教員紹介参照<参照>

平成31年度 取組状況
所属 法学部 法学科 法律学コース
学部・コース等
研究科・専攻等
職 位 准教授
氏 名 顧 丹丹

取組状況
教 育 ・商法2部
 手形・小切手法に加えて、企業決済において重要度が高まってきた銀行振込・振替および電子マネーに関する法律および裁判例について講義を行った。講義では制度・法的ルールの趣旨・目的および内容を説明するほか、裁判例と事例を通じて現行法の限界と問題点についても触れ、学生にそれらについて考えるきかっけを与えることに心掛けた。
・商法3部
 商法総則の部分を中心に講義した。学生にとって現実味の少ない法理、規定が多く含まれているため、事例分析の演習課題を課し,学習した理論・知識を応用し,実際の紛争において妥当な解決を見出す力を養うように工夫した。
・法律学政治学演習(米国会社法)
 参加者募集および募集期間の延長を行ったが、受講者がいなかったため、不開講となった。もっとも、学部生には外国法への関心が少なく、また英語の専門文献を読む意欲が必ずしもないという現状を把握できたため、それ自体は今後の教育活動に役に立つと思われる。
・法律学政治学演習(商法)
 会社法および保険法に関する近時の重要な裁判例を検討した。商法関係の裁判例は民法や刑法などの分野に比べ、日常生活からかけ離れた事柄が問題となるものが多いため、学生にとって理解が必ずしも容易ではない。本年度の工夫としては毎回、判決文および参考文献とともに、主な検討のポイントを示す問題リストを配布することとし、学生に設問に答えられるように予習することを求めた。感触としては例年と比べ、予習してきた学生が増え、それによって演習での議論の質が高まったように実感した。

・商事法学特殊研究Ⅱ(米国会社法)および商事法学特殊研究Ⅱ(商法)
 本年度、在籍する商法専攻の院生がおらず、また隣接分野の院生からも受講の要望がなかったため、大学院の2つの演習は不開講となった。
研 究 ・論文の執筆
 会社法に関する研究については、JSPS科研課題「日米における取締役会の監視・監督機能をめぐる制度的・実践的側面の比較法的研究」を中心に、役員構成とくに取締役会におけるジェンダーダイバシティの意義について、①新制度派経済学にある理論を用いて関連法制の合理性と問題点を分析するとともに、②統計学の分析方法を活用して実態の把握および現状の評価を試みた。本年度はその進捗を踏まえて成果の一部をHarvard Law Schoolのワークショップ(2019年4月)、Duke Law Schoolで開催されたNorthwestern-Duke Causal Inference Workshop(2019年8月)および本学法学部法律学総合演習(2020年1月)でそれぞれ報告したが、論文という形での成果公表には至らなかった。
 保険法分野における研究については、公益財団法人・損害保険事業総合研究所による研究費助成のもとで、「日米における個人所得補償保険制度の現状と課題」という題目の研究を行い、本年度は主に米国法の調査を行った。日本法の調査と検討および成果論文の公表は2020年度に予定されている。

・研究会における研究
 前述した国内外の研究報告のほかに、東京大学法学部で開催されている商事判例研究会に参加し、判例研究を内容とする研究報告(2019年11月)を行った。当該報告に基づく原稿は脱稿したものの、ジュリストへの掲載は2020年度に予定している。

・学会
2019年5月17日~18日、New York University of Law で開催されたAmerican Law and Economics Association 2019 Meetingに、2019年7月8日~19日、University of Chicago Law Schoolで開催された 2019 Summer Institute in Law and Economicsに参加し、米国をはじめとする諸外国の参加者と学術交流を行った。2019年8月11日~22日、2019 Northwestern-Duke Causal Inference Main Workshop および Advanced Workshop への参加し、実証研究のコアとされているCausal inferenceについての理解を深めるとともに,当該手法を用いて取締役会における役員構成の意義を検討した。
社会貢献 ・2019年4月10日、Harvard Law Schoolの学生団体であるAsia Law Society主催の講演会に、パネル・スピーカーとして招かれて“Pursuing a career in academia”という演題のもとで、日本および本学の研究環境を紹介した。
・2019年度法政大学現代法研究所で客員研究員を務めた。