首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループは、企画展「《もにゅキャラ》考現学 まちのモニュメントになったマンガ・アニメのキャラクターたち」を、南大沢キャンパス91年館にて開催します。本研究グループの取り組みとして第5回目となる本企画展では、この21世紀、モニュメント(記念碑)の姿で、まちに増え始めている国民的人気キャラクターたちを〈もにゅキャラ〉と名付けました。展示では、これらの起源をひもとき、現代日本の文化的流行や社会的動向などと照合しながら、メディア文化論的考察とともに紹介します。7月19日(土)にはパブリック(公共性)とパブリケーション(出版)をテーマにしたシンポジウムを開催します。
企画展、シンポジウムとも、観覧・参加費無料、申込不要ですので、ぜひご参加ください。
企画展「《もにゅキャラ》考現学 まちのモニュメントになったマンガ・アニメのキャラクターたち」
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会 期
2014年7月17日(木)~7月30日(水)11:00~17:00 ※会期中無休 -
会 場
首都大学東京 南大沢キャンパス 91年館(京王相模原線「南大沢駅」徒歩約5分) - 展示内容
○東京近郊のキャラクター銅像の写真パネル紹介
○童話、マンガ、アニメのキャラクターのモニュメント化に関する考察とその研究成果 -
その他
観覧無料 - 主 催
首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループ
まちの広場や公園に置かれた銅像は、美術館に置かれる彫刻作品とは異なり、パブリック・アート(公共芸術)のひとつとして、地域・社会を象徴するモチーフ(題材)が選ばれます。上野公園の西郷隆盛像や、渋谷駅前のハチ公像など20世紀前半には実在の著名人物・動物のブロンズ像が、20世紀後半には平和な時代や都市生活の繁栄を象徴する具象・抽象彫刻が数多く設置されてきましたが、21世紀になってから日本ではマンガやアニメに登場する二次元のキャラクターを立体化したモニュメント(記念碑)が増え始めていることに気づかされます。
「サザエさん」や「ゲゲゲの鬼太郎」や「ドラえもん」など国民的な人気キャラクターの銅像は、近年、作者や物語にゆかりのある場所の観光開発や地域文化振興など、新しいまちづくりを目的に設置される傾向にあります。今回、東京近郊を中心としたフィールドワーク(現地調査)を行なった大学院生によって、モニュメントになったキャラクターたちは〈もにゅキャラ〉と名付けられ、その特徴について分類や分析が進められました。さらに、その起源をいまからちょうど100年前、コペンハーゲンにつくられたアンデルセンの人魚姫像まで遡るとともに、現代日本のフィギュア玩具やゆるキャラなどの文化的流行、アート・ツーリズムや地域活性化などの社会的動向とも照合しながら、メディア文化論的な考察とともに紹介します。
シンポジウム「書物と現実のメディア創生 パブリケーション(出版)とパブリック(公共性)のゆくえ」
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日 時
2014年7月19日(土)14:00~17:00 -
会 場
首都大学東京 南大沢キャンパス 91年館 「多目的ホール」 -
パネリスト
仲俣 暁生(編集者、文筆家、「マガジン航」発行人)
森川 嘉一郎(明治大学国際日本学部准教授)
楠見 清(美術編集者/評論家、首都大学東京システムデザイン学部准教授) -
その他
参加無料、申込不要 ※ 会場定員100名(先着順)
本展開催にあわせて、出版メディアと情報共有時代の公共性をテーマに、識者のかたをお招きしてシンポジウムを開催します。
おとぎ話や童話の登場人物やマンガ世界のヒーローが、二次元のページから抜け出して、ブロンズ像となって現実空間のなかに現われ始めたのは、電子書籍の普及とともに紙の書物が存在感を失っていくことにも何か関係があるのかもしれません。本を媒介にして長く共有されてきた物語が、情報化=脱物質化することで、代わりに必要とされる視覚表象や実体的なリアリティーや、人と物語をつなぐ交流の場のありかたについて、さまざまな事例の報告とともにディスカッションを行ないます。
会場までのアクセス
京王相模原線「南大沢駅」下車徒歩約5分
南大沢駅改札口を出て右手奥に南大沢キャンパスが見えます。
正門の手前で左折、130m程進むと91年館です。大学構内には入らずにお越しいただけます。
※一般車両の駐車場はございませんので、公共交通機関にてお越しください
企画展の特色 ~ これまでの企画展等について ~
首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループは、本学所蔵の標本・資料類および基礎科学分野の研究成果について発信するための連携体制・拠点の構築を目指しており、平成24年度より年2回企画展を開催しています。これまでに生命科学分野、考古学分野(平成24年度)、日本史学分野、地形・地質学分野(平成25年度)の企画展を実施し、今回の企画展「《もにゅキャラ》考現学 まちのモニュメントになったマンガ・アニメのキャラクターたち」は第5回目の開催となります。
本展示の特色の一つとして、「研究・教育の成果の公開」が挙げられます。展示の制作には、平成26年度の大学院授業科目「メディア創生特論F」をとおして、本学システムデザイン研究科インダストリアルアート学域の学生も参加します。
企画展の他にも、常設展示として、本学南大沢キャンパス91年館「学芸員養成課程展示室」では、本学内の7つの分野(日本史学、動物系統分類学、植物系統分類学、地形・地質学、考古学、社会人類学、芸術学)が保有する研究資料・標本類をご覧いただけます。本学の所在する東京・多摩地区に密着した研究成果から、世界各国の話題に至るまで、最新の研究成果を親しみやすく紹介しています。
参 考
- 報道発表資料(467KB)
- 首都大学東京91年館 学芸員養成課程展示室
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研究代表者
山田 昌久(教授 所属:都市教養学部人文社会系 歴史・考古学教室) -
本企画展責任者
楠見 清 (准教授 所属:システムデザイン学部 インダストリアルアートコース)