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野澤昌文准教授の研究領域が、令和8年度「文部科学省科学研究費助成事業・学術変革領域(A)」に採択されました

この度、理学部の野澤昌文准教授が領域代表を務める研究領域「性染色体サイクル:性染色体の入れ替わりが支える性の存続原理」が、学術変革領域研究(A)に採択されました。
本学が代表校として採択される学術変革領域研究(A)としては、理系分野では初めての快挙となります。
本領域は前身の学術変革領域研究(B)「性染色体サイクル:性染色体の入れ替わりを基軸として解明する性の消滅回避機構」を大きく発展させたものです。

 

■研究の概要
image-1本領域の学術変革の骨子

 性染色体は、生物の性を決める基本的なしくみの1つで、ヒトのXY型などがよく知られています。従来、性染色体はほとんど違いのない一対の常染色体から生じた後、組換えが起こらなくなることで遺伝子を徐々に失い、やがて退化する「一方向の進化」をたどると考えられてきました。この考え方は、最終的に性染色体、ひいては性や種が消滅の危機に瀕する「性染色体進化の袋小路」として広く受け入れられてきました。

 しかし、近年のゲノム科学の急速な進展により、Y染色体を失っても性を維持するネズミや、性染色体と常染色体が入れ替わるカエルなど、従来の枠組みでは説明できない多様な例が見つかっています。これらは、性が消滅せずに維持される新たなしくみの存在を示しています。

 本研究領域の前身の学術変革領域研究(B)では、性染色体が入れ替わりながら性が維持される「性染色体サイクル」という新たな視点を提案し、サイクルの各段階における性の維持機構を解明してきました。本学術変革領域研究(A)では、これらを大きく発展させ、さらに多様な性染色体をもつ様々な生物における性の維持機構を明らかにするとともに、理論、染色体工学、生態実験、集団進化実験などを組み合わせて人為的にサイクルを駆動させることで、性染色体サイクルを実証すると共に、医学的なアプローチも取り入れることで、サイクルの生物学的意義の解明を目指します。

 

■採択にあたってのコメント
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本領域の班構成と研究項目

 この度はこのような大型の領域研究に採択していただき、大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。本領域では性染色体を基軸に、多様な性決定機構を包含する形で性の存続を理解することを目指しています。8計画班16名の班員が有機的に連携しながら、以下の3つの研究項目に取り組み、多様な性決定を「性染色体サイクル」という枠組みで理解したいと考えています。

 【A班】 サイクルの開始:誕生した性染色体が性決定を安定に保つしくみ
 【B班】 サイクルの進行:性染色体消失の原因となる分化・退化のしくみ
 【C班】 サイクルの更新:古い性染色体が新しい性染色体と入れ替わるしくみ

 また、これから性や性染色体に関する公募研究を広く募り、様々な分野に波及効果をもたらす領域として発展させていく所存です。ご興味のある方はぜひ公募研究にご応募ください。沢山の成果を論文として発表するとともに、分かりやすい形で成果を還元していこうと考えています。領域メンバー一丸となって取り組んでいきますので、本領域をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

■関連リンク

理学部生命科学科 野澤昌文 准教授
学術変革領域研究(B)「性染色体サイクル」:性染色体の入れ替わりを基軸として解明する性の消滅回避機構
令和8年度科学研究費助成事業「学術変革領域研究(A)」新規の研究領域について