2024年9月21日、人文社会学部人間社会学科の酒井厚教授と阿部彩教授が、第二十回子ども学会議(日本子ども学会学術会議)のポスターセッションにおいて、最優秀発表賞を受賞しました!
日本子ども学会は、子どもの健やかな成育環境づくりを支援したいと考えるすべての人々に開かれた学会です。研究成果を発表する場であると同時に、議論の沸騰するダイナミックな交流の場をめざしており、異なる領域の方々との出会いによって創出される知恵と行動力に期待することを掲げています。(日本子ども学会HPより抜粋)。
■受賞内容
・ポスター発表タイトル:「家庭の経済状況と子どもの友人関係および自尊感情との関連 ― サードプレイスの調整効果 ―」
従来から、家庭の経済状況の悪化が子どもの自尊感情の低さに関わることは報告されている。しかし、これらの研究は親に尋ねた家庭収入や家計のひっ迫度の情報から検討したものが多く、子ども自身の認知に注目したものは少ない。本研究では、小学5年生または中学2年生がいる約6,000家庭を対象に、子どものはく奪物(同年代の人はもっていて自分にはない物)への欲求を尋ね、他の要因とともに自尊感情との関連を調べた。また、子どもたちが家庭や学校以外で過ごす場であるサードプレイス(児童館や公園など)や子ども支援制度(子ども広場や子ども食堂など)の利用による調整効果も検討した。主な結果として、小5・中2ともに、はく奪物への欲求の高さが自尊感情の低さと関連していた。また小5においては、子ども支援制度の利用の高さが自尊感情の高さに関わる一方で、はく奪物への欲求の高い子どもは低い子に比べて、平日のサードプレイス利用頻度が高いほど自尊感情が低いことが示された。子どもたちが自由に集うために用意された環境の在り方について、家庭の経済状況や友人との関係性の観点も含めて議論された。
▲表彰式の様子(右が酒井教授)
▲賞状
■受賞にあたってのコメント
(酒井教授)この度は、大変栄誉ある賞を頂き心より感謝申し上げます。これを励みに、今後も子どもたちの健やかな発達に少しでも貢献できるよう精進してまいります。
■関連リンク
・日本子ども学会HP
・第二十回子ども学会議について
・ポスターセッションでの発表内容について