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| 令和07年度 取組状況 | |
| 所属 | 理学部 生命科学科 |
| 職 位 | 准教授 |
| 氏 名 | 野澤 昌文 |
| 取組状況 | |
| 教 育 | 進化生物学
Evolutionary Biology/進化生物学各論 進化生物学概論 生物学基礎演習2 進化生物学実験(進化遺伝) 生物学実験2 Special Lecture in Evolutionary Biology/進化生物学特別講義 生命科学特別演習 I(コンピュータ活用 基礎編 大学院) 遺伝学特論(大学院) |
| 研 究 | ショウジョウバエを用いた性および性染色体の進化に関する研究
我々は性染色体の誕生から終焉まで(性染色体サイクル)を追跡し,進化や多様性の理解を目指している.そのため,ユニークな性染色体を持つショウジョウバエを用い,分子から集団レベルまで統合的に解析を行っている. i)ホンウスグロショウジョウバエにおける性染色体ドライブ メス偏向性比の原因として候補遺伝子Gcnaを同定した.SR系統ではGcnaが多コピー化しており,Y染色体をもつ精子の機能を阻害する可能性が示唆された.現在,キイロショウジョウバエでUAS-Gcna系統を構築し,過剰発現による性比への影響を検証中である. ii)ノハラカオジロショウジョウバエにおけるY染色体の機能 XYオスとXOオスを比較し,Y染色体の役割を解析した.Y染色体上に6遺伝子を同定し,その多くが精巣で高発現していた.またXYオスの方が繁殖力が高く,Y遺伝子の寄与が示唆された.現在,イオンビーム照射によりY部分欠損系統の作出を進めている. iii)ヒゲジロショウジョウバエにおけるY染色体の影響 XYオスとXOオスを比較した結果,寿命,繁殖力,転移因子およびsmall RNA発現に有意差は認められず,Y染色体毒性仮説は支持されなかった.一方,Y由来rDNAによりXYオスが多くのrDNAを保持しており,環境によっては適応的利点を持つ可能性がある. iv)D. pectiniferaにおけるY染色体重複融合仮説の検証 HiFiおよびONT解析によりY染色体配列(約22 Mb)を同定し,Xとのリピート類似性解析から両者の関連を示唆する結果を得た.現在,FISHによる染色体上の局在解析を進めている.また,Y上の発現遺伝子23個を同定し,多くが精巣で高発現であった. v)トラフショウジョウバエ種群におけるY染色体消失 複数種のゲノム解析により,オス妊性遺伝子がX染色体や常染色体上に分散して存在することを明らかにした.これによりY染色体がなくても妊性が維持され,Y消失を可能にする要因であることが示唆された. vi)ナミトビハネショウジョウバエにおける異数体形成 異数体系統と正常系統の交配解析から,XOやXXYは主に精子形成過程で生じることが示唆された.現在,HiFi-seqによるゲノム比較により,異数体形成の遺伝基盤の解明を進めている. vii)カフェインによるXO個体作出法の開発 卵期からのカフェイン投与により,低頻度ながらXOオスの作出に成功した.今後は条件最適化と他種への適用を進め,Y染色体消失を実験的に解析する系の確立を目指す. |
| 社会貢献 | 日本遺伝学会 評議員
日本進化学会 代議員 科学技術・学術政策研究所 科学技術専門家ネットワーク・専門調査員 Frontiers in Evolutionary and Population Genetics, Associate Editor iDarwin, Associate Editor |