人文社会学部 人文学科 ドイツ語圏文化論教室 金 志成(きむ ちそん)准教授の著書『対話性の境界―ウーヴェ・ヨーンゾンの詩学』が、第19回日本独文学会・DAAD賞を受賞しました。
第19回日本独文学会・DAAD賞の選考結果はこちら
■受賞者のコメント
このたびは栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。本書は、日本ではあまり知られていない戦後ドイツの作家ウーヴェ・ヨーンゾンを対象にした学術研究であると同時に、彼の文学における対話の可能性、およびその境界=限界を見極めようとする一種の批評的な試みでありました。その構想・執筆にあたっては、国内外の研究機関より援助を受け、多くの方々のお世話になりました。改めて心よりの感謝を申し上げます。
■著書概要
内容:1934年にナチス政権下の現ポーランド領に生まれ、「ドイツ人追放」により旧東独で育ち、作家デビューに伴い西ベルリンに「転居」、1984年にイギリスで孤独死したヨーンゾン。イデオロギーで分断された世界を対話的に描き、ブランショに称賛されるなど、戦後ドイツを代表する作家としての評価はいまだ揺るぎない。その文学的営為の根本的な「詩学」の問題は「対話性」や「倫理」という図式に回収されてきたが、本書は精緻なテクスト分析と大胆な批評性であえてそれらの「境界」を探り、彼の文学を貫く「真実への困難な探求」を新たな視点から描き出す。
出版社:法政大学出版局
出版年月:2020/07
https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-49516-8.html
■日本独文学会・DAAD賞とは
ドイツ語、ドイツ文学およびドイツ語教育の研究と普及を目的とする学術団体としての一般社団法人日本独文学会は、学術的立場からその学会員の優れた研究業績を評価し、公に顕彰するために、日本独文学会賞を設ける。
(日本独文学会ウェブサイトより抜粋)
日本独文学会・DAAD賞についてはこちら