■ 社会実験を通じて、滞在・交流・賑わいが生まれる公共空間のあり方を検証
東京都立大学は、八王子市、三井不動産株式会社とともに、京王相模原線南大沢駅前の公共空間の高質化と持続的な利活用に向け、2026年度「南大沢駅前における公共空間の高質化に係る共同研究」を開始しました。
本共同研究では、南大沢駅前を、駅と周辺施設を結ぶ通行中心の空間から、人々が心地よく滞在し、交流や新たな賑わいが生まれる「みちひろば」へと転換することを目指します。八王子市・東京都立大学・三井不動産の三者がそれぞれの知見を持ち寄り、駅前歩行空間の再整備に向けた計画・設計条件や、整備後の持続的な管理・活用方法を検討します。
その一環として、2026年9月19日から11月3日まで、南大沢駅前歩行空間で社会実験を実施します。期間中は、ベンチやテーブル等のストリートファニチャの設置、滞留・交流空間づくり、舗装の試験施工などを行い、公共空間の使われ方や歩行者動線の安全性、滞留・交流空間の有効性、賑わい創出効果等を検証します。
社会実験中の南大沢駅前歩行空間の「みちひろば」化のイメージ
■ 南大沢駅前を、通過する「みち」から、人が過ごす「みちひろば」へ
南大沢駅周辺は、商業施設、大学、公園、住宅地などが集積する多摩ニュータウン西部の主要な拠点です。一方、駅前の公共空間は整備から30年以上が経過しており、歩行者が安全かつ快適に通行できることに加え、これまでの利用実績をふまえ、日常的な滞在や交流、さまざまな活動にも利用しやすい空間への再整備が求められています。
八王子市では南大沢駅周辺の再整備を進めるとともに、駅前歩行空間について、道路空間を歩行者の滞在や交流にも活用しやすくする「ほこみち制度(歩行者利便増進道路)」の活用を検討しています。こうした動きの中で、公共空間の整備主体である八王子市、沿道に立地する「三井アウトレットパーク 多摩南大沢」の一部建替え・リニューアル(2028 年開業予定)等を通じてエリアの賑わいづくりに取り組む三井不動産、そして都市デザイン・まちづくり・観光等に関する研究・教育を行う東京都立大学が連携し、将来の南大沢駅前公共空間のあり方を検討します。
南大沢駅前公共空間 社会実験エリア
■ 東京都立大学の研究・教育の蓄積を地域の将来像へ
東京都立大学では、都市や地域の空間を単に整備するだけではなく、そこを人々がどのように歩き、滞在し、交流し、楽しむのかという観光・レクリエーション行動を科学的に分析し、その成果をまちづくりの実践につなげる研究に取り組んでいます。
今回の共同研究では、都市環境学部観光科学科の川原晋教授が研究代表を務めます。川原教授は八王子市の景観アドバイザーも務めており、都市デザイン、観光まちづくり、公共空間活用等の観点から、南大沢駅前の将来像の検討に携わります。
また、社会実験の調査・分析には
・ 観光科学科 観光まちづくり研究室(川原晋教授)
・ 観光科学科 ツーリズム・モビリティ計画学研究室(清水哲夫教授)
・ 観光科学科 行動科学研究室(相原健郎教授)
が参画します。
利用者の行動観察、アンケート調査、人流データ等を組み合わせ、社会実験によって生じる人々の動きや滞留、交流の変化を多角的に分析します。実際の公共空間で得られたデータを分析し、将来の空間整備や管理・活用へとフィードバックすることが、本共同研究の大きな特徴です。
■ 大学院生が「過ごしたくなる場」を実際につくる
今回の社会実験では、調査・分析だけでなく、学生自身も公共空間づくりに参加します。東京都立大学大学院都市環境科学研究科 観光科学域、建築学域、都市政策科学域の大学院生有志が分野を越えてチームを組み、南大沢駅前のペデストリアンデッキ上に、人々が腰を落ち着けて過ごすことのできる「ガゼボ」と呼ぶパーゴラ的な居場所を計画し、実際に設置します。
公共空間を「見る」「調べる」だけではなく、学生が自ら空間を構想し、形にし、その空間が地域の人々にどのように使われるかを観察することで、計画・デザイン・利用・検証を一体的に学ぶ機会となります。
■ 5年以上続くPBL型教育のフィールドから、実際のまちづくりへ
今回の社会実験対象地である南大沢駅前の公共空間や周辺エリアは、都市環境学部観光科学科の3年生を対象とするPBL(Project Based Learning)型授業「観光科学プロジェクト演習Ⅱ」において、5年以上にわたり演習フィールドとしてきました。
学生たちは実際に現地を歩き、利用者の様子を観察し、地域の課題や可能性を読み取りながら、さまざまな利活用のアイデアを提案してきました。そして沿道商業者や八王子市、東京都、UR都市機構、多摩ニュータウン開発センター等の関係団体の皆様が講評会に参画いただいてきました。
今回の共同研究と社会実験は、こうして大学の教育現場で積み重ねてきたアイデアや地域との関わりを、実際の公共空間の再整備に向けた検討へとつなげる機会でもあります。
教育のフィールドとして地域を学ぶこと、研究として地域を分析すること、そして得られた知見を実際のまちづくりへ還元すること。
東京都立大学では、これらを連続した取り組みとして進めていきます。
沿道事業者や行政等も参画する「観光科学プロジェクト演習Ⅱ」講評会の様子
■ 社会実験の概要
実施期間 2026年9月19日(土)~11月3日(火・祝)
実施場所 南大沢駅前歩行空間
主な実施内容
・ ベンチ、テーブル等のストリートファニチャの設置
・ 滞在・交流のための空間づくり
・ 大学院生によるガゼボ型の居場所づくり
・ 舗装の試験施工
・ 利用者行動観察
・ アンケート調査
・ 人流データ等を用いた分析
社会実験では、歩行者動線の安全性や、滞留・交流空間としての有効性、賑わい創出効果などを検証し、その成果を今後の公共空間の整備や管理・活用の検討につなげます。
■ 進捗や各イベント詳細について
社会実験の様子や各イベントの詳細については、今後、以下で随時発信されます。
社会実験ランディングページ https://ssm.fpark.tmu.ac.jp/MinamiOsawaPilotProject
三井不動産のプレスリリースページ https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2026/0911/
MOP 多摩南大沢 https://mitsui-shopping-park.com/mop/tama/event/
京王電鉄株式会社 https://www.keio.co.jp/area/event/
南大沢アプリ https://minamiosawa-app.jp/
■ 共同研究の概要
研究名称
2026年度「南大沢駅前における公共空間の高質化に係る共同研究」
研究期間
2026年9月1日~2027年3月31日(予定)
実施者
八王子市、東京都立大学、三井不動産株式会社
大学側研究代表
東京都立大学 都市環境学部 観光科学科 川原 晋 教授
対象エリア
南大沢駅前歩行空間および南大沢中郷公園
研究目的
「滞在・交流・賑わいが生まれる『みちひろば』」の実現に向け、社会実験や利用者調査等を実施し、その成果を、より心地よく歩き、過ごすことのできる公共空間の整備や管理・活用につなげること。




