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開沼 泰隆 准教授

開沼 泰隆 准教授

システムデザイン学部 経営システムデザインコース
開沼 泰隆 准教授

キーワード:
ペットボトル, 再利用, サプライ・チェーン・マネジメント

事業者側から見たポイントカードのメリットと戦略

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ポイントカードには隠された機能がある

スーパーマーケットやコンビニ、デパートなどでは、商品を購入するごとにポイントが貯まり、次回の買い物に利用できる、そんな「ポイントカード」を発行しています。あなたの財布にも、きっと何種類かのポイントカードが入っていることでしょう。このカードには、顧客を囲い込むという目的もありますが、顧客がどのようなものを買ったかというデータを集めることも行っているのです。

POSデータの弱点とは

顧客の買い物動向の把握は、ポイントカードを発行しなくても可能です。コンビニでアルバイトをしたことがある人ならわかると思いますが、会計の時に店員は、お客の商品のバーコードをスキャンするだけでなく、同時に40代男性、20代女性といった年代や性別のデータを一緒にレジに登録しています。コンビニの本部は、これらのデータを集計し、世代別の顧客の好みを調べ、商品の仕入れなどに役立てているのです。このようなシステムは、「POSシステム」と呼ばれています。ただ、POSデータの欠点として、20代男性の買い物動向など、おおまかなデータしか集められないことや、店員がレジで登録する際に、年代や性別の情報を誤って登録してしまう可能性があることも挙げられます。

ポイントカードに記録された情報を活用する

一方、ポイントカードでは、年代や性別のデータはもちろんのこと、お客自身の購入動向が正確にわかります。アクセサリーをよく買う人だけに宝飾品セールのダイレクトメールを送ったり、来店が少ないお客に割引券を送り買い物を促したりということもでき、企業は効率的に消費者個別のニーズに合わせたプロモーションをすることができます。
ほかにも活用方法はたくさんあると考えられ、特に膨大なデータからこれまでになかった傾向を探り出して活用する「データマイニング」という手法が、企業にとって重要といえるでしょう。近年では、「Tポイント」や「Ponta」など、異業種間共通のポイントカードが登場しており、今後の動向に注目です。

サプライ・チェーン・マネジメント(供給連鎖管理)の現状と課題

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いかに効率よく商品を生産するかを考える

カメラでも、コピー機でも、ペットボトルのジュースでも、質の高いものをいかに安く、早く、効率よく生産して、消費者に販売するかは、企業にとって重要なテーマです。この生産から消費までの流れを「フォワード・サプライ・チェーン」と呼びます。
もっとも、近年では、企業もただ作って売れればいいというだけではなく、使い終わったものを回収して、それをそのまま使ったり、一度バラバラにして新しく別のものにしたりといった「リユース」や「リサイクル」まで、企業の社会的責任として求められるようになってきました。実際、ほとんどの企業で、製品の再利用は行われています。ちなみに、この回収から再利用までの流れを「リバース・サプライ・チェーン」と呼びます。

リバース・サプライ・チェーンは赤字の場合が多い

このように多くの企業では、生産して消費者に渡り、回収して再び商品にするという循環を作っています。ただし、リバース・サプライ・チェーンを実施して利益を出すのは難しいのが現状です。その原因は、すべて新しい部品じゃなければ嫌だという消費者の意識や、回収に対する意識、回収・運搬の費用の問題などさまざまです。ペットボトルや紙などは、回収して再利用するよりも、新しいものを作った方が安いという現状もあり、うまく循環させるのは難しいところです。

レンズ付きフィルムは数少ない優等生

リバース・サプライ・チェーンがうまく実現した例もあります。身近な例では「写ルンです」などのレンズ付きフィルムです。消費者は購入し、撮り終わったらDPE(写真の現像)店に持っていきます。企業が回収する作業をしなくても、消費者がDPE店に現像を依頼する形で返してくれます。しかも、フィルムメーカーは、DPE店に現像液を運ぶついでに回収すればいいだけですから、手間や費用もわずかです。最近は、デジカメの普及により苦戦しているようですが、このような仕組みをほかの商品でも考えることができれば、本当の意味での循環ができることになります。

高校生・受験生の皆さんへのメッセージ

私の研究分野は、経営工学で、特に生産や物流というサプライ・チェーン・マネジメントを研究対象としています。主に、製品をどのような形で生産をして消費者に届けるか、あるいはどのようにサービスを提供すると、最も喜んでもらえるかということを調査・分析しています。最近では、消費者が不要になったものを再び製品にして利用するリユースや、リサイクルといった循環サプライ・チェーンの分野にまで研究範囲を広げています。これらの分野は、今後必要かつ重要な研究課題になりますので、ぜひ一緒に考え、一緒に研究しましょう。


夢ナビ編集部監修

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