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理学研究科生命科学専攻の髙鳥直士准教授と博士前期課程1年の吉川歩実さんが、日本遺伝学会第96回大会においてBest Papers(BP)賞を受賞しました!

理学研究科生命科学専攻の髙鳥直士准教授と博士前期課程1年の吉川歩実さんの共同研究「ホヤ胚の原腸陥入におけるPI3K依存的な細胞張力の時間・空間的な発現制御の役割」が、日本遺伝学会第96回大会においてBest Papers(BP)賞を受賞しました。

受賞者の発表内容はGenes & Genetic Systems (GGS)の付録誌「遺伝学のパラダイムシフトを目指して」(2018年度までは「21世紀の遺伝学」)に掲載されます。

日本遺伝学会第96回大会 Best Papers (BP)賞 受賞者

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       右:理学研究科生命科学専攻 髙鳥 直士准教授(指導教員) 左:吉川歩実さん

研究概要

動物の体は胚発生により作られます。胚発生の初期に起こる大規模な形態形成運動が原腸陥入です。原腸陥入により、外胚葉、中胚葉、内胚葉の三つの胚葉が作られ、それぞれの動物に固有の形態が作られ始めます。

理学研究科生命科学専攻の高鳥准教授及び吉川歩実さんは脊索動物のホヤを材料に、原腸陥入の際に動物半球と植物半球が形を変えるために必要な因子を探索し、動物半球と植物半球のそれぞれがPI3K依存的に形態を変化させることを明らかにしました。特に動物半球の中心部と辺縁部でPI3Kの量が変化することが、動物半球と植物半球の動きを協調させるのに重要であることを明らかにしました。

原腸陥入の際の胚の各部分の形態形成運動を調整する仕組みについてはまだ謎が多く、今回の研究が細胞レベルでの運動の調整を紐解くヒントになるのではないか、と思われます。

日本遺伝学会 Best Papers(BP)賞とは

BP賞は、2001年開催の第73回日本遺伝学会大会(東京)から21世紀最初の大会を記念して始まり、大会における優れた講演に贈られています。優れた研究を褒賞することで意欲あふれる研究を奨励し、遺伝学会の明日を築く人々を鼓舞し、遺伝学の発展に資することを願って設けられた賞です。

関連リンク

理学研究科生命科学専攻 髙鳥直士 准教授
公益財団法人 遺伝学普及会日本遺伝学会