同賞は、パリに本社を置くロレアルグループと国連専門機関のユネスコが共同で創設したプロジェクトで、将来を担う若手女性研究者の更なる飛躍と地位向上を支援することを目的としています。対象は、物質科学、生命科学の分野において博士後期課程に在籍あるいは、博士後期課程に進学予定の40歳未満の女性であり、毎年それぞれの分野から2名ずつ、計4名が選考されます。2011年までに24名の女性科学者が受賞し、各方面で活躍しています。
理工学研究科物理学専攻博士後期課程2年の客野遥さん(ナノ物性I研究室)が、2012年度第7回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」(物質科学分野)を受賞しました。
受賞した研究のタイトルは、「水のナノサイエンス―微細な空間に閉じ込められた水の構造と性質の研究」です。
直径が異なる多種類のカーボンナノチューブの空洞内に水を閉じ込め、その構造や相転移(液体から固体への変化)現象などの研究を行いました。また研究の過程で新しい現象も発見しました。
カーボンナノチューブは、太さが水分子数個分の炭素のみからなるチューブで、軽くて機械的に強いので宇宙エレベータの材料としても注目されています。