今回、人間健康科学研究科 理学療法科学域の金子文成教授の研究課題「クロスリアリティ技術を⽤いた運動錯覚誘導による感覚運動⿇痺治療のための医療機器プログラム開発と臨床実証」が、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED) の橋渡し研究プログラムpre Fで採択されました。
橋渡し研究プログラムとは、橋渡し研究支援機関を活用し、アカデミア等の優れた基礎研究の成果を臨床研究・実用化へ効率的に橋渡しするために研究費等の支援を行い、革新的な医薬品・医療機器等の創出を目指すものです。橋渡し研究支援機関は全国に11機関に限定されており、そのうちの1機関である慶應義塾大学での審査を通過した本研究課題が、AMEDに採択されました。Pre Fは、機関の支援によって開発が進み、実用化のための研究を行う後期開発段階であり、非臨床POC取得に必要な試験パッケージの策定を目指す課題となります。
本研究課題「クロスリアリティ技術を⽤いた運動錯覚誘導による感覚運動⿇痺治療のための医療機器プログラム開発と臨床実証」は、金子文成教授が代表となり、他に1研究機関(慶應義塾大学)1企業(インターリハ株式会社)を分担者として共同研究を行います。
本開発プログラムは、認知⼼理学的効果に⽣理学的効果が伴う⽅法を⽤いて運動機能再建を図る治療法であり、世界的にも独創性が高いものです。
■採択にあたってのコメント
我々は、これまでに治療法が確立されていない難治性の脳卒中後上肢運動⿇痺に対して、VRと電気刺激を併用した新規医療機器の開発に取り組んでおり、医療機器承認を目指しています。今回の研究助成は、一連の過程で必要とされる非臨床試験(システムの安全性や性能を試験するもの)と、今後より質の高い臨床試験を行う前段階の臨床試験を実施するものです。このように、臨床を意識して産学公連携に基づく研究課題が採択されたということを大変光栄に思います。本研究開発の成果を国内外で普及することにより、中枢神経損傷後に⿇痺を呈した患者の運動機能やADL能⼒が改善され、QOL向上の実現につなげられるよう、研究チーム皆で取り組んでいきたいと思います。
■詳細
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究プログラムHP
(https://www.amed.go.jp/program/list/16/01/012.html)
研究期間 2024年5月28日(予定)〜2026年3月31日
■関連リンク
・令和6年度 「橋渡し研究プログラム」の採択課題について
・東京都立大学 人間健康科学研究科 神経理学療法学研究室 HP
・金子文成 Research map