理学研究科生命科学専攻の大林 龍胆准教授が、第19回日本ゲノム微生物学会研究奨励賞を受賞しました。
日本ゲノム微生物学会研究奨励賞は、ゲノム微生物学の推進と、微生物学の新しい研究分野に従事する研究者の育成を目的に、若手研究者による優れた研究を顕彰するものです。
(関連リンク:日本ゲノム微生物学会研究奨励賞・若手賞要綱)
■受賞内容
「ゲノム倍数性に着目した複製、遺伝と進化可能性の研究」
これまで、シアノバクテリアから葉緑体への進化の過程で、バクテリアに典型的な複製機構が、非典型的なものへと変化した可能性が示唆されてきました。大林らの研究により、この複製機構の進化がシアノバクテリアの進化過程ですでに起きていたことを実験的に初めて明らかにされました。さらに近年では、バクテリアに普遍的な増殖機構やゲノムの倍数性が進化にもたらす影響についても研究を展開しており、生命システムの解明に向けた多角的かつ独創的なアプローチが高く評価され、研究奨励賞の受賞に至りました。
■受賞にあたってのコメント
これまで支えてくださったすべての方々に心より感謝しています。最近、実験室でシアノバクテリアを進化させてみると、生物は適応の方向さえ決めてやれば、想像以上にすぐに進化することを実感しています(当たり前なのですが、実際に見るとやはり驚きました)。このような結果からも、全ゲノムシーケンス解析が容易になったこの時代に、もう一度順遺伝学的手法を駆使して、進化を再現することで生命現象の本質に迫ることができるのではないかと感じていま。今後はさらにオリジナルな研究を展開できるように頑張ります!