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本学の卒業生が第18回国際宗教研究所賞・奨励賞を受賞しました!

本学の卒業生で、現在、博士研究員として人文科学研究科に在籍している荒木亮さんが、第18回 国際宗教研究所賞・奨励賞を受賞しました!

■受賞について
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受賞著書

荒木 亮 【都市教養学部 都市教養学科 人文・社会系 社会人類学教室(現 人文社会学部 人間社会学科  社会人類学教室)卒業/人文科学研究科 社会行動学専攻 社会人類学教室 修了】
『現代インドネシアのイスラーム復興--都市と村落における宗教文化の混成性』(弘文堂、2022年2月)
インドネシアは世界最大2億3000万人のムスリムが暮らすイスラーム大国です。世界的に興隆するイスラーム復興がこの国でも起きています。しかし、この国では必ずしもそれが中東や西アジアで起きているような「過激化」や「原理主義化」を意味しません。都会の女性たちはカラフルなヴェールでファッションを楽しんだり、村では非イスラーム的伝統文化も大切にされています。本書は、こうしたインドネシアにおけるムスリム社会の実情を社会・文化人類学的なフィールドワークを通じて明らかにするとともに、その独特な動態を「構造主義」と「混成性」をキーワードに生活世界の日常性から紐解きます。

 

 

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賞状

選考委員会は本書の内容を「社会人類学者大塚和夫の議論を手がかりにしながら、インドネシアにおけるイスラーム復興という宗教性の拡大、深化を確認しつつ、それらに同時に認められる都市大衆の消費文化的性格や、その「構造的な変換形態」である村落内での日常的実践を「混成性」というキーワードで捉えている」とまとめたうえで、「本書は社会人類学的な視点から近年のイスラーム復興現象に対して新たな知見の提示に努めており、選考委員会は国際宗教研究所賞奨励賞にふさわしい業績であると判断した」と評価しています。ぜひこの機に、本書をお手に取っていただけますと幸いです。

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■受賞者のコメント
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荒木亮 博士研究員

2006年に首都大学東京に入学し社会人類学を学ぶようになって17年近くになりますが、その間の研究を総合したものが拙著『現代インドネシアのイスラーム復興:都市と村落における宗教文化の混成性』(弘文堂、2022年2月)の内容です。今回の受賞がこれまでお世話になったみなさま、なかでも学部時代より今日までご指導くださる東京都立大学(旧:首都大学東京)・社会人類学分野の先生方への恩返しになれば幸いです。

■国際宗教研究所賞とは

(公財)国際宗教研究所は、内外宗教の研究を通じて宗教相互の理解を深め、ひいては人類文化の向上に資する目的で1954年5月に設立され、発足以来、幅広い活動を行ってまいりました。さらに2005年度からは顕彰事業を加え、今日的な問題意識に立つ宗教研究の振興と若手研究者の育成に貢献することを目的として、「現代性」「国際性」「実証性」などに優れた点を有する、刊行物および学位が授与された学位論文(博士)を対象に、(公財)国際宗教研究所賞を創設いたしました。

(公益財団法人 国際宗教研究所 ウェブサイトより抜粋)

■関連リンク

公益財団法人 国際宗教研究所