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大学で身に付けた異文化コミュニケーション力で、留学生の力になりたい

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都市教養学部 都市教養学科 人文・社会系 国際文化コース 欧米文化論分野(現 人文社会学部 人文学科 )2020年度卒業

都市教養学部卒業。高校までを中国・大連で過ごす。東京都立大学に留学生として入学後は、異文化コミュニケーションを学びながら中国人留学生会の副会長を務める。現在は、海外から日本へ来る留学生を語学から生活まで幅広く支援する外国人留学生向けの塾に勤務。世界の人と人とをつなぎ、日本と中国の架け橋となる存在になるべく活動している。

異文化に敬意を払い、理解する大切さを学ぶ

――大学入学前はどのようなことに興味を持っていましたか?

私は中国の大連の出身で、高校卒業後に初めて日本に来ました。仕事の関係で両親はよく日本を訪れていたのですが、土産に買ってきた和服や富士山の写真などを見て、早く日本へ行ってみたいと思い心が踊ったのを覚えています。大連では、勉強の合間を縫っては、登山をしたり海を見に行ったりして豊かな自然に癒されていました。

小学生のころから英語のスピーチコンテストに参加するなど、英語や異文化にとても興味を持っていました。高校卒業と同時に家族と日本で暮らすことになり、ゼロから日本語の勉強をするために、日本語学校に通いました。

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――東京都立大学を志した理由とは?

日本での生活を始めたころ、父が運転する車に乗っていると、閑静な住宅街の中にあるモダンな建物が目にとまりました。父から大学の建物であることを聞き、学生や研究のために素晴らしい施設が整備されたキャンパスは、学ぶ環境として最適だと感じました。それが、都立大の日野キャンパスでした。キャンパスは違えども、その出会いが都立大を目指すきっかけとなりました。

――大学ではどのような日々を過ごしましたか?

国際文化コースに所属し、留学生として日本人学生と共に学ぶことで、異文化に対して敬意を払い理解することの重要性を学生生活と授業の両方から知ることができました。私にとっては日本も異文化で、生活習慣や食文化の面でカルチャーショックもありましたが、お互いに否定したり主張し合ったりするのではなく、文化を尊重し、その背景にある理由を正確に理解したいと強く感じていました。

3年生の時には、イギリスのレスター大学に留学し、より一層幅広い文化に触れることができました。グローバリゼーションが進む現代社会において異文化をどう理解するのか、どう共生するのかを考える日々でしたね。

――大学生活で思い出に残ることは?

大学では学業以外にも様々な活動にチャレンジし、視野を広げることができました。国際交流ボランティア団体「HANDs」や、アジアの学生が集う「GPAC(Global Partnership of Asian Colleges)」に参画したり、中国人留学生会の副会長を務めたりしました。都立大は多国籍の学生の交流が盛んで、活発なコミュニケーションを通じて友人のネットワークを広げることができました。

あらゆる人や文化をつなぐ存在になりたい

――現在はどのような仕事をしているのですか?

外国人向けの塾に勤務しています。塾といっても日本語を教えるだけでなく、日本での生活に困っている留学生をサポートする役割も担っています。例えば買物はどうするか、銀行の手続きで何が必要なのかなど、生活に直結することを自身の経験からアドバイスしています。

日本に来たばかりの方たちは、異文化の中で様々な不安を抱えています。私も同じ立場でしたので、彼ら・彼女らの気持ちはよくわかりますし、少しでも役に立ちたいという思いが私の仕事の原動力となっています。また、都立大で学生国際サポーターを務め、留学生に対して都立大の紹介をする機会がありましたし、大学が主催するキャンパスツアーのサポートをしながら得た経験も、今の仕事に活かされていると感じます。

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――最後に、朱琳さんにとって東京都立大学とは?

私に未知なるものを探求するきっかけを与え、成長させてくれたところです。都立大で得たすべての出会いに感謝しています。

これからも、大学で身に付けた異文化コミュニケーション能力を最大限に活かして、世界から日本に来る留学生たちの力になりたいと思っています。それに加えて、日本社会における多文化共生のきっかけをつくっていきたいですし、私のバックグラウンドを活かして、日本と中国の架け橋になれたらとも考えています。これを実現するには課題も可能性も多くあり、未来に向けてさらに挑戦したいという希望に満ちています。

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  • 登場する人物の在籍年次や所属、活動内容等は、取材時(2021年)のものです。