東京都立大学オープンユニバーシティ春期講座について
本学オープンユニバーシティでは、春期講座の受講生を募集します。
高校生のための大学授業体験シリーズは、大学で教育・研究に携わる教員が、オンラインで講義します。オンライン講座ではいつでもどこでも学べるようzoomでのライブ配信とともに録画したものを見逃し配信として開講の翌営業日以降7日間実施します。
講座は、文系・理系問わずジャンルは多岐に渡りますので、興味・関心のある講座がありましたら是非お申込ください。
※ 現在、春期講座の申込受付中です。
【オンラインスペシャル】「数学の力」を考える
▽4月13・20、5月11・18日、6月1・8・15・22日(土) 14:00~15:30 (全8回)
■担当教員 酒井 高司 理学部 数理科学科 教授
数学は人類の歴史と同じくらい長い歴史を持つ学問であり、人類の純粋な知的活動により進展してきました。たくさんの数学者たちの努力により、数学は様々な分野に発展を遂げ、それらが互いに融合することで大きな学問体系をなしています。さらに、数学は独⽴した学問としてだけでなく、自然科学の言語としての役割も果たしており、現代科学技術の礎として私たちの社会を縁の下から支えています。近年では、コンピュータ・データサイエンス、人工知能、⾦融工学をはじめ、様々な新しい領域との連携も急速に進んでおり、その重要性は益々高まっています。
本講座では、東京都立大学 理学部 数理科学科の8名の教員が、数学の歴史や、数学の様々な分野の話題、数学上の未解決問題の一部、関連する応用分野との関わりなど 「数学の力」について考察します。第⼀線で活躍する数学者たちの講義を通して、数学の先端をのぞいてみませんか?
【高校生のための大学授業体験シリーズ】高校生のうちからできる留学準備
▽6月1・8日(土) 16:00~17:30 (全2回)
■担当教員 岡村 郁子 国際センター 教授
大学に入ったら留学してみたいと考えている高校生の方は多いと思います。しかし、そもそもどのような留学制度があるのか、何をいつまでに準備すればいいのか、費⽤はどれくらいかかるのか、英語⼒はどのぐらい必要なのか等のことについて、みなさんはどれくらい知 っているでしょうか。大学に入ってから何となく準備すればいいや、と思っていると準備が 間に合わず結局留学に行けずじまいで大学⽣活が終わってしまうかもしれません。また、将 来的に留学に⾏ってみたいけど、英語4技能を伸ばしていくための効果的な英語の勉強法が わからないという方もいらっしゃると思います。
本講座は、留学に関する基礎知識や英語の勉強⽅法についてヒントを提供することで、⾼ 校⽣のみなさんがスムーズに留学準備を進める後押しすることを目的としています。留学制 度の紹介や実際に留学に行った学生の体験談、英語学習講座、IELTS体験講座など、留学や 英語にかかわる内容盛りだくさんでお届けします。大学で留学や⾼校⽣の⽀援に携わっている教員ならではの観点からの講座内容です。留学に⾏ってみたい、英語を⾃由に使えるよう になりたい、と思っている高校生の方はぜひお気軽にお申込みください。
【高校生のための大学授業体験シリーズ】作業療法学について学んでみよう 「やりたいことも やるべきこともある 幸せ」を支える作業療法
▽6月7日(金) 18:30~20:00 (全1回)
■担当教員 小林 法一 健康福祉学部 作業療法学科 教授
高校生の皆さんは、「作業療法学」という言葉を聞いたことがありますか。作業療法は、人々の健康と幸福を推進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で⾏われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助です。作業療法の作業とは、人が生活の中で行う活動のすべてです。私たちの1⽇は、朝起きる、顔を洗う、食事をする、学校へ行く、友達と遊ぶなど、いろいろな作業の連続で成り⽴っています。その作業療法について研究する学問が作業療法学で、作業療法を専門に行う資格を持つ⼈を作業療法⼠と言います。
作業療法⼠は、なんらかの理由でこれまでしていた作業やこれからやりたい作業で⽣活を形作ることが難しくなった⼈をサポートします。健康で幸せな毎⽇をおくるには、やりたい作業(願望)とやるべき作業(義務)がバランスよくあることが⼤切だと考えられています。やりたいことだけやれば幸せとは限りません。やるべきことがあるから⽣きがいやアイデンティティを感じられることもあるのです。
しかし、病気や障害があったり、ひきこもり生活になったりすると、やりたい作業もやるべき作業もなくなって、心身の健康が失われてしまいます。作業療法⼠は、そのような⼈が⾃分にとって価値のある作業を見つけるお⼿伝いをして、その作業の実現をめざします。環境づくりも作業療法士の役割の一つで、例えば発達に遅れのある⼦どもが落ち着いて授業を受けられるように、学校に働きかけたりもします。作業療法は、やりたいこともやるべきこともある幸せを⽀えるために、本⼈の⼼と体、そして環境にもアプローチする療法なのです。
東京都⽴⼤学健康福祉学部 作業療法学科では保健医療の専門職である作業療法⼠を養成 する学科として、病気や障害、そして作業療法の知識や⽀援技術などを幅広く学びます。 本講座では⼤学で学ぶ作業療法学はどのような学問なのかを紹介します。
【高校生のための大学授業体験シリーズ】データとデザインの新しい関係を学ぶ 情報をデザインする
▽6月28日(金) 18:30~20:00 (全1回)
■担当教員 杉本 達應 システムデザイン学部 准教授
「情報に溺れ、知識に飢える」ということばがあります。現代社会では膨大な情報があふれていますが、そのせいでかえって本当に必要な知識や知恵を手に入れることが難しくなりました。つまり、このことばが訴えていることは、情報が増えるだけでは、必ずしも人びとは 幸せになれないというパラドキシカルな事実です。
こうした状況を解決するために、⼤量に流通しているデータから必要な情報をわかりやすくビジュアルとして整理、提示することが求められています。このような取り組みを、ここでは「情報のデザイン」と呼びましょう。
まず、情報のデザインの歴史をたどります。情報をデザインする試みは、現代に限らず古くから存在していました。私たちがふだん何気なく使っている多様な「グラフ」は、いつ、どのように発明されたのでしょうか。
つぎに、近年の事例を紹介します。情報のデザイン、とりわけ「データの視覚化」は、サイエンスからアートにまたがる幅広い領域です。アート分野の「クリエイティブコーディン グ」とよばれる創作活動や、報道分野のデータジャーナリズム、社会課題に取り組むシビッ クテックの事例を紹介します。
最後に、データとデザインが融合した表現の制作⼿法について紹介します。データの側面 では、近年、行政や公共機関のもつデータが積極的に公開されるようになりました。こうしたオープンデータによって、人びとがアクセスできるデータが大きく増えています。一方で、私たちの身近なデータも記録することで、デザインの対象にすることができます。デザインの側面では、現代のメディア環境に応じて多様な表現が試みられるようになりました。制作プロセスでは、既存のデザインソフトウェアだけでなく、データを扱うことが得意なコード(プログラミング)を道具として使うことが増えています。どのようなツールや コードで、データをビジュアルな表現に変化させているのか、実際の作り方を紹介します。
本講座が、データとデザインを関連づける活動が、情報社会をよりよく生きるために役⽴てられることを感じてもらえればと思います。
他にも多数、高校生が無料で受講可能な講座がございます。あなたもぜひ大学の授業を体験してみてください!
高校生受講可能な春期講座一覧
(オンライン講座)
・昭和ブギウギ 近代音曲史入門~笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲~
・日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ 国立アイヌ民族博物館 ウポポイができるまで
・『食 × 文化』特別編 Ⅷ 続・世界の食卓から社会が見える
・首都圏に生きる若い女性の今 困難を抱え込まされてきた女性のケースから
・『ハリー・ポッター』を読む 死よりも悪いもの
・対人不安を考えるー森田療法を活かしてー
・研究センターシリーズ ソーシャルビッグデータ研究センター
ビッグデータの活用に関する研究
(対面講座)
・地理の風景のスライド写真
・小笠原諸島火山列島における学術調査の成果