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経済経営学部 経済経営学科
経済学コース・経営学コース
キーワード
ネットリテラシーとマーケティング

ネットの中の流行に注目
インターネット社会が成熟しつつある現在、マーケティングの世界でも「twitter(ツイッター)」や「mixi(ミクシィ)」といったソーシャルネットワーキングサービス、Yahoo!のアバターサイトなどのビジュアルキャラクターなどが注目されています。
例えば、最近ではmixiだけではなく、twitterの人気が出始めているというように、ネット上でも流行の変化があります。これは単純に消費者の「飽き」だけの問題ではなく、ネットを使いこなす能力(ネットリテラシー)に関わっていると言えます。ネットリテラシーが上がると、複数のサービスをうまく使い分けることもできるようになるというわけです。また、アバターサイトやゲームサイトのキャラクター用アイテムにお金を使う現象などは、現実的には価値がないようにみえるものにも消費者が価値を見出す、新しい価値観の誕生と言えるでしょう。
ケータイで服を買えますか?
ネットの中でも、特にケータイでのモバイルコミュニケーションは若年層ほど盛んです。特に最近の高校生に顕著なのは、モバイルサイトで服を買うことに抵抗がなくなっているようです。少し上の世代なら「サイズや色味が違ったら嫌だな」という抵抗が少なからずあるはずです。ところがデジタル世代の高校生は「着られなかったら友達にあげるかオークションで売ればいい」という考えで動いているようです。物心ついた時からケータイに慣れ親しみ、写メールやネットオークションを使いこなすネットリテラシーを持つ世代ならではの価値観なのかもしれません。
情報商材は行き詰まらない!?
東京大学名誉教授の社会学者、見田宗介氏は、インターネットが誕生するはるか前に「物質的な経済は早晩行き詰まる。土地や生産量には限界がある。だが、情報商材についてはそうではない」と言っていました。私たちはまさに今、ネットとネットリテラシーの向上で、無限のマーケットを開拓しているのかもしれません。
マーケティングはコミュニケーションだ!

コミュニケーションの力
マーケティングは商学や経営学の1ジャンルですが、身近な問題を扱うものです。「マクドナルドが100円ハンバーガーを売る狙いは?」など売り手側からの視点と、「なぜ298円だとつい買いたくなってしまうのか?」といった消費者行動の面から分析していきます。その過程で大事なのが「コミュニケーション」です。例えば、CMの言葉がどれだけ消費者に届いているか、企業がCMにどのような情報を込め、消費者がどう受けとめて行動したかというのは、すべてコミュニケーションの力によるものと言えます。
マーケティングは、「広告(プロモーション)」「製品」「流通」「価格」の4つの要素で動いていますが、単に数字だけを扱っているわけではありません。心理学や言語学、さらには哲学など、目に見えないものをめぐる学問と交わりながら追究していくものです。
ニーズをうまく掘り当てて成功!
2010年にヒットした商品の一つにノンアルコールビール「FREE」があります。それまでもノンアルコールビールはあったのですが、売れ行きはさっぱりでした。
ビールを飲めない人が、ノンアルコールビールを飲みたいと思うでしょうか? 実は原因はそこで、従来の製品はお酒の飲めない人に向けて売ろうとしていたのが失敗の元でした。一方、ビールが好きな人でも妊娠中や運転前などで飲めない状況の人はおり、そこに向けて売り出せばいいのではないかというニーズを発掘したのです。そして、そのターゲットに向けた広告戦略をとり、見事にヒットにつながりました。
インターネット・マーケティング
現在、日常でもメールやネット上でのコミュニケーションが増え、マーケティングでもインターネットの活用が重要になってきました。メリットとしてはクリック数や滞在時間の把握で広告の成果がわかりやすくなったことや、アンケートなど消費者と直接・即時的にやりとりできるようになったことなどが挙げられます。今後はネットをもっとうまく活用し、消費者のニーズを掘り起こしていく工夫が必要でしょう。
高校生・受験生の皆さんへのメッセージ
高校生におすすめしたいのは、とにかく実際にやってみることです。マーケティングや製品開発に興味があって「将来、起業したい」と考えている人もいると思いますが、その思いだけで起業することはできません。本当に起業したい人は、思う前にすでに何か始めているものです。思うのと実際に行動するのでは大違いです。やってみて間違いや自分の適性に気づけば、他の道を探ることだって可能ですし、起業に必要なものが具体的にわかるかもしれません。高校生だからできないなんてことはありません。まず何でもやってみることです!
夢ナビ編集部監修