Pickup!都立大の国際化 「東京都立大学ならではの体験ができる交換留学制度――異文化を肌で感じた記憶はその後の人生を変える」By 朝日新聞Thinkキャンパス広告記事
国際課職員による本学の制度及びサポート体制の紹介に加え、海外からの留学生・都立大の留学経験者3人にもインタビュー。都立大の国際化の「いま」をお伝えします。
東京都立大学ならではの体験ができる交換留学制度――異文化を肌で感じた記憶はその後の人生を変える
東京都立大学は2022年、「東京都立大学国際化基本方針及び行動計画」を改定し、優秀な学生の受け入れや国際共同研究の推進、研究力の社会還元などを打ち出した。これらの方針を具現化する要となるのが、国際課だ。国際課は2009年に創設された「国際センター」内の事務組織として発足した後、全学部の国際化を横断的に推進する「国際課」へと役割を広げた。現在では200人程の海外留学者と600人近い外国人留学生の支援、キャンパス内での国際化を担う。その取り組みを、留学生たちの声とともに紹介する(写真は左から国際課留学生交流係の小野坂遥香さん、吉良恵利佳さん、柴田研三郎さん)
◆一つのテーマを外国人学生と共に調査する国際共修プログラム
東京都立大学には、短期・長期それぞれに多様な留学制度や国際交流プログラムが用意されている。短期は語学研修を主な目的として1カ月ほど、長期になると自分が興味のある事柄を外国語で学ぶプログラムを3~10カ月程体験する。短期のプログラムで刺激を受けた学生が、次のステップとして長期留学に挑戦するケースが多いそうだ。国際課留学生交流係の吉良恵利佳係長に、特徴的なプログラムを紹介していただいた。
「部局ごと、あるいは研究室ごとに実施する留学制度もありますが、国際センターが主導するプログラムとして代表的なのが、2019年にスタートしたグローバル・ディスカッション・キャンプ(GDC)です。海外交流重点校から選抜された学生を東京に招き、設定されたテーマについて本学学生と協働するもので、外国人学生4人と日本人学生2人の6人を1チーム(全4チーム)としてリサーチ・討論し、最終日に成果を発表してもらいます。外国人学生来日後のコアプログラムは1週間程度ですが、6月の事前研修から9月の事後研修まで、約4カ月にわたるプログラムとなります。英語でのコミュニケーションが基本となるこのプログラムを通じ、学生たちはコミュニケーション能力や異文化理解力を上げていきます」
テーマは毎年変わり、文理横断かつ時代を反映した内容が取り上げられる。例えば2023年度は「日本を再想像する(Reimagining Japan)」で、4つのチームがそれぞれ「環境」「ジェンダー」「教育」「メディア」について調査を行った。フィールドスタディーでは、東京都の公共施設見学や都内の大学訪問、都職員へのインタビューなど、同大学が有するネットワークの強みが活かされ、大きな魅力の一つになっている。国際課は、国際センター教員と協力して、テーマの選考、指導教授の人選、関係各所への交渉、スケジュール調整などを担い、プログラムの拠点として機能している。
◆留学前も含め手厚いサポートに定評のある東京都立大学
また、国際課は海外に留学する学生に対し、準備段階から手厚くサポートしている。
「渡航手続きをはじめ、説明会やオリエンテーションを何度も行い、学生一人ひとりと顔を合わせて話をします。留学先で困らないよう、事前に英語講座と留学準備講座を開いており、特に準備講座では、異文化との向き合い方、危機管理のほか、キャリアカウンセラーによる帰国後の就職活動の流れなどを説明していきます。学生の不安材料をできる限りなくした上で送り出したいと考えています」
交換留学生には月々の奨学金が給付されるが、学生が受け取る際には生活や学業に関する報告書をラーニングシステム上にアップしてもらう。この報告は、大学が学生たちがどう過ごしているかを把握すると同時に、学生にとっても母校との繋がりを感じる大切な場となっているようだ。持病など、特別なケースにもきめ細かく対応し、留学に関して何か困ったことがあれば最初に相談する窓口が国際課なのだ。
こうした手厚い支援は、海外からやってくる外国人留学生に対しても同様だ。多様性に配慮し、宗教上必要な礼拝所を設置したり、委託業者と連携して英語以外の言語によるサポートを充実させたりと、受け入れ体制を整えて世界に門戸を開いている。改定した同大学の国際化基本方針では、海外から優秀な学生を招くことを宣言し、いたずらに学生数を増やすだけでなく、教育の質を上げることに重点を置いている。生活支援の拡充は、その一助となるだろう。また、育成した人材や研究力を社会に還元するという一文には、東京というメトロポリスでの活躍を願う、大学の個性が表れている。
「今後は、留学に興味のある学生と留学経験者をつなげるネットワークを活性化し、学生同士の学び合いを促したいと考えています。国際課にはさまざまなサポートがあります。ぜひ在学中にフル活用し、人生の糧にしていただきたいと願っています」
◆「多様な学生が集まる環境、共通項は『日本好き』」
~スウェーデンからの留学生、カールさんに話を聞きました。
カール・フレドリク・ウィリアム・グリクソンさん(スウェーデン・ウメオ大学3年生)
10月から留学していますが、再訪日になります。もともと日本のまんが・アニメが好きで日本の文化に興味を持ち、以前、東京の日本語学校で学んでいました。今回、東京都立大学を選んだのは、日本の首都で学びたかったのと、キャンパスのある東京郊外に興味があったからです。
初来日時に驚いたのは、電車の中で静かにしなければいけないことと、コンビニの便利さです。安くて何でも揃っているし、家賃の振り込みもできることには感動しました。今、住んでいるのは国際学生宿舎ですが、キャンパスの外では日本語を話せないと不便かな。僕は役所でも困りませんでしたが、友人はレジデント・アシスタント(※)に付き添ってもらったようです。そういうサポートがあるのはありがたいですね。(※留学生と一緒に国際学生宿舎に住み、生活支援や日本語の支援などを通して日常的にサポートする学生)
寮生活は楽しいです。いろいろな国の学生が集まっていて刺激的だし、毎月のようにイベントがあります。みんな日本好きなので話が合って、すぐ友だちになれる。それが一番、来て良かったと思うところですね。スウェーデンでの専攻はコンピューターサイエンスですが、こちらではロボティクスや、専門外の写真撮影技術に関する講義などを受講しています。スウェーデンの大学はオンラインだけで完結する科目も珍しくありませんが、日本の大学は出席要件が厳しい(笑)。でも、そのおかげで友だちがたくさん増えました。
留学期間は半年間です。スウェーデンから日本に留学する学生は珍しく、就活には有利なユニークポイントになるでしょう。プログラマーになろうと思っているので、国境は問題になりません。日本で働く可能性もありますよ。東京都立大学への留学は、寮をはじめ、学ぶ環境がいい。多様な国の文化に触れて、視野が広がりました。とくに日本好きの後輩には勧めたいと思います。僕も必修の単位が残っていなければ、あと半年、留学期間を延ばしたかったですね。
◆「留学によって自分の性格や考え方は変わる」
~都立大から世界各国への留学を経験した3人の学生に話を聞きました。
左:笹野 海さん(人文社会学部人間社会学科社会人類学教室4年生)
留学歴:カナダ・ニューファンドランドメモリアル大学(4カ月)
中:中曽根 万由子さん(法学部法学科政治学コース4年生)
留学歴:フィンランド・ユヴァスキュラ大学(10カ月 )
右:宮生 祐吾さん(都市環境学部地理環境学科4年生)
留学歴:イギリス・キール大学 (4カ月)
笹野 僕は、実はそれほど留学に興味を持っていませんでした。でもコロナ禍で渡航ができなくなったとき、このまま大学生活を終わりにしたくない、社会人類学を海外でも学んでみたい、と思って留学に踏み切りました。
宮生 僕は笹野くんと違って、高校時代から自分の世界を広げたくて留学に憧れていました。英語には自信がなかったのですが、思い切ってイギリスに留学し、キール大学で自分の専攻である環境地理学に加えて、興味のある教養科目を履修しました。
中曽根 父の転勤で海外生活をしていたことがあり、今度は自力で行ってみたいという思いと「海外から見た日本」に対する関心から留学を決意しました。国民の幸福度No.1として知られるフィンランドの社会に触れることができたのは、貴重な体験でしたね。ただ、コロナ禍で先輩たちも帰国していたので、現地の情報が入って来ないのが不安でした。国際課にサポートしていただきながらも、自力でやらなければならない手続きが多くて大変でしたね。
笹野 行ってみて、どうでした? 僕はナイジェリア人の学生とルームシェアしていたんですけど、深夜までゲームをしていたりして、人への気遣いとか、関わり方が日本人と違いすぎて戸惑いました。でも親しくなるにつれ、母国の不安定な政治状況を話してくれるようになり、自分とのバックグラウンドの違いにショックを受けました。頭で理解しているのと、当事者と話すのでは、インパクトがまったく違いました。
宮生 わかります。僕はアルティメットフリスビーというスポーツをしていて、留学先の大学でもクラブに所属したんですが、周囲は国際色も豊かだし、セクシャルマイノリティーであることを自然に公表しているカップルもいて、多様性が新鮮でした。そしてそれを自然に受け入れている環境が素敵だな、と思いました。僕自身も日本人としてのアイデンティティーを突きつけられ、また初めて自身がマイノリティーである環境を肌で感じました。
中曽根 私は、11月頃から一日中ずっと暗いフィンランドの気候にやられてしまいました(笑)。できるだけ外に出て人と関わろうとしているうちに少しずつ体が慣れましたが、フィンランド人も冬場は気持ちが沈むというくらい、厳しい環境なんだと実感しましたね。でも留学を経て、随分たくましくなりました。グズグズ考えすぎるタイプだったんですが、「とりあえずやってみよう」マインドが身につきましたね。初めての一人暮らしで生活力も向上しました。
宮生 僕も中曽根さんと似ていて、基本的に心配性なんです。だからコミュニティーを確実に作れるクラブに入りました。でも、準備しても想定外のことは起こります。そのときはそのときと腹をくくれるようになりました。あと、自己肯定感が上がりましたね。多様な社会の中で、ありのままの自分で生きていいのだな、と。
笹野 僕は、世界が繋がっているという感覚が芽生えました。ニュースの中の出来事が自分にも関わりのあることとして捉えられるようになったのは、戦禍を知る友人たちとの出会いがあったからです。
笹野 月ごとの報告書を出すにあたって留学先の大学の指導教授にサインをもらうのですが、それが教授と雑談ができる有益な機会になっていました。
宮生 東京都立大学で渡航前に履修していた授業の先生には、現地の写真をたくさん送っていました。留学中でも母校と「つながっている感」があるのは心強いし、月に一度振り返るのは良いシステムだと思いました。
中曽根 フィンランドの人って休み時間が長いので、教授にサインをもらうタイミングが大変でしたね(笑)。でも本当に、国際課の皆さんからのメッセージが心の支えになったことが、何度もありました。経済的な支援も手厚くて、助かりました。
宮生 僕は、渡航費と月額給付の手厚さが、そもそも都立大の入学の決め手になったくらいです。
笹野 そうですね。交換留学って自動的に受け入れ体制が整っている得難い特権なので、大いに活用すべきだと思います。行かない言い訳を並べずに、向こうの世界に飛び込むと人生が変わります。みんなは、将来のキャリア観は変わりませんでした?
宮生 変わりましたね。安定的に働ける公務員志望だったんですが、また海外に出たいと思うようになりました。
中曽根 私もです。海外に拠点のあるグローバル企業なども視野に入ってきました。
笹野 僕は就活を終えているんですが、内定先では国際部署を希望しています。留学経験は就活でも話しやすいし、選択肢は確実に広がります。そういうことをもっと伝えたくて、僕たちは3人とも、都立大の国際化や留学を促進する活動「SIPS」に参加しています。
中曽根 海外から来ている留学生も、日本人学生ともっと関わりたいと考えています。留学経験のある人と、留学に興味を持っている人、それから外国人学生とが包括的につながる仕組みづくりを手伝えたらと思います。
宮生 僕も、今後はイベント企画やSNSでの情報発信などで、留学に踏み出そうとしている人の後押しができたらなと思っています。
<詳しくはこちらへ>
東京都立大学国際センター・国際課
https://www.ic.tmu.ac.jp/index.html
東京都立大学の国際化に取り組むネットワーク「SIPS」のインスタグラム @sips_tmu
https://www.instagram.com/sips_tmu/
<スタッフクレジット>
(取材・文/武田洋子 撮影/篠田英美 制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ)
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