人文科学研究科 保前文高助教らが乳幼児初期に脳のネットワークが形成されることを発見しました。

お知らせ

首都大学東京人文科学研究科人間科学専攻(言語科学分野)の保前文高助教らは、新生児期から生後6か月までの乳児期初期に脳のネットワークが形成されていくことを発見しました。 

乳児期初期に脳のネットワークが形成されることを発見
(科学技術振興機構のWebサイトへ)

これは、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究領域「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」の下で行われている研究課題「乳児における発達脳科学研究」により東京大学他と共同で行った研究の成果であり、4月7日にアメリカの学術誌"The Journal of Neuroscience" のオンライン速報版に掲載されました。

The Journal of Neurosciencere, April 7, 2010

戦略的創造研究推進事業「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」
(科学技術振興機構のWebサイトへ)

今回の研究では、新生児・3か月児・6か月児の自然睡眠時における脳の活動を計測することで、脳の領域間の関係性が発達とともに変化し、ネットワークが形成されていくことが明らかにされました。

また、発達の過程は脳の領域によって異なり、関係性が増加するパターン、減少するパターン、減少してから増加する「U字型変化」の3つのパターンがあることが突き止められました。

乳児期初期に脳が機能的に発達していく様子を明らかにしたことで、感覚情報の統合や認知発達、言語獲得を実現する脳のメカニズムを解明することにつながるものと期待され、発達の過程が脳の領域に依存して異なることを示したことは、人間の脳がどのように形成されていくかという根本的な問題への理解を深めるものです。 

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