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多様な学びと充実した臨床実習で、理学療法士を育成~東京都立大学健康福祉学部理学療法学科

朝日新聞のウェブメディアである「朝日新聞Thinkキャンパス」に本学の健康福祉学部理学療法学科について特集した広告記事が掲載されました。
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幅広く多様な学びと、専門性を追究した学び、そして本格的な臨床実習――。東京都立大学健康福祉学部理学療法学科は、総合大学の利点を活かしながら、リハビリテーションの専門家である理学療法士を育成している。理学療法学科長の浅川康吉教授と現役学生に、東京都立大学での学びとこれからの展望を聞いた(写真提供:東京都立大学)。

◆理学療法士の活躍の場は様々

病気やケガなどによって、「起きあがる」「立つ」「歩く」など、基本的な動作が不自由になった人に対し、動作能力を回復するためにリハビリテーションを行うのが理学療法士の仕事だ。

理学療法士は様々な人の様々な場面をサポートする。近年では病気や障害をもつ人々だけでなく、「予防」のために地域住民やアスリートなどに関わる機会も増えている。活躍の場は医療機関だけでなく、子どもや高齢者のための施設、企業、行政、大学、研究所など様々だ。また、超高齢社会が深刻化する日本においては、病院に通うことが難しい高齢の患者さんのニーズに応えることも求められており、退院した患者さんの自宅を訪問することもある。

東京都立大学は7学部23学科、三つのキャンパスを有する総合大学である。健康福祉学部の学生は、1年次は南大沢キャンパスで他学部の学生と共に学び、2年次以降は荒川キャンパスで専門的な学びを追究する。理学療法学科長・理学療法科学域長の浅川康吉教授は、総合大学で理学療法を学ぶことのメリットをこう話す。

「総合大学では、幅広い知識や教養を身に付けることができ、他学部の学生と交流することも可能です。そうして幅広い視野を得ることが、修得した知識や技術を将来どこでどのように活かせるかを考える際に、きっと活きてくると思います」

 

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浅川康吉(あさかわ・やすよし)/東京都立大学健康福祉学部理学療法学科教授、学科長。同大学院人間健康科学研究科理学療法科学域教授、学域長。専門理学療法士(地域)、博士(医学)。京都大学医療技術短期大学部卒。群馬大学医学部保健学科准教授、同大学保健学研究科准教授を経て、2015年に首都大学東京(現・東京都立大学)健康福祉学部理学療法学科・同大学院人間健康科学研究科理学療法科学域教授に着任。2023年から現職。研究テーマは地域理学療法学、老年期理学療法学、予防理学療法学、生活環境支援理学療法学

 

◆『広く、浅く』を超えて、『広く、深く』学ぶ

理学療法学には、運動器、神経、内部障害、小児、高齢者、ウィメンズヘルス、予防、地域など、多くの領域がある。同学科に在籍する13名の教員のうち12名が理学療法士で、各領域のエキスパートがそろっている。

「それぞれの教員が、自分の専門分野に高い熱量を持って教えています。理学療法士として必要な知識と技術を『広く、浅く』ではなく、『広く、深く』学ぶことで、自分の進路を柔軟に考えることができる。その土台をつくるために、様々な講義、実習、演習を用意しています」

1年次は解剖学、生理学、運動学といった理学療法学を学ぶための基礎となる科目を中心に学ぶ。解剖学では、学外施設の協力を得て1年次から実習を始め、2年次になってからも実習の機会を設け、専門科目と並行して学びを深めていく。2、3年次は理学療法や臨床医学の講義や実習を重ね、専門性を深めていく。4年次後期には必修科目を配置していないので、この時期に短期留学や卒業研究に打ち込むことも可能だ。

理学療法士が活躍する場では、医師、看護師、作業療法士、栄養士、ソーシャルワーカーなど、異なる専門職が協働する「多職種連携」が重視される。そのため、4年間を通して多職種連携を学ぶ科目が用意されている。看護学科、作業療法学科、放射線学科の学生と一緒に学び、演習することにより、自分と異なる専門職の視点を理解し、コミュニケーション能力を向上させていく。

 

◆1年次からの臨床実習で、実践能力を身に付ける
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写真上:運動学実習、写真下:徒手理学療法学実習

理学療法士の学びには臨床実習が欠かせない。同学科では、都内や近隣県の大学病院、総合病院、リハビリテーション病院など多くの施設の協力を得て、1年次は1週間の見学実習、2年次は4週間の評価実習、3・4年次は各7週間の総合臨床実習、および4年次には1週間の地域理学療法実習に取り組む。

「1年次は見学が中心ですが、2年次には患者さんの関節の可動域や筋力などを測定・評価する実習に参加します。その上で、3、4年次には診療チームに参加して患者さんの抱える問題点の解決、例えば、弱った筋肉をどう強化していくか、歩行困難の人をどうやって歩けるようにするかなどに取り組んでいきます。」

健康福祉学部はキャンパスのある荒川区との連携、地域貢献活動にも注力し、学生の学びにつなげている。転倒防止体操「荒川ころばん体操」、セラバンドというゴム製のバンドを使って足腰の筋力トレーニングをする「荒川せらばん体操」、器具を使わずにストレッチ・筋トレ・バランス・全身運動を行う「荒川あらみん体操」を荒川区と共同で開発。フレイル(※)予防のための公開講座やパラスポーツ事業、スポーツボランティアなども含めて、地域の健康づくりに学生たちは積極的に参加している。また、毎年10月に開催される荒川キャンパスの学園祭「青鳩(あおばと)祭」には子どもから高齢者まで多くの地域住民が参加。教員・職員、学生、地域住民が一緒に楽しめる地域一体型の催しとなっている。

(※)フレイル:加齢などによって心身の活力が低下し、健康状態と要介護状態の中間にある「虚弱」な状態。要介護状態になるリスクが高い状態

同学科では国際交流や留学も積極的に支援している。短期留学支援制度では、タイやスウェーデンなどの提携施設で授業や実習に参加し、日本との医療・福祉や文化の違いを体験することができる。国際会議や国際シンポジウムなど、海外の団体や大学と連携したイベントも行われるなど、グローバルな視点を養える環境がある。

 

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写真上:今年5月には、「世界徒手理学療法連盟」の理事会・全体会議が荒川キャンパスで開催された 左下:大学院・理学療法科学域の学び 右下:今年9月には、英オックスフォード大学の教授を招いて国際シンポジウムを開催(提供:東京都立大学)

 

◆大学院の「徒手理学療法学コース」で国際資格の取得も

学部卒業後、さらに学びを深めたい場合は大学院進学という道がある。大学院(人間健康科学研究科理学療法科学域)には、「運動障害分析理学療法学分野」「身体機能回復理学療法学分野」「地域理学療法分野」の三つの研究分野があり、創造力と応用力を備えた高度実践専門家や研究者を育成している。また、前期課程には「徒手理学療法学コース」も設置されている。徒手理学療法とは、運動器障害を治療する治療体系であり、患者の訴えと細かな身体検査を行い適切な治療を実施するものである。治療手技には、軟部組織に対するアプローチや関節モビライゼーション(関節の動きを改善するための手技)、神経系のアプローチなど患者さんの身体に触れて行うものがある。「徒手理学療法学コース」は2017年に、大学院のコースとして日本で初めて設置されたもので、国際認定資格である運動器徒手理学療法認定士(OMPT)の取得を目指している。

「大学院には、学内進学制度で卒業後すぐに進学する方法もありますが、一度社会経験を積んでから学び直す人も多いですね。当大学院は昼夜開講制を採用しており、昼間は医療の現場で実践を積み、夜間は研究に打ち込むというように、臨床と研究を有機的に進めることもできます」

就職先は、大学病院や総合病院、リハビリテーション病院などの医療機関が多いが、ほかにも老人保健施設、発達障害などがある児童の通所施設、行政機関、一般企業と多岐にわたっている。

「入学当初は、スポーツ関連の仕事を希望する学生が多いです。しかし4年間の学びを通じて、『脳卒中後のリハビリテーションに取り組みたい』『高齢者のサポートをしたい』など、目標が変わる学生も多くいます。この学科で学んだことを活かせる場はたくさんありますので、いろいろな分野にチャレンジしてほしいと思いますね」

浅川教授自身も、途中から進路が変わった一人だという。もともとは小児の理学療法に関わりたいと考えていたが、高齢者施設での経験が転機となった。担当した高齢者が歩けるようになり、外出して人との関わりが増え、気持ちが明るくなり生活が楽しくなる。そういう変化を目の当たりにして、地域理学療法を専門に選んだという。

「理学療法士の仕事は、直接、人を相手にする『対人援助職』です。人の役に立ちたい、困っている人を応援したいという気持ちがある人、中でも人の身体機能と動作に興味のある人にはぴったりな学問だと思います。医療の場に限らず、理学療法士が活躍できる世界はどんどん広がっています。当学科でしっかりと土台を築き、修得した知識や技術を発揮したいという、気概のある人を待っています」

 

理学療法学科で学ぶ学生に聞きました――
◆熱意ある同級生たちと共に経験を積み重ねたことが自信に~理学療法学科4年  村田雄吾(むらた ゆうご)さん

 

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中学生のとき、サッカーをしていて足首を骨折し、理学療法士にお世話になりました。その先生が、足以外にも私の首の動きと筋肉の硬さを診てくれて、自宅のテレビの置き場所が自分から見て右側にある、ということを言い当てたんです。それに驚いたのが、この仕事に興味を持つきっかけでした。

都立大を志望したのは、理学療法を学べることと、それに加えていろんな分野の学問を幅広く学べるということが理由でした。1年次の「基礎ゼミナール」という授業で、他学部の人とグループワークする機会があったのですが、学部が違うと考え方の視点が違うということがわかり、面白かったです。2年次からは学科の専門科目が中心になりましたが、理学療法学科の学生はみんな勉強へのモチベーションが高く、自分も頑張ろうという気にさせられました。臨床実習では、最初は年配の方とのコミュニケーションに戸惑ったり、患者さんへの最善な治療法がわからなかったりと、担当した患者さんに申し訳ない気持ちが強かったです。しかし経験を重ねるうちにコミュニケーションが取れるようになり、少しずつ自信がつきました。

進路はまだ考え中ですが、徒手理学療法学を学ぶために、大学院に進学したいという気持ちもあります。将来は、病院の中だけでなく、地域や患者さんの生活の場で知識や技術を活かせる仕事ができたらと考えています。

 

◆ずっと一緒に頑張ってきた仲間は家族のよう~理学療法学科3年生 有田優羽(ありた ゆう)さん

 

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中学でバスケットボール部、高校でハンドボール部に入っていました。それで、将来はスポーツ関係の仕事をしたいと考えるようになり、いろいろな職業を調べる中で理学療法士という仕事に出合いました。都立大を志望したのは、学問を幅広く学べることと、海外プログラムが豊富なこと、障害者スポーツを専門とする教授がいること、が理由でした。

1年次は南大沢キャンパスで大学生活を楽しみましたが、2年次からは毎日授業がビッシリあり、内容も専門的になって、1年次とは全く違う生活になりました。私の代の学生は約35人で、放課後も居残って実技の練習をするなど、ずっと一緒に頑張ってきました。だからもう、みんな家族みたいな感じですね。

2年次の評価実習では、毎日多くの患者さんに関わらせていただきました。病名や医療用語の意味がすぐにわからなかったり、同じ病名でもそれぞれ症状が異なったり、毎日、次々と出てくる疑問を解決するのが大変でした。でもその大変さに、逆にやりがいを感じていたとも言えます。

もともと海外旅行が好きでしたが、大学の留学支援制度を利用して2年次にはスウェーデン、3年次にはタイに短期留学し、日本との医療システムの違いを実感できたのは貴重な経験でした。都立大の理学療法学科は、仲間とも、先生方ともすごく距離が近いところが魅力。何かあればすぐ相談できますし、学ぶのにはとても良い環境だと思います。

 

※登場する人物の在籍年次や所属、カリキュラム内容等は全て取材時(2025年9月)のものです。

 

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東京都立大学健康福祉学部

東京都立大学健康福祉学部理学療法学科(オリジナルサイト)

 

取材・文/出村真理子 撮影/今村拓馬 制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ

 

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