人文社会学部人間社会学科社会人類学教室 河合洋尚 准教授の著書『<客家空間>の生産―梅県における「原郷」創出の民族誌―』が、第11回三島海雲学術賞(人文科学部門)を受賞しました。
三島海雲学術賞(人文科学部門)受賞者一覧はこちら
■受賞者のコメント
大変栄誉のある賞をいただき、光栄に思っています。中国の人々が世界各地に次々と移民し、大きなプレゼンスを示すようになったことはよく知られています。しかし一方で、中国国内の変化も、世界に住む中国系移民とのつながりによって促されてきた側面があります。この本は、中国広東省にある客家の町を舞台とし、そこの住民が世界の人々とつながることで、外部から思い描かれる「故郷の空間」を創出してきた実態を明らかにしています。中国研究と華僑華人研究を架橋する学問分野、およびグローバル化や場所創出をめぐる人類学の発展に、本研究が少しでも貢献できればと願っています。
■著書概要
内容:客家はいかにして〈客家〉となったか
作られた領域、観念としての民族は、やがて「空間」となり「文化」を形成していく。不断に繰り返されるこの「民族・文化」創出のメカニズムを「原郷」の凝視により解明。注目の空間論的アプローチとその展開。
出版社:風響社
出版年月:2020/02/25
http://www.fukyo.co.jp/book/b508412.html
■三島海雲学術賞とは
自然科学及び人文科学の研究領域において、創造性に富み、とりわけ優れた研究能力を有する若手研究者(45歳未満)を顕彰し、その研究の発展を支援することを目的としています。人文科学部門は「アジア地域」の歴史を中心とする人文科学に関する研究(但し、日本を中心とする研究は除きます。)を対象としています。
(公益財団法人 三島海雲記念財団HPより抜粋)
三島海雲学術賞についてはこちら
■関連リンク
・公益財団法人 三島海雲記念財団
・海域アジア・オセアニア研究 東京都立大学拠点 HP(代表:河合洋尚准教授)