Profile

経済経営学部 経済経営学科 2023年度卒業
野村信託銀行株式会社
経済経営学部 経済経営学科 経営学コース卒業生。東京での就職を視野に入れ、経済学と経営学を深く学べる都立大に進学。在学中は新型コロナウイルスによりオンライン授業が中心となったが、逆風に負けずに学業に打ち込む。3年次からは管理会計学のゼミに所属し、統計分析などを学ぶ傍ら、独学で簿記の資格も取得。就職活動では専門性を高められるキャリアを重視し、経理職や金融業界を軸に企業選びを行い、2024年4月に野村信託銀行株式会社へ入社。現在は主計課に所属し、経費の取りまとめや金融庁への提出書類の管理などを担当している。
サッカーで得た力を学業に活かす。逆境でもやるべきことに打ち込んだ4年間
――子どものころはどのようなことに興味を持っていましたか?
小学生のころ、神奈川県から佐賀県へと引っ越しました。のどかな環境に囲まれて育ったので、外遊びが大好きになって、学校が終わればずっと外で遊んでいましたね。
サッカーも大好きで、高校まで部活動などでプレーを続けました。長期間サッカーと向き合い続けたことで、チームで最大限の力を発揮するためには、先輩や同期、後輩と節度を持って言葉を交わし、監督の指示を忠実に守ることの大切さを学びました。サッカーを通じて培ってきた他者との関係構築力、チームで行動する力、コミュニケーション能力などは、社会人になった今でも大いに役立っていると感じます。
――都立大を志した理由を教えてください。
実家は九州にありますが、大学を卒業したら東京で働きたいと考えていました。東京は、日本のあらゆる人や情報、仕事が集まってくるビジネスの中心地。そんな無限の可能性を秘めた場所で、社会人としての大切な第一歩を踏み出したいと思ったのです。
そのため、進学先は関東近郊の国公立大学を中心に探しました。高校の社会科目を通じて興味を持った経済学や経営学を学べる大学を調べていた中で、都立大のカリキュラムならどちらの学問も深く学べるのではと感じてオープンキャンパスに参加。緑豊かで落ち着いたキャンパスの雰囲気に惹かれ、都立大を志望しました。
――大学では、どのような日々を過ごしましたか?
私の学生生活は、多くの期間がコロナ禍と共にありました。本当は大学でもサッカーを続けるつもりだったのですが、1年次は全ての授業や試験がオンラインで実施されていたこともあり、大学に行く機会がほとんどなく、サッカー部への所属は断念。イベントスタッフなどのアルバイトを不定期で行いながら、大学の授業や課題、ゼミなどを通じて勉強に励む日々を過ごしました。思い描いた学生生活とは少し異なるものになってしまいましたが、4年間を通じてとことん学業に打ち込むことができ、本当に良い経験を得られたと思います。
3年次から所属するゼミは、会計学を専門的に学びたかったこと、ゼミの仲間とチームで研究を進める経験を積みたかったことから、管理会計論を専門とする細海昌一郎先生のゼミを選択。グループで、民間の調査会社が実施したアンケート調査の結果を用いながら、「コロナ禍におけるテレワーカーの継続意向」について統計分析を行いました。細海先生が統計学の考え方や分析手法を基本的なところから丁寧に教えてくださったおかげで、テレワークの継続意向は役員クラスの層で低く、一般社員の層で高い傾向があるという興味深い結果を導き出すことができました。
学友・同僚の刺激を受け、責任のある仕事へ。目の前の仕事に打ち込む日々
――現在はどのような仕事をしているのですか?
野村信託銀行の主計課という部署に所属し、経費のとりまとめと、それに伴う各種手続きの遂行を担当しています。また、金融庁への提出書類の取り仕切りと提出なども行っています。
――どのような軸で就職活動を行い、現在の仕事に就いたのですか。
大学で学んだ専門分野と自分の興味、適性を考慮した結果、経理職や金融業界の仕事に就こうと就職活動を進めました。様々な企業の中でも現在の職場を選んだのは、これから先、専門性を高められるようなキャリアを歩みたいと思ったからです。大学時代、私の周囲には公認会計士や税理士を目指す人が多く、みんなが勉強に打ち込み、会計や税務に関して深い知識を獲得して学びに磨きをかけている姿が印象的でした。現代は将来の見通しが立たない時代だといわれているからこそ、どんな状況に置かれても自立して生きていけるように、私も自分の武器となる知識や経験を身に付けたい。そう思ったことで、専門性を高めるキャリアを描いている人の多い現職への入行を決めました。
――仕事のやりがいを教えてください。
現在の仕事は期日を厳守しなければならないものが多く、自己管理やタイムマネジメントに関しては大きなプレッシャーを感じます。一方で、自分の仕事が社内の様々な部署に貢献できている実感もあり、やりがいを感じています。また、金融庁への書類提出など、自社の経営に直結する重要な仕事の一端を担わせてもらえていることにも、大きな充足感を得ています。
まだ働き始めて間もない私ですが、最近、新たな目標ができました。それは、いつか同じ部署の先輩のように、細やかな気遣いと丁寧なコミュニケーションができ、どんな仕事でも任せられるような頼りがいのある社員へと成長すること。先輩は、どんなに忙しくても私の仕事ぶりを気にかけてくださって、いつも「大丈夫?」「わからないことはない?」と声をかけてくださるんです。そのおかげもあって、私も先輩に疑問点や気になることをこまめに相談しやすく、先輩のアドバイスを実践しながら、日々着実に仕事ができるようになっていると感じます。これから数年経った後、先輩のような社員になれるように、まずは目の前の仕事を精一杯頑張ろうと思います。
――都立大での学びは現在の仕事に活かされていますか?
大学で学んだ会計学は、仕事に必要な知識を理解する上で大いに役立っていると感じます。ただ、やはり学問的な知識と現場の実務は別物。実務の中では、知識を使いながら、自ら考えた上でわかりやすい書類やメールを作成する必要があるため、難しさを感じることもよくあります。これからたくさんの経験を積む中で、これまで大学で学んできた知識と実務を紐づけ、より良い仕事ができるようにしていきたいです。
――最後に、犬塚さんにとって都立大とは?
都立大は、真面目な学生の多い大学です。私の友人もそうですが、多くの人が自分の目標に向かって真摯に学びと向き合い、行動を起こしています。大学で学びたいこと、経験したいこと、やってみたいことのある方は、充実した4年間を過ごせるのではないでしょうか。
やりたいことが特にないという方も、高い熱量で授業や研究と向き合う学生と触れ合ううちに、自分の視座が自然と上がってくると思います。そしていつしか、新たな物事への挑戦にも意欲が湧いてくるのではないでしょうか。実は私自身、会計士や税理士を目指す学部の仲間から刺激を受け、独学で簿記の資格を取得しました。穏やかなキャンパスの中で、大学でしか経験できないことを存分に味わってみたい。そんなふうに考えている方には、とてもおすすめの大学だと思います。
- 登場する人物の在籍年次や所属、活動内容等は、取材時(2024年)のものです。