朝日新聞のウェブメディアである「朝日新聞Thinkキャンパス」に本学の都市環境学部環境応用化学科について特集した広告記事が掲載されました。
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気候変動や資源枯渇、エネルギー問題など、地球が抱える課題はますます深刻化している。東京都立大学都市環境学部の環境応用化学科はこうした現実に向き合い、地球環境の未来を支える研究に日々いそしんでいる。同学科のカリキュラムの内容とその特徴について、学科長の柳下崇教授と学生二人に話を聞いた(写真中央:柳下学科長、左:宮本幸奈さん、右:渡邉光泉さん)。
◆環境、エネルギー、ナノテク、ライフサイエンスなど多様な領域がテーマ
東京都立大学都市環境学部は、都市の安全や快適性、そして持続可能な未来を総合的にデザインする文理融合の学部だ。それぞれの専門性から都市の課題にアプローチする6つの学科を設置している。その一つ、物質の根本である「分子や原子」のレベルから都市の課題に挑んでいるのが、環境応用化学科だ。
「環境応用化学科は工学的な視点から化学を探究し、環境、エネルギー、ナノテク、ライフサイエンスなど多様な領域を横断して学べるのが特徴で、実験や研究を通して“社会に役立つ化学”を実践的に身に付けていきます」と、柳下学科長は言う(以下、同)。
柳下崇(やなぎした・たかし)/東京都立大学都市環境科学研究科環境応用化学域 教授。2004年、東京都立大学大学院工学研究科 応用化学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門・研究分野は材料化学、電気化学
1年次では、環境、エネルギー、材料、ライフサイエンスなど、地球環境と調和した物質・材料をつくり出し、活用するために役立つ知識を学ぶ。また、キャリア教育や日本語ライティング演習、化学英語、問題解決型の課題研究、英語で学ぶ課題研究など、幅広いアクティブラーニングにも取り組んでいく。
そのほか、授業時間外の学びを習慣づけるため、学生たちは学びの経過をまとめる「修学履歴」、到達度を自分で確認する「達成度自己評価シート」、成績を振り返る「成績自己分析シート」、そして10年後の自分を思い描いて作成する「未来履歴書」の提出が義務づけられている。こうした記録と振り返りを継続することで、学修のペースが途切れにくくなり、自然と自己管理能力が育っていく。受け身の学びから主体的な学びへと定着していくのだ。
2年次からは学生実験が本格的にスタート。基礎的な操作から応用的な分析、有機化学の実験まで段階的に経験し、化学研究に欠かせない実験技術を確実に身に付けていく
「2~3年次では必修の専門科目でICTを活用し、『予習する環境』『講義へ主体的に参加する環境』『学修を振り返る環境』というサイクルをベースに学びを進めていきます。まず授業前に『WEB予習テスト』を行い、事前にポイントを押さえることで授業の理解を深めます。次に双方向クリッカー(※1)を使った『双方向授業』により講義に積極的に参加、最後に『WEB学修到達度テスト』で自分の理解度を確認し、次の学修へのモチベーションへとつなげていきます」
(※1)教員の質問に対して学生がスマホや専用端末で即座に応答し、集計結果をリアルタイムで共有する授業応答システム
4年次になると研究室に所属し、オリジナルの研究テーマに挑戦する。1年間の研究成果を特別研究発表会で発表し、卒業論文にまとめる。
「有機化学、無機化学、分析化学、触媒化学、生化学など幅広い分野にわたる10の研究室があります。学生は3年次までの学びを通して、自分がどの分野に進みたいかを少しずつ見極め、4年次で好きな研究室を選びます。どの研究室も研究活動が非常に活発で、世界的に高い評価を受けている教員ばかり。そのため、学生は自分の興味に合った分野で、国際的にも通用するレベルの研究に取り組むことができます」
◆学生2名につき教員1名の手厚い環境。教員との距離が近く相談しやすい
同学科は定員60人に対し、教員が約30人在籍している。4年次の特別研究では、学生2人につき教員1人がつくという手厚い環境だ。研究室では、学生が約6人、教員が3〜4人という少人数体制のため、密度の高い個別指導を受けることができる。教員との距離が近いことで学生は相談や議論がしやすく、研究者としての成長をしっかり支えてもらえるのがメリットである。
「研究は“結果をまとめて終わり”ではありません。学会で発表し、さらに英語で論文としてまとめ、化学系ジャーナルに投稿するまでが一連の流れです。研究成果は論文として公開されなければ、世界中の誰もアクセスすることができません。したがって学生は在籍中に、研究、発表、論文執筆、投稿までやり遂げることを目指しています。もちろん、いきなり英語で論文を書くのは難しいので、こちらがしっかりサポートしながら、投稿まで伴走するようにしています」
研究論文の作成や発表などには英語が不可欠であることから、グローバル教育にも力を入れている。同学科では1年次から「化学英語」の授業を導入。さらに今年4月からは外国人教員が着任し、日常的に英語に触れながら学べる環境を整えた。学術論文を英語で読めることはもちろん、国際会議で自分の研究を英語で発表したり、海外の研究者と議論したりできる力を養うのが目的だ。さらに研究室に入ってからは、数週間~数カ月、海外留学や海外の研究機関へ行く機会もある。
こうした教員の手厚いサポートが功を奏し、光化学、材料化学、電気化学、分析化学など幅広い分野の学会で、学生は多くの受賞を得ている。こうして自身の研究を外へ向けて発信し、評価され、議論を重ねることで学生はさらに成長し、新しいステップへ踏み出す力を身に付けていくのだ。
◆約8割が大学院へ。企業で専門性を生かし技術者や研究者も
4年間の学びを深めた学生たちは、約8割が大学院へ進学している。高度な専門性を身に付け、研究や技術開発の分野で力を発揮したいという強い志を持つ学生が多いことが、この数字からもよくわかる。修了後は培った専門性を生かし、化学、材料、エネルギー、バイオなどさまざまな分野で研究者や技術者として活躍している。
「当学科での学びと研究により、小さな成功体験を積み重ねてほしい」と、柳下学科長は言う。
「毎日レポートに追われたり、実験で失敗したりと大変なこともありますが、10年後に振り返ったときに『あのときは本当に輝いていた』と思えるような時間を過ごしてくれたらと思います。応用化学の研究は、日本の産業を支える大切な力です。ここで育った若い力が新しい技術を生み出し、これからの日本を支えていく。その成長を、私たちは全力で応援します」
環境応用化学科の学生に聞きました
◆「本学科には化学の枠にとどまらない、多様な学びの選択肢があります」~都市環境学部 環境応用化学科4年次・渡邉光泉(わたなべ・みなみ)さん
小さい頃からコンピューターサイエンスに興味を持ち、小学5年生のときには、「ラズベリーパイ」(※2)を楽しんでいました。また、ニュースなどで石油の枯渇や地球温暖化についてよく見聞きしていたことで環境問題にも関心を持つようになり、化学の視点から課題解決を目指す環境応用化学科を志望しました。加えて、本学には授業料の減免制度もあり、学費の負担を大幅に抑えられる点にも魅力を感じました。
(※2)Raspberry Pi、通称「ラズパイ」。手のひらサイズの安価な超小型コンピューターで、ディスプレイ、マウスとつなぐと通常のパソコンのように動く。プログラミング学習のほか、センサー、カメラなどと組み合わせることで手軽に電子工作を楽しめる
今まで受講した授業で印象深かったのは、1年次の「環境応用化学基礎ゼミナール」です。提示された課題に対して、グループで学術的な思考を重ねながら解決策を模索し、成果をプレゼンテーションするというものです。単に知識をインプット・アウトプットするだけでなく、周囲の議論の流れを読み、自分が果たすべき役割や優先すべき行動を意識しながら取り組んだことは、将来、社会に出てチームで働く際に役立つと思いました。
また、1年次の時に作成した「未来履歴書」は、学びを具体化する上で大変有効でした。これによって応用化学の学びと「数理・データサイエンス副専攻コース」の履修を掛け合わせ、自分に何ができるのかを意識するようになりましたね。4年次で村上龍大先生の研究室へ入ることを決めたのも、「未来履歴書」にのっとったものでした。
村上先生の研究室では、コンピューターを用いた計算化学によって、分子構造や電子状態、化学反応のしくみを詳細に解明・予測する研究に取り組んでいます。化学にデータサイエンスや情報処理といったデジタル技術を掛け合わせることで多様な学びの選択肢が広がり、これ以上ない刺激を受けています。みなさんも、自身の興味をどこまでも探求できるこの学科で、ぜひ新しい学びの第一歩を踏み出してください。
◆「プレゼン力に加え、短期留学で英語力もアップしました」~都市環境学部 環境応用化学科4年次・宮本幸奈(みやもと・ゆきな)さん
私が環境応用化学科に注目したのは、純粋な理論を深める理学部の化学科よりも、社会で実践的に使える技術を学べる応用化学に興味を持ったからです。また、「研究室探検入試(※3)」という総合型選抜が自分に合っていると考え、志望を決めました。
(※3)研究室探検入試:実行力と化学に対する強い興味を持ち、知的好奇心、探究心が旺盛な生徒を対象とした入試制度
本学では1年次からアクティブラーニングを採り入れているので、自主的に調査し発表する機会が多く、相手に伝えるための発表構成を練る力や、わかりやすいスライドを作成するスキルを磨くことができました。これは、研究に携わる者として非常に大切な力です。
また、「WEB学修到達度テスト」は学習リズムの定着と効果的な復習に大きく役立ちました。「WEB予習テスト」も、授業を受けた後に「予習した問題はこういうことだったのか」と理解を深め直す良い機会になりました。
私は英語力も磨きたかったので、2年次の夏に約1カ月間の「海外短期研修」に応募し、カナダのウォータールー大学に留学しました。参加する前は不安だらけでしたが、ホストファミリーや世界中から集まった学生たちと打ち解けて英語に浸った充実感は今でも忘れません。この体験を通じて英語を話すことへの羞恥(しゅうち)心や苦手意識が驚くほど薄れ、大きな自信につながりました。
4年次になると研究に時間を費やすことが多いのですが、3年次までは授業の空き時間に同級生たちとよくコミュニケーションスペースに集まり、一緒に課題に取り組んだり、プレゼンテーションの練習やスライドを制作したりしていました。テストが終わった後に、みんなでおいしいものを食べに行くのも楽しみでしたね。本学は総合大学なので、他学部の学生が集まってグループワークを行う授業もあり、異なる視点や専門知識に触れることで、自分の視野や知見が大きく広がったと実感しています。
学部卒業後は専門性を深めるため、大学院に進む予定です。将来は大学院で培った知識や研究経験を存分に生かし、研究開発職として社会に貢献したいと思っています。
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取材・文/内藤綾子 撮影/今村拓馬 制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ
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