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土木の仕事に携わるため、都立大に進学。勉強とサークル、文武両道で夢を叶えた6年間

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首都大学東京 都市環境学部 都市環境学科 都市基盤環境コース(現 東京都立大学 都市環境学部 都市基盤環
境学科) 2019年度卒業
都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 都市基盤環境学域 博士前期課程 2021年度修了
首都高速道路株式会社 更新・建設局

都市環境学部 都市環境学科 都市基盤環境コース卒業、都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 都市基盤環境学域 博士前期課程修了。高速道路の建設に携わっていた父親の影響で土木関係の仕事に就くことを目指し、都立大 都市環境学部に進学。大学では目標に向かって学びを深めながら、サークル活動にも注力し、文武両道の生活を送る。大学、大学院ともにトンネル工学、地下空間工学を専門とする砂金伸治教授の研究室に所属し、山岳トンネルについて研究。大学院修了後は高速道路の建設に関わるべく、首都高速道路株式会社に入社。現在は日本橋の地下に建設するトンネルの設計に携わっている。

父に憧れ、夢を実現できる都立大に進学

――子どものころはどのようなことに興味を持っていましたか?

保育園で初めて手芸に触れて以来、「ものをつくること」が好きになり、よく編み物や工作をしていました。その影響もあってか、学校の授業は国語や算数、社会などよりも、図工や音楽、体育といった副教科の方が好きだった記憶があります。

中学以降は理科も好きになりました。中学、高校と私立の一貫校に通っていたのですが、目の前の薬品の正体を自分たちで工夫して見極める授業など、理科ではユニークな授業を行う先生が多かったです。特に高校では、物理の面白さに目覚めました。物理は公式と理論がわかっていれば、それを応用して様々な問題を解くことができます。複雑な問題もシンプルな公式でスルスルと解けることに魅力を感じ、大学では理系を専攻しようと思うきっかけの一つになりました。

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――都立大を志した理由について、教えてください。

都立大を志望した理由は、二つあります。

一つ目が、土木工学を専攻できる、都内では数少ない大学だったからです。私が土木領域の学問に興味を持ったのは、父の影響が大きいです。父は高速道路の建設に携わっていたため、幼いころから図面や土木構造物の資料が身近にあり、私はそういった資料を眺めているのが大好きでした。また、小学生のころには、父が建設に関わった高速道路の完成見学会にも参加しました。できたばかりの道路を歩かせてもらったとき、社会に欠かせないインフラをつくっていく父の仕事に魅力を感じ、いつか私も同じような仕事がしたいと憧れを抱くようになりました。

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二つ目は、先生との距離が近く、面倒見の良い環境に魅力を感じたからです。土木工学が学べるいくつかの大学の中でも、都立大は和やかな雰囲気で、学びたいことをじっくりと丁寧に指導していただける環境だと感じました。せっかく大学で貴重な時間を過ごすのなら、先生や先輩、同級生と密にコミュニケーションを取りながら、学びを深められる大学が良い。そう思ったことで、都立大を志望しました。

――大学ではどのような日々を過ごしましたか?

サークルも勉強も全力で取り組みました。アルバイトの時間以外は、ほとんど大学で過ごしていたのではないでしょうか。文武両道の6年間を送ることができたように思います。

特にサークル活動では充実した時間を過ごすことができました。ジャグリングサークルTeam“Lamp”に所属し、音楽にあわせた自分らしいパフォーマンスを考え、日々遅くまで練習していました。毎年、その成果を大学祭で披露していたのですが、多くの方の前でパフォーマンスをすることで自分の成長を感じられる上に、見てくださった方にも喜んでいただき、とても楽しい活動でした。

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トンネル設計の基本的な考え方を学べたことが、首都高の仕事に活きている

――現在はどのような仕事をしているのですか?

首都高速道路株式会社 更新・建設局で、日本橋エリアの首都高速道路(以下、首都高)を地下化する「日本橋区間地下化事業」に携わっています。この区間は、1日あたり約10万台の自動車が走行する過酷な使用状況にあり、日常よりきめ細かな維持管理を行っておりますが、構造物の損傷が激しいため、更新が必要となっています。一方、日本橋川周辺では多くの再開発計画が立ち上がり、新しいまちづくりが始まっています。そのため、首都高の更新は日本橋川周辺の景観や環境改善及び地元の方々からの日本橋川に青空を取り戻したいという思いから、橋の架替えでなく、地下にトンネルを作ることになりました。再開発の建物地下にトンネルを整備するなど、まちづくりと一体となり地下化事業に取り組んでいます。

江戸時代から日本の要所とされていた日本橋周辺には様々な構造物や地下埋設物等があり工事の難易度は非常に高いです。そんな事業の中でも、私はトンネルの設計を担当しており、トンネル工事の発注やトンネルに関連する設計業務に携わっています。

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この事業は社内でも一大プロジェクトで、決して失敗のできない工事です。何よりも設計が要となるためプレッシャーを感じますが、同時に、1年目からこのように重要な仕事に携わることができ、大きなやりがいも感じています。

――都立大での学びは現在の仕事に活かされていますか?

私は大学と大学院で砂金伸治先生の研究室に所属し、山岳トンネルについて研究していましたが、今回の「日本橋区間地下化事業」では都市部の地下にトンネルを建設します。設計の方法については、私がこれまで学んできたものと異なる部分が多いと感じています。

ただ、道路とトンネルの設計に関する全体的な考え方や設計する際の一連の流れについては、大学・大学院での学びが大きく活きています。砂金研究室では、道路建設の現場で実際に使われている基準を用いて研究や議論を進めていました。このような基準には、車が安全に走行できる道路やトンネルをつくるために絶対に必要な設計上の様々なルールが定められています。そのルールの中でいかに課題をクリアしながら、より安全で利便性の高い道路やトンネルをつくるか。この考え方を徹底的に鍛えていただけて本当に良かったと、現在の仕事の中でたびたび感じています。

――就職活動ではどのような仕事を志したのですか?

大学進学時の想いをそのままに、高速道路の建設に携わりたく、現職を第一志望で就職活動をしていました。結果として無事に内定をいただくことができ、本当にやりたかった仕事と日々向き合いながら、現在は将来の具体的なキャリアビジョンを描こうとしているところです。

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今後は数年単位で異動も発生する予定のため、様々な部署を経験しながら、自分の得意領域や専門分野を見つけたいと考えています。そのような領域・分野が見つかったあかつきには、必要な知識や経験を蓄え、社内外の多くの方から頼っていただけるようなプロフェッショナル人材へと成長していきたいです。

――最後に、篠田さんにとって都立大とは?

都立大は本当に居心地の良い大学で、楽しい記憶や思い出ばかりが詰まった大切な場所です。自分の興味に従って履修した授業は、どれも深い学びと刺激を得ることができましたし、学生はみんな真面目で和やかで、一緒に過ごしていて楽しい人たちばかりでした。授業や研究室でお世話になった先生方にも、様々なことを丁寧に指導していただいたからこそ、今の私があると思っています。この大学に進学して、本当に良かったです。

学びたいことややりたいことが明確な方にとっては、より楽しい4年間になるのではないでしょうか。都立大が気になる方は、ぜひオープンキャンパスなどに参加して、大学の雰囲気を感じてみてください。

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  • 登場する人物の在籍年次や所属、活動内容等は、取材時(2023年)のものです。