本文へ移動します

ミニ講義 ― 首都大学東京の「学び」を体験!
馬場 哲晃 准教授

馬場 哲晃 准教授
H30再編後の所属
システムデザイン学部 インダストリアルアート学科
馬場 哲晃 准教授 【教員紹介】
キーワード:
インタフェース, コンピュータ, インタラクションデザイン

人とコンピュータの未来をデザインする「インタラクションデザイン」

イメージ1
「インタラクションデザイン」とは

「インタラクション(interaction)」とは相互作用という意味です。現在では主に、「コンピュータ(システム)と人間との情報のやりとり」という意味合いで使用されています。コンピュータを利用するとき、私たちはキーボードやマウスで、コンピュータに「命令」を発し、コンピュータはその命令に反応して動作を起こします。その双方向のやり取りを設計することを総称して、「インタラクションデザイン」と呼びます。

新しい生活様式や価値を生み出す力も

インタラクションデザインには、人間とコンピュータとの関係性そのものをデザインし、新しい生活様式や価値観を生み出す力があります。例えば、「体験の提供」もその1つです。人間は、新しい製品に対して、体験し共感することで、初めて購入する気になるものです。ですから、新しいゲームソフトを売り出すとき、従来は、そのゲームソフトのデモ版を大量生産し配って体験してもらったものです。今では、デモ版は無料でダウンロードが可能になりました。「体験を提供する」というインタラクションデザインが実現したからなのです。
コンピュータによる金銭決済も、インタラクションデザインの成果の1つです。これによって、自宅にいながら、世界中から商品を購入することができるようになり、社会に大きな変化をもたらしています。

出でよ! 未来をデザインする人材

ほかにも、インタラクションデザインが生み出した仕組みは数多くあり、今後もイノベーション(技術革新)の原動力となることは間違いありません。こうした未来を創造するようなインタラクションデザインを生み出すためには、コンピュータ工学だけでなく認知科学などの知識やデザイン力なども必要です。
「デザインができる工学博士」「製品設計ができるアーティスト」といった、学際的な能力を持つ人材です。インタラクションデザインの発展のために、今、そうした人材が求められているのです。

インタフェース(入出力装置)の研究と開発が拓く、新しい世界

イメージ1
インタフェースとは?

「インタフェース(interface)」とは、現代ではコンピュータと周辺機器との接続部分を指す言葉として広く使われています。人間とコンピュータの接続部分、すなわち「入出力装置」もインタフェースと呼ばれています。入力装置とはキーボードやマウス、リモコンなど、出力装置とはパソコンのディスプレイ、スピーカー、プリンターなどです。
インタフェースの研究と開発は進化を続けています。例えば、キーボードを「たたく」方法だけでなく、ペンタブレットで「描く」方法は、直感的に、より簡単に操作できるようにするものです。しかしインタフェースの発展は、単に機械の使い勝手をよくすることにとどまりません。人間の生活そのものを全く新しい地平に導く可能性も持っているのです。

リモコンが不要になる?

例えば、私たちは多くの機器をリモコンで動かしています。しかし、逆にいえば、リモコンがなければ何も動かせないという不自由さがあります。そこで、「動かしたい機器とその動作を、特殊なペンで描く」(=入力する)と、その通りに機器が作動する(=出力する)というインタフェースができれば、人間の生活を飛躍的に変えることにつながります。リモコンがなくても遠隔操作が可能になるので、自宅の機器を遠く離れた場所から操作することもできるのです。

大量生産・大量消費社会からの転換も

さらに、近代以降の大量生産・大量消費社会からの転換も、インタフェースの発展が実現してくれるかもしれません。なぜなら、3Dプリンターという出力装置を活用することで、誰でも簡単に「一点ものの製品」を作ることが展望できるからです。例えば、失った腕や足の代わりとなる義肢は大量生産に向きませんから、どうしてもハイコストになりますが、3Dプリンターの発展によっては、ローコストで「一点もの」が作れるようになります。
インタフェースの開発と研究は、これまでにない新しい世界へとつながっているのです。

高校生・受験生の皆さんへのメッセージ

私たちはメールを送る、ツイッターでつぶやく、レポートを書くなど、多くの分野でコンピュータを活用しています。このとき、キーボードやマウス、タッチパネルなどを使いますが、これらがユーザーにとって最適なものになっているのかどうかを出発点にし、ユーザーとコンピュータとの対話的な設計を追求するのが「インタラクションデザイン」という分野です。
この分野では、コンピュータの知識だけでなく、人間に対する知識、デザイン力などさまざまな能力が必要です。大変面白い分野ですので、ぜひ一緒に研究をしていきましょう。


夢ナビ編集部監修

ページトップへ