TSUJI Daichi
助教

辻 大地 ツジ ダイチ つじ だいち

プロフィール

所属

東京都立大学人文社会学部 人文学科 歴史学・考古学教室
人文科学研究科 文化基礎論専攻 歴史学・考古学分野

最終学歴・学位

博士(文学)(2023年12月 九州大学)

専門・研究分野

前近代イスラーム社会史

研究

研究テーマ

専攻は、前近代アラブ・イスラーム社会史。9-15世紀ごろに書かれた、アラビア語の逸話や詩など文学的な史料を中心に用いて、セクシュアリティに関する言説を考察の対象とする。特に〈同性愛〉の問題に関心があり、それを取り巻く言説から、当時の社会構造や概念の形成過程を明らかにしようとしている。

研究キーワード

イスラーム、社会史、初期イスラーム史 、アッバース朝 、ジェンダー史、セクシュアリティ、同性愛 、異性装 、逸話、言説

詳細情報

著書
[共著・分担執筆]
1. 辻大地「同性愛/異性愛」山口みどり、弓削尚子、後藤絵美、長志珠絵、石川照子(編著)『論点・ジェンダー史学』ミネルヴァ書房, 2023年6月, 28-29.
2. 辻大地「中世ムスリム社会の男性同士での性愛関係と政治」三成美保、小浜正子、鈴木則子(編)『「ひと」とはだれか?:身体・セクシュアリティ・暴力』(〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第1巻)大阪大学出版会, 2024年2月, 168-169.

論文・研究ノート・報告書・MISC
[査読あり]
1. 辻大地「アッバース朝期のセクシュアリティと同性間性愛 —ジャーヒズ著『ジャーリヤとグラームの美点の書』の分析を通じて—」『東洋学報』98(4), 東洋文庫, 2017年3月,1-25.
2. 辻大地「アッバース朝期イスラーム社会の「異性装」とセクシュアリティ」『歴史学研究』1017, 歴史学研究会, 2021年12月, 14-25.(依頼あり)
3. 辻大地「前近代アラブ・イスラーム社会におけるムハンナス概念の変遷 —「ムハンナスのアッバーダ」にまつわる言説の検討を通じて—」『オリエント』64(2), 日本オリエント学会, 2022年3月, 147-165.
4. 金田千澄・辻大地「ジャーヒズ著『カイナの書』訳註(上)」『イスラム世界』101, 日本イスラム協会, 2024年10月, 32-75.

[査読なし]
1. 辻大地「8-10世紀アラブ・イスラーム世界におけるセクシュアリティと「男色」:「男らしさ」・「女らしさ」観に着目して」『ジェンダー研究に取り組む学生への研究助成プログラム 平成28年度 研究成果報告書』九州大学男女共同参画推進室, 2017年3月, 21-30.
2. 辻大地「8-10世紀のイスラーム社会における性区分:「男らしさ」・「女らしさ」という記号」『ポリモルフィア』3, 九州大学男女共同参画推進室, 2018年3月, 92-97.(依頼あり)
3. 辻大地「前近代アラブ・イスラーム社会の医学書における同性間性愛:誰が「同性愛者」とされたのか」『ジェンダー研究に取り組む学生への研究助成プログラム 平成29年度 研究成果報告書』九州大学男女共同参画推進室, 2018年3月, 59-69.
4. 辻大地「前近代イスラーム社会における去勢者:性的対象としての側面を中心に」(シリーズ・シルクロード28)『シルクロード』28, 九州・シルクロード協会, 2018年11月, 2-4.(依頼あり)
5. 谷口淳一(編・訳)、伊藤隆郎、岡本恵、近藤真美、清水和裕、清水大佑、杉山雅樹、辻大地、柳谷あゆみ、横内吾郎(訳)「アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(10)」『史窓』77, 京都女子大学史学会, 2020年3月, 25-45.
6. 谷口淳一(編・訳)、伊藤隆郎、岡本恵、近藤真美、杉山雅樹、辻大地、柳谷あゆみ、横内吾郎(訳)「アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(11)」『史窓』78, 京都女子大学史学会, 2021年2月, 115-145.
7. 小笠原弘幸(監訳)、勝本英明、仲本響、山本敬祐、坂田舜、田中みなみ、岩元恕文、辻大地(訳・訳註)「【原典翻訳】ナームク・ケマル著『オスマン史』序文」『史淵』158, 九州大学大学院人文科学研究院, 2021年3月, 107-127.
8. 辻大地「神のためのジハードと愛のためのジハード —イスラームと「同性愛」—」藤本高之(編)『イスラーム映画祭アーカイブ2022』イスラーム映画祭, 2022年, 2月, 35-36.(依頼あり)
9. 谷口淳一(編・訳)、伊藤隆郎、岡本恵、近藤真美、杉山雅樹、辻大地、三橋咲歩、柳谷あゆみ、横内吾郎(訳)「アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(12)」『史窓』79, 京都女子大学史学会, 2022年3月, 21-50.
10. 谷口淳一(編・訳)、伊藤隆郎、岡本恵、近藤真美、杉山雅樹、辻大地、三橋咲歩、森山央朗、柳谷あゆみ、横内吾郎(訳)「アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(13)」『史窓』80, 京都女子大学史学会, 2023年3月, 45-61.
11. 谷口淳一(編・訳)、伊藤隆郎、岡本恵、近藤真美、清水和裕、杉山雅樹、辻大地、森山央朗、柳谷あゆみ、横内吾郎(訳)「アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(14)」『史窓』81, 京都女子大学史学会, 2024年3月, 19-40.

学会・研究会発表
[査読あり]
1. 辻大地「同性間性愛を通じて見たアッバース朝期のセクシュアリティ:『ジャーリヤとグラームの美点の書』の分析を通じて」九州史学会平成28年度大会(於九州大学), 2016年12月11日.
2. 辻大地「アッバース朝宮廷における同性間性愛の理念と実態:大カーディー、ヤフヤー・ブン・アクサムを巡って」(企画「イスラーム初期史の地平」)九州史学会平成29年度大会(於九州大学), 2017年12月10日.
3. Daichi Tsuji, “The Role in Sexual Intercourse and Masculinity in Pre-Modern Islamic Society: Al-Jāḥiẓ’s Description of Sexual Relationships Between Men”, the 21th Annual Mediterranean Studies Association Congress(第21回地中海学会年次大会)(於Sant’Anna Institute, Sorrento, Italy), 2018年5月31日.
4. Daichi Tsuji, “The Sexual Relationships Between Males in Pre-Modern Islamic Society”, the 4th World Social Science Forum 2018 (Poster presentation)(第4回世界社会科学フォーラム (WSSF 2018))(於Fukuoka International Congress Center, Fukuoka, Japan), 2018年9月27日.
5. 辻大地「アッバース朝期イスラーム社会における「性的倒錯者」」日本オリエント学会第60回大会(於京都大学), 2018年10月14日.
6. Daichi Tsuji, “The “Passive Homosexual” in Pre-Modern Islamic Society: A Comparison of the Terms “Mukhannath” and “Baghghā” in 11th-Century Arabic Anecdotes”, 17th Annual International Conference on History and Archaeology: From Ancient to Modern(第17回歴史と考古学に関する年次国際会議:古代から現代まで)(於Titania Hotel, Athens, Greece), 2019年6月3日.
7. 辻大地「アッバース朝期イスラーム社会における「異性装」」日本中東学会第37回年次大会(於Zoom(立命館大学)), 2021年5月16日.
8. 辻大地・馬場多聞「祝福されし去勢者:新出写本『ハーディムやハスィーの美質と美徳の書』の検討」九州史学会令和3年度大会(於九州大学(zoom)), 2021年12月12日.

[査読なし]
1. 辻大地「アッバース朝期のセクシュアリティと「男色」:ジャーヒズの著作から」第12回中東☆イスラーム教育セミナー(於東京外国語大学), 2016年9月18日.
2. 辻大地「8-10世紀アラブ・イスラーム世界におけるセクシュアリティと「男色」:「男らしさ」「女らしさ」観に着目して」ジェンダー研究に取り組む学生への研究助成プログラム平成28年度研究成果報告会(於九州大学), 2017年2月21日.
3. 辻大地「前近代アラブ・イスラーム社会の医学書における同性間性愛:誰が「同性愛者」とされたのか」ジェンダー研究に取り組む学生への研究助成プログラム平成29年度研究成果報告会(於九州大学), 2018年2月20日.
4. 辻大地「前近代イスラーム社会と同性間性愛をめぐる言説の検討:大カーディー、ヤフヤー・ブン・アクサムの事例から」イスラーム地域研究・若手研究者の会例会(於早稲田大学), 2018年9月29日.
5. 辻大地「初期イスラーム社会の性規範と去勢者:去勢者は「第3の性」か」(東洋における「宦官」の諸相)東洋史学研究会/九州歴史科学研究会合同研究会(於西南学院大学), 2019年12月7日(依頼あり)
6. 辻大地「歴史にみるイスラームと性:初期イスラーム社会の曖昧な性区分」2019年イスラーム・ジェンダー学科研公開シンポジウム「イスラーム×ジェンダー:「境界」を生きる/越える」(於東京大学 東洋文化研究所), 2019年12月21日(依頼あり)
7. 辻大地「前近代ムスリム社会における「同性愛」:比較史的観点から」(「同性愛の比較文化史」)比較ジェンダー史研究会/イスラーム・ジェンダー科研研究会合同研究会(於Zoom), 2021年2月13日(依頼あり)
8. 辻大地「中世アラブ・イスラーム社会における「同性愛者」像の生成:ある大法官への中傷言説を巡って」第22回中東☆イスラーム研究セミナー(於東京外国語大学(zoom)), 2021年12月17日.
9. 金田千澄・辻大地「女奴隷と「パトロン」:前近代イスラーム社会における信頼関係の構築」2022年度イスラーム信頼学科研全体集会「対立と紛争のなかで、つなぐ」ポスターセッション(於東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所), 2023年3月2日.
10. 辻大地「前近代イスラーム社会における同性愛的観念の形成」イスラーム・ジェンダー学科研第4回若手研究報告会「性と性愛をめぐる前近代イスラーム史」(於東京大学), 2023年11月2日(依頼あり)
2024年3月 人文科学府長賞(大賞), 九州大学大学院人文科学府
2021年1月 第11回 育志賞, 日本学術振興会
2018年3月 人文科学府長賞(優秀賞), 九州大学大学院人文科学府
2017年9月 優秀研究賞, 九州大学文学部同窓会
2016年3月 卒業生総代および学生表彰(学士、首席卒業), 九州大学文学部
2024年11月 - 現在 メトロポリタン史学会
2021年9月 - 現在 日本イスラム協会
2020年9月 - 現在 日本中東学会
2018年9月 - 現在 九州シルクロード協会
2018年6月 - 現在 日本オリエント学会
一種/専修教員免許(福岡県教育委員会)
中学校教諭 専修教員免許状(社会)/ 高等学校教諭 専修教員免許状(地理歴史)/ 高等学校教諭 一種免許状(公民)

【アウトリーチ】「愛のために「たたかう」こと —イスラームと同性愛の交差点を探って— 」(出演, コメンテーター, 情報提供)藤本高之・イスラーム映画祭 イスラーム映画祭7 トークセッション 渋谷ユーロスペース/名古屋シネマテーク/元町映画館 2022年2月20日 - 2022年5月4日
【執筆協力】「世界史探求QRコンテンツ 重要用語解説」(情報提供, 調査担当)帝国書院 新詳世界史探究 2021年4月1日
【アウトリーチ】「セックスから見るイスラーム社会史 —「ソドミー」か?「同性愛」か?という問いを通じて— 」(出演, パネリスト)Quricon実行委員・九州大学附属図書館 第31回Quricon 九州大学図書館 2019年4月13日

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