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和田 圭二 准教授

都市教養学部 理工学系 電気電子工学コース
和田 圭二 准教授

キーワード:
パワーエレクトロニクス, ハイブリッド, 電気

家電や自動車、鉄道システムを変革する「パワーエレクトロニクス」

電気を効率的に供給するパワーエレクトロニクス

冷蔵庫やエアコンなどの家電製品は、昔のものに比べて最近の製品の方が、消費電力が少なくなっています。こうした家電製品の省エネを可能にしているのが「パワーエレクトロニクス」という技術です。パワーエレクトロニクスは、半導体を用いて電圧や電流、周波数を自在に制御する技術です。
電気製品は、電力でモーターを回すことで作動しますが、古い製品は、電源とモーターを直接つないでいるだけなので、モーターの回転数を制御することはできませんでした。一方、最近の製品は、電源とモーターの間に半導体を使った回路をつけ、環境に応じてモーターの回転数を自由自在に変えることができるため、電気をより効率的に使えるのです。

自動車や鉄道など、あらゆる分野に浸透

パワーエレクトロニクスは、家電製品のほか、自動車や鉄道、産業機器など、あらゆる分野で利用されています。例えば、ハイブリッド車は、減速時のエネルギーを利用してモーターで発電しますが、アクセルやブレーキの踏み方でモーターの回転を自由にコントロールする部分に、パワーエレクトロニクスが使われています。また同様に、鉄道でも、電車のブレーキをかけた際にモーターを発電機として作動させ、発生した電力を架線に戻し、ほかの電車で使う仕組みが採用されています。これを可能にしているのも、パワーエレクトロニクスの技術です。

技術の進化には、半導体以外の要素の改良も必要

このようにパワーエレクトロニクスは、電気エネルギーの効率的な利用に欠かせない技術で、その要となるのが半導体であることから、新しい半導体の開発が積極的に進められています。しかし、技術の向上には、半導体以外の要素の改良も欠かせません。パワーエレクトロニクスの回路には、コイルやコンデンサも大量に使うことから、コイルの巻き方や使い方の見直し、コンデンサの長寿命化なども取り組むべき重要な課題となっているのです。

「スマートシティ」実現の鍵を握る、電力の制御技術

電力の有効活用で環境にやさしい街をつくる

「スマートシティ」という言葉を聞いたことがありますか。スマートシティとは、ITや環境技術を駆使し、地域全体で電力を有効利用することで、環境負荷の少ない都市を意味します。具体的には、地域内で発電した太陽光や風力などの再生可能エネルギーを電気自動車や蓄電池に貯め、使う場合は省エネ家電などで無駄なく使うことで、エネルギー効率のよい生活を実現し、温暖化ガスの排出を抑える都市のことです。

電力の流れを制御するパワーエレクトロニクス

スマートシティを実現する上で大きな役割を期待されているのが「パワーエレクトロニクス」です。パワーエレクトロニクスとは、半導体を用いて電圧や電流、周波数を自在に制御する技術のことで、電気の効率的な利用を可能にするものとして、すでに、鉄道やハイブリッド自動車、家電、産業機器など、さまざまな分野で利用されています。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、発電量が天候に左右されるため、その出力の制御が難しく、電力網に組み入れると、電力供給の不安定化につながると危惧されています。しかし、パワーエレクトロニクスを使えば、電圧や電流、周波数を自由に変えることができるため、不安定な再生可能エネルギーを制御することで、地域内での電力流通をより安定的かつ効率的に行うことができるのです。

新しい半導体や回路の開発が課題に

期待が集まるパワーエレクトロニクスですが、その活用にはまだ課題もあります。まず、パワーエレクトロニクスの要となる新しい半導体は開発されたばかりで、まだまだ改良の余地がたくさんあります。また、新しい半導体の性能を生かせる新しい電気電子回路の設計も必要になります。したがって、この技術を使いさまざまなタイプの電力をコントロールできるようになるまでには、もうしばらく時間がかかりそうです。しかし、いずれこうした技術が開発されれば、電力供給の在り方は、これまでと大きく変わることでしょう。

高校生・受験生の皆さんへのメッセージ

電気や電子の学問分野は、これからの産業を考えると極めて重要な学問だと言えます。
例えば、かつて自動車産業に必要な知識は、機械工学が中心でしたが、最近は、自動車の大部分が電気で制御されていることから、電気の知識が重要になっています。また、ロボットや新エネルギー、情報通信などの分野でも電気の知識は欠かせません。もしあなたが、将来、こうした分野に進みたいと考えるなら、ぜひ、私の研究室に来て一緒に勉強しましょう。

夢ナビ編集部監修

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