東京都立大学オープンユニバーシティ冬期講座について
本学オープンユニバーシティでは、冬期講座の受講生を募集します。
高校生のための大学授業体験シリーズは、大学で教育・研究に携わる教員が、オンラインで講義します。
オンライン講座ではいつでもどこでも学べるようzoomでのライブ配信とともに、録画したものを見逃し配信として開講の翌営業日以降7日間実施します。
講座は、文系・理系問わずジャンルは多岐にわたりますので、興味・関心のある講座がありましたら是非お申込ください。
※ 冬期講座の申込受付は、12月4日(水)から開始します。
【オンラインスペシャル】
「植物の力」を考える~人類にとって植物とは何なのか〜
▽1月29日(水)、2月5・12・19・26日(水)、3月5・12・19日(水) 18:30~20:00(全8回)
■担当教員 村上 哲明 理学部生命科学科 教授 牧野標本館 管理責任者
今回は、⼈類誕⽣以前から存在し、⼈類を含むすべての動物の⽣存にとって不可⽋な「植物」がテーマです。
植物は、⽣物を⼤きく二⼤別した場合の、動物に対する一群と定義され、木や草に加えて藻類なども含みます。 一般に、1か所に固定して暮らし、細胞壁をもち、光合成を⾏って主に空気や⽔から養分をとって⽣きている⽣物です。 種子植物・シダ植物・コケ植物・緑藻植物・紅藻植物などに分類されます(出典︓⼩学館デジタル⼤辞泉)。
本講座では、当たり前のように存在している植物について、⽣態を含め植物が地球や⼈間にもたらす恩恵や影響⼒、 すなわち「植物の⼒」について様々な視点から考えます。
⽇本列島には7,000種以上の陸上植物が自⽣し、そのうち約2,900種 (約40%)が⽇本だけに分布する固有植物です。⽇本の植物の種類数密度と固有植物の割合は世界的にみても非常に高く、⼤切な⽣物資源となっています。その⼤切な⽣物資源である植物の⽣態の興味深い研究や、作物・⾷物としての命を育む植物、 光合成による二酸化炭素の吸収と酸素の放出による環境形成、草花・樹木の造形美、品種改良 など様々な研究や事例を紹介しながら植物の有用性、⼈間との関係性について探究します。
詳細・申込はこちらから(12月4日からWeb公開します。)
【オンラインスペシャル】
気候非常事態に直面して「いま、環境問題を考える」特別編
カーボン・ニュートラルの推進 環境経営の意義と実効性
▽2月25日(火)18:30~20:00(全1回)
■担当教員 岡本 享二 非常勤講師 環境経営学会 会長
当講座は、2022年度冬期講座で開講したオンラインスペシャル「いま、環境問題を考える」の特別編です。
2023年、2024年と日本の気温は連続して史上最高気温を更新しました。2024年6月〜9月中旬まで続いた高温現象(平年比+1.76℃)は皆様の記憶に鮮明に残っていることでしょう。日本では2023年に気候変動適応法が策定されましたが、2024年に早くも法律が強化されて、熱中症対策のさらなる対応が盛り込まれることになりました。温暖化対策は社会における喫緊の課題ですが、対応には国民全員の賛同と行動が欠かせません。
そのために、この講座では皆様の深い理解を得るために前半で、『中世(産業革命以降)から現在までの社会の変革』を俯瞰した上で、後半で本論である、『カーボン・ニュートラル推進に向けての企業が取り組むべき環境経営の意義と具体的な活動』を紹介します。
カーボン・ニュートラル推進に向けて企業が取り組むべき環境経営の意義と実効性について、具体的な活動を紹介しながら皆様と共に考えます。
詳細・申込はこちらから(12月4日からWeb公開します。)
【高校生のための大学授業体験シリーズ】
私たちの生活にひそむ数理 見えているものを「おぎなう」数学
▽2月22日(土)14:00~15:30 (全1回)
■担当教員 横山 俊一 理学部数理科学科 准教授
講師(横山:1985年⽣まれ)が高校生のとき、ハリウッド映画ではコンピュータ・グ ラフィックス(CG)の急速な発展に伴い、いわゆる「映像革命」が起こりました。 また家庭用ゲーム機も大進歩を遂げ、実写により近づく映像表現が可能になりました。高校生の皆さんはおそらく「デジタル・ネイティブ」世代であり、実写と見間違うほどのCG映像をすでに多くご覧になられているはずです。その一方で、昔ながらの手描きアニメーションの人気も未だに根強く残っています。
私たちが日々目にしている CG 映像を評価する際、とくに重要となる指標として「なめらかさ」と「もっともらしさ」があります。前者を達成するためには、数多くのアニメーター・クリエイターが、莫大な時間と予算をかける必要があります。また、後者を達成するためには、どうやって「もっともらしい」映像と判断できるのかを客観的に評価する指標が必要です。この2つをどうやって改善していくのか、という問題は、CG が登場した黎明期から残る非常に難しい課題でした。
ところが、ここ数十年の研究により、これらを解決する極めて強力な道具の一つとして【数学】が効果的であることが分かってきました。また、CG におけるそれぞれの問題に対し、多種多様な数学が利用できることが知られ始めており、現在の飛躍的な映像表現の進歩に貢献しています。この講座では、こういったトピックの一つである「映像を効果的におぎなう」という手法と、そこにひそむ数学について紹介します。
詳細・申込はこちらから(12月4日からWeb公開します。)
【高校生のための大学授業体験シリーズ】
なぜ社会に参加せねばならないのか
▽3月15日(土)13:00~14:30
■担当教員 木田 直人 人文社会学部人文学科 教授
高校生のみなさんのうちには、すでに投票権をお持ちの人もいるかもしれません。投票に行けと言われても、どうせ社会は変わらないのに・・・と当惑している人もいるでしょう。また、50-80問題等、「ひきこもり」が社会問題になっています。問題になる以上、それはできれば避けたいものという前提があるようです。私たちはなぜ社会に参加せねばならないのでしょうか。逆に、「意識高い系」が揶揄されたり、「忖度」の不健全性が指摘されたり することからも、社会への過剰適応にも何かしら問題があるように思われます。本講義では、人間が「社会的」であることの意味と是非を哲学的に考察します。
●「人間は社会的動物である」のか?
「人間は社会的動物である」。アリストテレスの有名な言葉です。「私」を掘り下げていくと、その岩盤に「私たち」が存在しているということです。それはひいては、複数の個人を 「足し算」していくと社会が出来上がるのではなく、社会から何かを「引き算」していくと個人が現れるという発想につながります。独りで自習しているよりも、みんなで図書館で学習しているほうが頑張れるとするなら、「社会あってこそ私」という発想は説得力をもちますね。他方で、それは悪しき全体主義の発想であるようにも思われます。「私」はかけがえのない個人、「世界で一つだけの花」であるという考えと矛盾してしまうのでしょうか。これに回答するためには、「私」とは何か、「社会」とは何かという大きな問題を避けて通ることはできません。この難しい問題に、一緒にとりくんでみませんか。
詳細詳細・申込はこちらから(12月4日からWeb公開します。)
【高校生のための大学授業体験シリーズ】
X線の“流し撮り”で断層情報を得るトモシンセシスを実感してみませんか?
医療画像情報学入門
▽3月15日(土)15:30~17:00
■担当教員 関根 紀夫 健康福祉学部放射線学科 准教授
本講座では診療放射線技師教育には必須の「医療画像情報学」を題材に、進路を検討中の高校生の皆さんへ、放射線医療画像の基礎や高等学校情報科「情報Ⅰ」の医療応用について講義いたします。
●X線画像コントラストの成り立ち
本講座では、はじめに各種医療画像を紹介し、特にX線画像のコントラストの成り立ちについて説明します。今後、医療画像からどのようなモノを撮影したのかを知る手がかりを習得してください。
●骨疾患のX線画像特徴
骨疾患では、X線撮影が初期把握に有用であることや画像から読み取れることを説明します。さらに、「2023年放射線教材コントスト」で最優秀賞を受賞した本学部生の作品を使用して、骨折の形から「どのように力が掛かって疾患につながったか」を読み取るポイントもお教えします。
●断層撮影技術
CTやMRI、超音波などで得ることのできる身体の断層画像は、コンピュータ処理で開花しましたが、その前からX線装置で“流し撮り”する手法により出現していました。「断層撮影」と言ってもいろいろな撮影機器があり、各々の違いや特徴について紹介します。
●トモシンセシス画像処理
近年、X線撮影のデジタル化、X線画像検出器の進歩によって、トモシンセシスと呼ばれる新しい断層撮影技術が用いられるようになりました。高精細で低被ばくなこの技術を説明し、実際にX線撮影されたサンプルデータを用いて実践することで、断層撮影としての成り立ちや描出されている部位の解剖学的所見を一緒に確認してみましょう。本講座では、初学者でも「断層」を理解しやすい手根骨部を題材にしますが、この技術は整形外科領域に限らず、マンモグラフィで乳腺診療にも用いる技術です。
詳細・申込はこちらから(12月4日からWeb公開します。)
他にも多数、高校生が無料で受講可能な講座がございます。あなたもぜひ大学の授業を体験してみてください!
高校生受講可能な冬期講座一覧
(オンライン講座)
・水木しげる記念館 境港で旅する水木ワールド
・身近な社会問題と刑事法入門
・確率・統計ナイト 確率の錯覚。人はなぜ正しい選択をできないのか?
・万葉挽歌の表現 ~挽歌とはなにか~
・研究センターシリーズ 知能化とロボットが支える未来の社会
(対面講座)
・ヤングケアラーの困難と支援 ―精神疾患のある親と暮らす子どもを中心に
・子どもの権利を子どもの目から見てみたら? 被虐待児の声から考える子どもの権利