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都市と環境を見つめる6つの視点、未来につながる学び――東京都立大学都市環境学部

朝日新聞のウェブメディアである「朝日新聞Thinkキャンパス」に本学の都市環境学部について特集した広告記事が掲載されました。
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自然環境、インフラ、防災、建築、観光、政策など、多様な領域を横断しながら「都市」を学ぶ――。東京都立大学都市環境学部では、世界有数の大都市・東京を実践フィールドに、未来の都市を創る実践的教育を展開。学生たちは6学科それぞれの専門性を掛け合わせながら、多角的に社会課題へアプローチする力を身に付けていく。多様な視点から都市課題の解決に取り組む都市環境学部の特徴について、高木慎介学部長に聞いた(写真提供:東京都立大学)。

◆自然、人間社会、エネルギー、情報、建築物、公共政策などをテーマに

東京都立大学は2005年、旧・都立4大学を統合し「首都大学東京」という名称で誕生、2020年に「東京都立大学」と改称し、現在に至っている。東京都が設置する唯一の総合大学として、「都市」を多角的な視点から学ぶのが都市環境学部だ。高木慎介学部長は次のように語る。

「我々の学部では、世界有数の大都市・東京を、いわば大きな実践フィールドとして、文理の枠を超えて未来のまちづくりについて総合的に学んでいきます。最大の特徴は、自然、人間、社会、物質、エネルギー、情報、建築物、公共政策といった多様な領域を、“都市”という一つの視点で結び付けること。学生たちは、災害に強く生活を豊かにするインフラ、環境に優しい材料・エネルギー、多様な人々を引き付ける観光開発など、現代の社会問題に、基礎から応用まで多角的にアプローチしながら、単なる技術論にとどまらず、現場で使える解決力を磨いていきます」

 

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高木慎介(たかぎ・しんすけ)/東京都立大学大学院都市環境科学研究科環境応用化学域教授。都市環境学部長、研究科長。博士(工学)。大阪公立大学客員教授、東京大学非常勤講師、東京理科大学非常勤講師、早稲田大学卓越大学院プログラム担当教員。アジアオセアニア光化学協会理事、カーボン・エネルギーコントロール社会協議会(CanApple):フォーラム人工光合成ネットワーク副代表なども務める

こうした学びの特徴は、単一の専門分野だけでは完結しない点にある。 都市が抱える課題は複雑で、一つの視点だけでは解決できない。自然科学から社会科学までを横断する学びを実現するため、都市環境学部では6学科を設け、それぞれの専門性を生かしながら「都市」を多角的に読み解いている。それぞれの学科では、どのような学びが展開されているのだろうか。

【地理環境学科】
地形・地質・気候や様々な自然環境から都市・人の動きを対象として、幅広い地理学を基礎から学ぶ。地球環境と地域環境を調査・分析し、人間との関係を考察し、課題を抽出するフィールドワークを重視している。

「現地に足を運び、自然環境を調査・分析し、GIS(地理情報システム)を活用しながら解析する学びを大切にしています。なかでも『大巡検』と呼ばれる野外実習では、数日間、寝食を共にしながら全国各地で調査を行い、仲間とともに現地でしか得られない気づきを深めていきます。こうした実地教育とデータ解析を組み合わせることで、地理学の幅広い領域を総合的に学ぶことができるのです」(高木学部長。以下、同)

【都市基盤環境学科】
道路、鉄道、河川、橋梁(きょうりょう)、空港、港湾といった都市を支えるインフラを理解し、未来のまちづくりに必要な専門性を育てるために、社会基盤・環境システム・安全防災の3分野を横断して学ぶ。

「例えば現在、東京の上下水道は老朽化が進み、今後ますます大きな問題になると予測されています。また、地球温暖化による洪水の頻発など、防災対策も大きな課題です。当学科で学ぶ知識や技術は、こうした深刻な課題解決に直結するものです。都市の安全を守るために何が必要なのか、どのように維持し改善していくのかを、東京という大都市を題材にしながら深く学んでいきます」

【建築学科】
建築の理論や技術を基礎から学び、さらに建築物の集合である都市空間をどう生かし、どのように人々の生活を支えていくかを総合的に考えるスキルを身につける。

「関東圏では建築学部・学科のある国公立大学が比較的少ないので、存在感は大きいですね。建築設計だけでなく、構造、防災、環境、都市計画まで幅広く学べるため、都市基盤環境学科とも密接につながり、素材の観点では環境応用化学科とも重なります。こうした学部内での学びが建築学科の専門性をさらに引き立て、都市を総合的に理解しながら建築を探究できるというのが特徴です」

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写真上:地理環境学科 中:都市基盤環境学科 下:建築学科

【環境応用化学科】
化学の知識を土台に、社会で役立つ応用化学を実践的に学ぶ。環境、エネルギー、材料、バイオなど、SDGsに直結するテーマを扱い、持続可能な社会を支える物質や機能性材料を生み出す力を育てていく。

「基礎研究を重視しつつ、環境やエネルギー問題、さらには医療に関わるバイオ分野まで視野を広げ、都市で実際に役立つ技術へとつなげます。化学の力を社会に実装し、未来に貢献できる研究者・技術者を育てることを目標としています」

【観光科学科】
理学・工学を土台に「観光を科学的に理解し、地域をより良くする」ことがテーマ。自然環境や文化資源を守りながら活用する方法を学び、観光を通じて地域の価値や経済を高める総合力を養っていく。

「日本は“観光立国”を掲げています。東京には里山から都市観光まで多様な資源があり、学生たちはフィールドワークで調査し、まちづくりの視点から人の流れなどを検証。観光を通じて地域の魅力を高める理論と実践を結び付け、地域づくりに貢献できる専門性を磨きます」

【都市政策科学科】
東京をはじめとする日本の都市が抱える複雑な課題を、理論と実践の両面から解決できる人材を育成する。政策立案に必要な分析力や構想力を、少人数の授業やワークショップ、現場でのフィールド体験、卒業研究を通して段階的に身につけていく。

「都市が抱える複雑な課題を解決するための“都市に関する政策科学”を学んでいきます。社会学・法学・政治学・経済学・都市工学・建築学などの知識・方法論・技術を横断しながら、都市問題を論理的に分析し、実践的に解決へ導く力を育てます」

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写真上:環境応用化学科 中:観光科学科 下:都市政策科学科

◆AI時代を生き抜く、実践重視の学びで“課題解決力”を鍛える

都市環境学部の授業は、複雑な都市・環境課題に向き合うため“実践的な学び”を重視している。アクティブラーニングや双方向型授業を取り入れ、さらにはフィールドワークや実験にも力を入れ、学生が主体的に学べる環境づくりを進めているのが特徴だ。
「AIが日常に深く入り込み、人が知識を詰め込むことの価値が下がってきたいま、求められているのは“課題を発見し、解決する力”です。重要な問いほど明確な正解がなく、そこにどう向き合っていくかが学びの核心になります。まず現状から課題を見つけ、自分なりに課題の意味を定義し、実践により検証し、経験や知識を踏まえて納得できる答えを導き出す。このプロセスを通じて、AI時代に立ち向かう思考力を身に付けていきます」と高木学部長は言う。

もう一つの「重要な柱」となっているのが「グローバルな学び」だ。日本国内においてもグローバルな視点は不可欠であり、学生も日常的に国際的な環境に慣れておくことが重要である。言語だけでなく、自由に発言する意識、人と違う意見を尊重する姿勢を醸成することも重要だ。そのため東京都立大学では、休学することなく長期留学が可能な交換留学や派遣留学、短期の語学研修など、多彩な留学制度を提供している。さらに2027年4月からは、英語のみで履修し学位を取得するプログラム「T-GLIPs (TMU Global Leaders for Innovation Programs)」を都市環境学部の4学科(※)に導入する。日本人学生と留学生が英語で共修することで、文化や価値観の違いを理解し、柔軟な発想力を身に付けるとともに、高度な語学力と専門知識を備えたグローバルスペシャリストを養成するのが目的だ。「T-GLIPs」は2029年以降、他の学部・学科へ順次拡大していく予定という。

(※)地理環境学科、都市基盤環境学科、環境応用化学科、観光科学科

 

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都市環境学部では異なる文化や価値観に触れながら、多様な視点を育む学びを展開している

◆多彩な進路がひらける都市環境学部。大学院では「学域横断型」の講義で学びを広げる

都市環境学部の卒業生の進路先は多彩で、都市計画、環境コンサルタント、国や自治体の公務員、企業の企画部門、製造業、建設業、研究機関など、多岐にわたる。公共・民間の両方でキャリアの道が開けるのが特徴であり、進学を志す学生も多く、学科によっては約8割が大学院に進学している。

大学院の都市環境科学研究科では、自身の専門性を深めるだけでなく、他分野の視点を取り入れて学問を広げる「学域横断型」の講義が特徴的だ。こうした学際的な学びを通じて、専門性を磨きながら広い視野を持つ研究者が育ち、近年は、東京都立大学が進める「みやこMIRAIプロジェクト」による支援もあいまって、博士後期課程への進学を志す学生も増えている。

「大学院では、学生が国際的な舞台で活躍できる機会を数多く用意しています。国際学会で英語による研究発表を行い、高い評価を受けて賞を獲得する学生も増えています。これは研究者や技術者を目指す学生にとっては大変名誉なことで、大きな自信につながっています」

◆真面目さに加え、柔軟さと積極性を併せ持つ、伸びしろのある都立大生

日々、学生たちと向き合う高木学部長は、都立大生の印象をこう語る。
「勉学に真摯に取り組み、実直。かつてはやや大人しい印象もありましたが、最近はのびのびと行動し、自分の意見をしっかり表現できる学生が増えてきたと感じます。真面目さを土台にしながら、柔軟さや積極性を併せ持つ、大きな伸びしろを感じさせる頼もしい学生が多いですよ」

とりわけ都市環境学部の学生は「多様性に富んでいる」と高木学部長は言う。6つの学科が集まっているため、得意分野、興味、価値観が幅広く、さまざまなタイプが同じ学部に共存しているからだ。普段は別々の学科で学びながらも、授業やプロジェクトで接点が生まれ、異なるバックボーンを持つ仲間と関わるチャンスが身のまわりにある。こうした多様な学生が混ざり合える環境こそ、都市環境学部の大きな魅力となっている。

「大学は、自分の可能性を高めることができる特別な場所です。多様な仲間に囲まれながら、最先端の実験装置やシステムを使いこなし、専門的な学びに没頭できる環境は、まさに大学でしか得られません。本学での時間を思いきり楽しみながら、みなさんが自分の可能性を最大限に伸ばすことを願っています」

 

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東京都立大学 都市環境学部

東京都立大学 都市環境学部(オリジナルサイト)

 

取材・文/内藤綾子 撮影/今村拓馬  制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ

 

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