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山崎 晴雄 教授

山崎 晴雄 教授

都市環境学部 地理環境コース
山崎 晴雄 教授

キーワード:
断層, 地震, プレート

文明さえも簡単に吹き飛ばす、火山の絶大なる威力

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人類は絶滅の危機に瀕していた

人類は順調にその数を増やしてきたのではなく、約7万年前に人口が激減した時期がありました。原因は大規模な気候変化で、それをもたらしたのはインドネシアのトバ火山が噴火したからだと考えられています。有史以降、そこまで大規模な噴火はありませんが、文明の盛衰を左右することはありました。例えば3600年前頃、エーゲ海に栄えたミノア文明はサントリーニ島の火山の噴火で滅んだと言われています。

日本でもあった大噴火

マグマが溜まるまでには時間がかかりますから、大規模な噴火は数千年から数万年に一度起こります。逆に言えば、小刻みに噴火している火山は比較的安全とも考えられます。日本では現在、富士山の噴火がとりざたされていますが、実際にはもっと大きな噴火も経験しています。例えば平家物語の僧俊寛が流されたとされる薩南諸島の鬼界島付近の海底には巨大なカルデラがありますが、それは7千年前の巨大噴火によりできたものです。その際、火砕流が海の上を渡って南九州を襲い、そこにあった縄文文化を消し去ったと言われています。遠く離れた東北地方からもその噴火による火山灰層が発見されるなど、噴火の大きさを物語っています。

噴火がもたらす余波

記憶に新しいのが2010年に起きたアイスランドの火山の噴火です。噴出した火山灰は成層圏にまで達し、航空機の運航に支障をきたしました。その結果、噴火の規模としては小さかったものの、約30カ国の空港が閉鎖に追い込まれ、大きな経済的損失が生じました。
また火山灰はカーテンのように太陽を遮るため、気温は低下し、作物の収穫量を減少させます。18世紀にもアイスランドで別の火山が噴火したのですが、そのときはヨーロッパ中に深刻な飢饉をもたらしました。現在は太陽光発電の導入が進められ、エネルギー分野も太陽光に頼るところが大きくなっています。世界のどこかで数万年に一度の噴火が起これば、人類は未曾有の大混乱に陥る可能性もあるのです。

知っているようで知らない活断層のこと

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地震が起こるメカニズム

地面は何の変化もないように見えて、プレート運動などでさまざまな力が加わっています。この力は長い時間をかけて蓄積され、限界に達すると弱い場所がずれ、エネルギーを解放します。このずれが断層です。断層の中にはもう動かないものと将来も動く可能性のあるものがあり、後者を「活断層」と言います。活断層は動く際、地震波という形で力を発散します。活断層が地震の原因とされるのはこのためで、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)もこのケースに当たります。

活断層にまつわる誤解

誤解されやすいのですが、地下から地表まで延びていない断層は活断層とは呼びません。もちろん地下深くにある断層も動くことはありますが、地表まで現れる断層に比べるとエネルギーは小さく、将来的にも大地震を起こす可能性は低いと言えます。活断層が動くのは、数千年から数万年に一度です。力が蓄積されるまでは動かないため、活動は周期的になります。また、地震を起こすといっても、プレートの沈み込み帯で発生する海溝型地震に比べると、解放されるエネルギーは遥かに小さいのです。しかし活断層の場合は人間の生活圏の直下にあるため、狭い地域でも、震源近くでは甚大な被害を及ぼすこともあります。

活断層はどこにある?

断層はいつも同じ方向に動くため、その片側はどんどん高くなり、逆側はどんどん沈み込みます。言い換えれば、活断層は山地と平野の境目にあるのです。地図や航空写真で見て直線的になっている箇所、例えば六甲山の南東部や濃尾平野の西縁などに活断層はあります。1995年以降、日本政府は本格的に調査を開始し、約10年でほとんどの主要活断層の活動を確認しました。しかし活断層は間欠的に動くので、活動を休止している間にも、浸食や堆積などで地形は絶えず変化します。そのため、調査に適した場所を探すのはなかなか骨が折れます。いつ動いたのかを明確に遡ることのできる断層はさほど多くなく、この点が地震予測の難しさだと言えます。

高校生・受験生の皆さんへのメッセージ

「なぜそこに山があり、川が流れているのか」、何の意味もないように見えていても、実はちゃんと理由があります。今の生活を当たり前と思わず、さまざまなことに注意を向けてください。自分自身の進歩は、疑問を持つことから始まるのです。また、高校までの勉強には必ず、何らかの答えがありました。しかし現実は違います。世の中にはまだまだ、理由がわからないことがたくさん眠っているのです。答えがわからない問題を見つけ、何とか解こうと知識や知恵を巡らせる。それこそが大学生からの勉強と言えます。


夢ナビ編集部監修

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