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斉藤 恵美子 教授

斉藤 恵美子 教授

健康福祉学部 看護学科
斉藤 恵美子 教授

キーワード:
保健師, 看護師, 健康

健康なまちづくりに向けた「地域診断」

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住民の健康状態を把握する「地域診断」

健康は、人が幸せに暮らしていくために重要な要素です。公衆衛生看護学では、地域で生活する人々の健康状態や、生活環境などの実態を把握し、健康を守るためにどのような働きかけが必要かを分析し、判断する方法があります。これは「地域診断」と呼ばれ、都道府県や市区町村で働く保健師は、この地域診断をもとに保健活動を行います。

地域のニーズに応じた健康づくりを計画

地域診断では、出生率や死亡率、人口における各世代の割合といった基本データを評価して、自然環境や交通機関、病院、施設など、暮らしを取り巻く環境についても情報を収集します。同時に、地区の健康増進に関する事業や家庭訪問などで住民と会って、健康や生活の様子について、注意深く話を聞きます。多角的に情報を収集し、個人の健康課題から、その地域全体の健康課題へと、総合的に評価(アセスメント)する視点も重要です。
保健師は地域のニーズに応じた健康づくりについて計画しますが、都市部では住民数が多いため、すべてのニーズに公平に対処することが難しいことも少なくありません。妊産婦や、乳幼児とその保護者、高齢者などの健康や生活での支援が必要な人々や、病気や障がいのために生活が困難となっている人々に、保健師は専門的な知識や技術を用いて働きかけています。

住民の健康を支えるまちづくりに向けて

近年では、住民の健康を重視したまちづくりを積極的に行う市区町村も多く見られます。地域の住民の声を丁寧に聞き取りながら、健康維持のための地域独自の特徴を把握し、それらを地域の政策に反映させていくこともあります。
学問としては、基礎的な一つのテーマを深め、研究を続ける分野もありますが、人々のニーズや社会環境に応じて、研究のテーマや対象の優先度を考えなければならない分野もあります。公衆衛生看護学は後者と見なしてよいでしょう。こうした学問の広がりが、人々の健康を支える基盤となっているのです。

保健師は、地域の人々の健康を支える有意義な仕事

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保健師の学びの基礎となる公衆衛生看護学

公衆衛生看護学とは、乳幼児から高齢者にいたるすべての人々を対象に、健康の増進や病気の予防、生活の質の向上をめざすことを目的とした学問です。一般に「看護職」と言われる看護師、准看護師、助産師、保健師のうち、保健師を養成するための教育課程に関連した分野でもあります。
看護師として働く人は全国で約95万人にのぼりますが、保健師は約5万人です。日常生活の中で、人々が保健師と接する機会というのは、看護師と比べると少ないかもしれません。保健師は、おもに都道府県や政令指定都市の保健所、市区町村の保健センター、企業や病院、学校などで働いています。

健康な人を、より健康に

都道府県や市区町村で働く保健師は、健康な人が将来的にも健康を維持できるよう、地域の人々に関わりながら保健指導を行っています。人は体調が悪く、痛みや発熱などの症状があれば、自ら病院に出向き治療を受けることが多いです。しかし、今は目立った症状はなくても、現在の食生活を何年か続けることで生活習慣病を発症する場合もあります。このような潜在的な病気の発症を予防するために、健康づくりの支援をすることが保健師の役割の一つです。そのためには、実際に地域に出向いて住民から話を聞くことや、地域の社会資源の現状を把握することがとても重要です。また病気の予防に限らず、地域の健康づくりのための事業を展開するなど、活動の幅は広いです。

感染症発生時や災害時の人々の健康管理も

感染症が集団発生したときや、災害時に健康管理が必要なときも、地域の保健師は積極的に取り組んでいます。2011年の東日本大震災では、各地の都道府県や市区町村の保健師が被災地に派遣され、活動が続けられています。このように社会の要請に応じて活動することも、保健師の仕事の特徴です。地域に暮らす人々に寄り添い、人々の健康を支えるという非常に有意義な仕事です。

高校生・受験生の皆さんへのメッセージ

看護学の領域に興味がある人は、高校生のときに病院での1日看護体験や施設のボランティアなどに参加してみるとよいでしょう。さまざまな人と触れ合うことができますし、大学で学ぼうという意欲を高めることにも役立つと思います。高校の勉強では、コミュニケーションの基盤となる国語や英語などの外国語の勉強はとても大切です。また、人間とそれを取り巻く環境や社会を対象とした学問ですので、生物学・化学などの理科や、現代社会・倫理などの公民についても重点的に学んでおくとよいでしょう。


夢ナビ編集部監修

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