都市環境科学研究科環境応用化学域 博士前期課程2年生の森田拓夢さん、都市環境学部 環境応用化学科 山登正文准教授、川上浩良教授が高分子学会広報委員会パブリシティ賞を受賞しました。
<研究タイトル>
大気中から二酸化炭素を回収するDAC技術の開発~温暖化抑制への切り札~
<著者名>
都市環境科学研究科環境応用化学域 博士前期課程2年生 森田拓夢さん、都市環境学部 環境応用化学科 山登正文准教授、川上浩良教授
高分子学会広報委員会パブリシティ賞について
公益社団法人高分子学会では、学術や産業界の発展に寄与するために、年次大会、高分子討論会、ポリマー材料フォーラムの中から、高分子の研究開発に大きな影響を与える研究発表の内容について広報活動を行っています。
広報委員会がプレスリリースのために選定したものに対して、パブリシティ賞を授与することになりました。(中略)
この高分子学会広報委員会パブリシティ賞はその発表内容が学術、技術、又は産業の発展に寄与するものであり対外的に発表するにふさわしいと認められたものです。(公益財団法人高分子学会ホームページより抜粋)
受賞内容(研究・活動等)の概要
脱炭素社会実現のためには、最も困難な課題である大気中からCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)を実現する必要があります。本研究では高濃度の表面修飾ナノ粒子を高分子に複合させることで、極めて高い気体透過性を持った分離膜の開発に成功しました。本研究の成果は、これまで困難であると考えられている膜分離においても、低コストで大気中からCO2を分離・回収することが可能であることを示した、世界的に極めてインパクトのある研究です。
受賞者のコメント
森田拓夢さん:
川上先生・山登先生をはじめ、川上研究室の多くの先生方に支えていただきました。自分の研究が学会に認められ、このような賞を頂けたことを素直に嬉しく思っています。修了までの残りの期間も自分の研究としっかり向き合って行きたいと思っています。
川上浩良 教授:
DACに関してはこれまで、アミン吸着法以外で実現することは困難であると考えられてきました。しかし、今回の森田君の研究では、これまでのCO2分離膜の常識を超える超高CO2透過性を実現することで、世界で初めてCO2分離膜でのDACの可能性が示されました。アミン吸着によるCO2回収は装置が大型で、高コストなCO2回収装置ですが、今回のCO2分離膜の薄膜化が可能となれば、小型で低コストなCO2回収装置の開発に繋がり、地球の温度上昇を1.5℃以内に抑制することができる切り札になると期待されています。
関連リンク
公益社団法人高分子学会ホームページ
公益社団法人高分子学会 プレスリリース (広報委員会パブリシティ賞)