を久保田研、モータでセンサを動かす動作生成を武居研、人が遠隔で操作するためのインターフェイスを和田研、がそれぞれ担当しました。このセンサシステムにより、周囲の様子を三次元的な情報として捉えることができ、その結果、ロボットの進む道が平坦なのか、足元が悪いのかが判断できます。段差を越えて現場に到着し、ドアを開けたり、はしご段を上ったり、破損したパイプのバルブを閉めるといった動作を行えるようになります。

各研究室は独立しているものの、共同研究の時だけ顔を合わせていたのでは円滑な連携は望めません。3研究室は合同してゼミを開くほか、卒業生や共同研究先の企業担当者も交えて総勢100人もが参加する合同忘年会を恒例としています。そうした日頃の交流から生まれたアイデアや企画も少なくありません。

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Profile

システムデザイン研究科
システムデザイン専攻機械システム工学域
久保田直行教授
名古屋大学大学院工学研究科博士後期課程修了。大阪工業大学、福井大学を経て2012年に教授に。

システムデザイン研究科
システムデザイン専攻機械システム工学域
武居直行准教授
大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。名古屋工業大学などを経て、2008年から現職。

システムデザイン研究科
システムデザイン専攻機械システム工学域
和田一義准教授
2007年から現職。学外では、2016年からロボット国際競技大会実行委員会委員などを務める。