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オンライン授業実践事例発表会を開催しました。

2020年7月30日(木)に、本学の通算22回目となるFDセミナー「オンライン授業実践事例発表会」をオンライン開催しました。

FD(ファカルティ・デベロップメント)とは、教員が授業の内容や方法を改善し、授業の質を向上させる組織的な取組みのことです。本学では、FD活動による成果及び課題を共有し、授業改善、カリキュラム・教育制度改革などを実現させるために年1回、FDセミナーを開催しています。

今回のテーマはオンライン授業。新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、本学では5月11日以降これまで、原則としてすべての授業をオンライン授業で行っています。本セミナーは、「オンライン授業だからこそできること」に取り組んでいる教員の実践事例を共有・意見交換することで、現下のオンライン授業だけでなく、コロナ終息後の学生の学びを加速させ、より豊かにしていくための機会として開催しました。

冒頭、上野淳学長から、「オンライン授業については、学生から想定外の緊急時にも速やか且つ質の高いオンライン授業を行った教員への感謝の声、教員から授業に真剣かつ能動的に取り組む学生への賞賛の声が届いている。すべての大学構成員に感謝の意を表したい。コロナ禍は、オンライン授業やブレンディットラーニングの可能性等、我々に多くの示唆を与えてくれた。」との挨拶がありました。

事例発表では、4名の教員による①板書型の授業 ②大人数の授業 ③実習科目 ④演習科目についてそれぞれの実践に基づく発表と、本セミナーで初の試みである学生による発表を行いました。

事例発表①「ノートアプリを用いた講義」  小林 正典 准教授(理学部 数理科学科)

小林准教授は、線形代数の講義でノートアプリを活用したとのこと。ノートアプリを使うことで、板書と遜色なく数式を手書きできるほか、書いた図を消すことなく移動、色マーカーで強調、作成したノートの共有ができるなど、オンライン授業ならではのメリットも発表しました。

事例発表② 「オンライン講義の一例:Zoomウェビナーとkibacoの併用」 村田 啓子 教授(経済経営学部 経済経営学科)

村田教授は、400人以上の履修者がいる講義を担当。様々な通信環境下にいる学生を考慮し、基本となる教材を決め、各回のレジュメを教材と関連づけるなど、学生が予復習しやすいように改良。講義の途中には3分程度の休憩を入れたとのこと。
また、学生の表情が見えないオンライン授業の最大の課題である、学生の理解度を把握するために、本学のe-ラーニングシステムkibacoを利用して小テストやアンケートを実施。学生の声を訊きながら、その都度授業を改善するなど、学生と共に試行錯誤してオンライン授業を作り上げた様子について発表しました。

事例発表①
事例発表①
事例発表②
事例発表②

事例発表③ 「生態学実験(植物生態学)における事例」 立木 佑弥 助教(理学部 生命科学科 )
事例発表③
事例発表③

立木助教は、自然環境の中で植物に触れたり、装置を操作したりすることは、対面に代わるものはないとしながらも、オンラインだからこそできる「研究する力」を養えないかと発想を転換。教員が実験の作業とデータ取りを行い、学生に解析をさせるといった形で従来の授業内容に割く時間が減少する代わりに、この実習で学ぶ基礎技術を用いた最新の事例研究を「研究者はそのとき何を考えたのか?」も踏まえて紹介。Webアプリのシミュレータを活用して森林の植生変化を学生に体験させ、これらをもとに学生と対話を重ねるなど、コミュニケーションに重点を置いた授業展開について発表しました。

事例発表④ 「観光科学PBL 地域の読み取りから観光計画までの演習におけるオンライン授業の試行錯誤」 川原 晋 教授(都市環境学部 観光科学科)
事例発表④
事例発表④

川原教授は、地域の定量的、定性的調査、時空間的解読から、観光空間、コンテンツの計画までを1~3年生で体系的に学ぶ観光科学科の演習授業の取組みについて発表。演習の肝となるグループワークをオンラインで実施するべく、先生方の試行錯誤は、ツールの選定、学生達がオンライン作業に馴染むための仕掛けづくりなど、多岐にわたったそう。模造紙に付箋を貼って思考を展開する過程を、複数のツールを使って再現。また、その際に大事な空間(作業机の形や他のグループの活動など)を感じられるように、仮想の教室を作り、教員も学生も、ある時は個のグループ、ある時は俯瞰して見られるように工夫。その際に、TA(ティーチング・アシスタント)である大学院生が、リハーサルとして授業前にグループワークを体験し、本番ではファシリテーターとしてワークのサポートを行うなど、オンライン授業において重要な役割を担ったことについて発表しました。

学生発表「学生から見たオンライン授業」 佐藤 伶圭さん(理学部 生命科学科 3年)
学生発表
学生発表

佐藤さんは、オンライン授業について、独自にアンケートを実施し、生命科学科3年の約50名からの回答結果をもとに講義型授業、実習型授業を比較しました。オンライン授業の結果、どちらも授業外学修時間が増える傾向にあるが、授業の理解度は、学生がどれだけ能動的に授業に取り組んだかに比例するのではないかと考察。最後に、教員と学生が活発なコミュニケーションをとることによって、授業の工夫・改善が行われるようになり、学生の能動的な学習を促進することができると発表しました。

この他、学生と教員双方に行ったオンライン授業アンケート集計結果報告、意見交換会ではオンラインオフィスアワーの取組みや試験方法などについて活発な意見交換が行われました。最後に、山下副学長が、「オンライン授業の取組みを通して、オンラインならではのメリットも実感することができたので、授業に対する期待度はぐんと上がった。今後も授業の質向上に取り組んでいきたい。」と締めくくり好評のうちにセミナーは終了しました。

意見交換の様子
意見交換の様子
運営の様子
運営の様子

今回は、オンラインでの実施でしたが、チャットや「いいね」ボタンを活用し参加者とのコミュニケーションを図るなど、様々な工夫がされたセミナーでした。

関連リンク

東京都立大学FD委員会 外部リンク
小林 正典 准教授 (理学部 数理科学科)
村田 啓子 教授(経済経営学部 経済経営学科)
立木 佑弥 助教(理学部 生命科学科)
川原 晋 教授(都市環境学部 観光科学科)
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