~トポロジカル結晶絶縁体の超伝導化に新ドーピング手法~

報道発表

  首都大学東京 理工学研究科 電気電子工学専攻 水口佳一助教らの研究グループは、トポロジカル結晶絶縁体であるSnTeにAgを部分置換することで、新しい超伝導体Sn1-xAgxTeを合成することに成功しました。

 トポロジカル結晶絶縁体として注目されているSnTeは、SnをInで部分置換することで超伝導化することが知られており、トポロジカル超伝導体である可能性が示されています。一方、SnTeを超伝導化するドーピング手法はIn置換に限られており、超伝導機構解明を目指すためには新たなドーピング手法によるSnTe系新超伝導体の開発が求められていました。

 本研究グループは、高圧合成法を駆使し、常圧環境下では得られないSn1-xAgxTe(x = 0-0.5の広いドーピング領域)の合成に成功し、Sn1-xAgxTeが超伝導体であることを発見した。今回得られたSn1-xAgxTe超伝導体の物性を詳細に研究することで、新たなトポロジカル超伝導体の発見が期待され、また、高圧合成法を駆使したSnTe系新物質のさらなる開拓が期待されます。

 【当該研究のポイント】

 ○研究者について

  ・首都大学東京 電気電子工学専攻 水口佳一助教、三浦大介准教授

 ○研究成果のポイント

  ・トポロジカル結晶絶縁体SnTeを超伝導化する新たなドーピング手法を発見した。

  ・高圧合成法を駆使した新規超伝導体Sn1-xAgxTeの合成に成功。

  ・SnTe系の新物質開発に高圧合成法が有効であることを示した。

※詳細は下部報道発表資料をご覧ください。

【論文発表について】

平成28年4月 日本物理学会刊行の英文誌「Journal of the Physical Society of Japan」(オンライン版)に詳細掲載予定

参考